妄想:職場にて

いつもとは違う通勤だったが、職場に着くと普段と変わらないルーチンが始まった。
制服に着替え、朝のミーティング、諸々の業務確認を終えると、真帆は自分の担当業務を始めた。
あっという間に時間が過ぎ、後輩二人からのランチのお誘いで昼になったことに気づく。
「ごめんなさい、今日はあまり食欲がないから、お昼はコンビニおにぎりにしちゃうね」
「わかりました。明日は三人でパスタを食べに行きましょうね」
後輩がランチに出かけるのを見届けた真帆は、一人、トイレに向かった。
個室に入り、腰を下ろすと、下着に付着した汚れが目につく。
『大丈夫だよね…あの人に気づかれてないよね…』
朝の出来事を思い出し、心の中でつぶやいた真帆は、身体の奥底が熱くなり、思わずkoekoeの自分の投稿ページを開いてしまう。
朝の自分のコメントに、またみんながコメントをくれている。
『そろそろお昼かな。えっちで変態な真帆は会社のトイレでみんなのコメントを見ながら我慢できなくなってるんだろうなぁ』
まるで今の自分の行動を見透かされているかのコメントに思わず呼応してしまう。
『そうなの、真帆は変態なの…我慢できなくて、トイレで触り始めちゃってるの…』
まるでコメントの相手がその場にいるかのように、真帆は指を動き始めた。
誰もいないトイレにくちゅくちゅという溢れ出る蜜の音が鳴り響く…
『んん…止まらない…こんなところでダメなのに…』
真帆の指の動きが徐々に早くなっていく。
『もっと…もっと奥まで…そんな…じらさないで…』
いつも使うおもちゃとは違い、指では入り口付近しか刺激できない…
そんなもどかしさが、さらに真帆を大胆にさせ、コメントをくれた人の名前を思わず小さい声で口に出してしまう。
「ぱぱさん…もっと…もっと…お願い…」
職場のトイレで秘め事を行いながら実際に声を出すという背徳感が、一気に真帆の脳を刺激する。
『そう…もっと…もっと奥まで…』
真帆は人差し指と中指の二本の指を自分の身体の奥深くまで何度も繰り返し突き刺し続ける。
『すごい…そう…もっと…もっと気持ちよくして…』
「ダメ…もう…イキそうなの…こんなところで…ダメ…」
もう心の中の声なのか、実際の声なのかがわからなくなってしまう。
「いっしょに…いっしょにイッて…ぱぱも一緒に…」
その瞬間、トイレのドアが開き、後輩の話し声が聞こえ始めた。
昇りつめる直前で強制的に現実に引きずり降ろされた真帆は、慌てて水を流し、荒い息をごまかす。
びしょ濡れになった自分自身をトイレットペーパーでゆっくりとぬぐった真帆は、「お願い…イカせて…」とだけコメントを返し、悶々としたまま午後の仕事に戻った。

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