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車窓

見つめてしまえば狂気の沙汰 だから目を逸らさずに逃げるね泣きながら

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気怠げに水面を眺めながらとつとつと ことばを置いていくあなた あのひととは真逆で

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坂道を上っていく背中と高い空 ここにあなたの日々があった

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実らない熱病に侵される8月 わたしは少年ではなかったのです

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焦がれるような恋はそして神話でした 書を燃せよ街へ出よう

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別れへ向かう車窓に立つ ひかりに燃える木立と鳥よ 前途を赦せ

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