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熱狂と偶発性に包まれた54時間を過ごして

週末起業体験イベント「スタートアップウィーケンド(以下、SW)」にたまに参加している。今回の参加は通算で7回目とかで、この7月は、豊田、つくば、浜松と3か所で参加した。今回のnoteでは今月3回目に参加した浜松での3日間を振り返り、SWの存在や内容を広められればと思う。

スタートアップウィーケンド(SW)とは

SWは一言で言えば「週末起業体験イベント」。仕事や学校終わりの金曜晩から日曜夜までの54時間をかけて起業アイデアをカタチにする。「起業って美味しいの?」というビギナーから、会社員以外の人と繋がりたい社会人、起業家や投資家と繋がりたい起業家予備軍まで幅広く包容してくれるイベントだ。以下はSWのWebsiteからの抜粋。

“スタートアップウィークエンド(SW)”は、金曜夜から日曜夜まで54時間かけて開催される、「スタートアップ体験イベント」です。週末だけで参加者は、アイディアをカタチにするための方法論を学び、スタートアップをリアルに経験することができます。
わたしたちは、スタートアップが最初の一歩を踏み出すためのプラットフォームを目指しており、開発者やビジネスマネージャー、アントレプレナー、デザイナー、マーケター等、さまざまなスキルの人々を結びつけ、アイディアが現実になることを願ってます。

スタートアップウィークエンドについて

第13回 SW浜松

SWはテーマ設定がある時とノンテーマの時がある。今回の浜松はノンテーマ。どんな人がオーガナイザー、コーチ、審査員をやるかでイベントの雰囲気が変わってくる。今回の浜松はコーチと審査員の男女比が1対1くらいで、起業家、経営者、投資家のバランスも整っていたのではないだろうか。

SW浜松3日間の僕の視点

1分間ピッチの末、他チームへ参加することに

ここからは自分個人の目線に視点を移したい。SW初日の金晩は1分間ピッチから始まる。投票に勝ち、自分を含めて3人以上仲間を集められれば土日も活動を続けられる。今回はリーダーとしてチームを作り優勝したいと思っていた。もう一つのアイデアと迷っていたが「患者と歯医者の情報格差をなくす学びのプラットフォーム」をピッチし無事勝ち残ったものの、若干不調な自分の体調とも相談し取り下げることとした。自分も投票をしていた「地方観光のラストワンマイルを電動キックボードで解決する」チームに参加した。3日間大きくはブレることなく、顧客インタビュー、プランの構築を進めていった結果、以下のようなスライドができた。ここでは3枚に絞る。

スライド表紙のタイトル
街頭インタビューで熱烈なファンを獲得
署名とメールアドレスを頂戴した
突貫で作った3年間の収支計画
ちゃっかり調達懇願の文言を入れたら会場から小笑がこぼれた

街頭インタビューで初の署名獲得

前回のつくばに引き続き今回も街頭インタビューに出たが、今回は署名までいただくことができた。今後活動にアップデートがあれば連絡先を頂きたい、という名目だったので必ずしも買ってくれるという名目ではないが、ファンを獲得したという意義は大きいのではないか。自分としても街頭インタビューの仕方に成長が見られて嬉しい。下のようなチラシをささっと作ってiPadで見せながらひたすら話かけた。

街頭インタビューで使ったチラシ

類似サービスをどう捉えるか?

インタビューを終え、ビジネスプランが徐々にカタチになっていくとよくぶち当たる壁が「既に類似サービスがある、競合がいる」という状況。この状況をどう捉えるかだが、議論の結果自然にそこに行き着いているとしたら、僕個人としては「めちゃくちゃ良い状態」だと思っている。なぜなら既に顧客が存在していて、ビジネスとして成立していることを意味するからだ。今回のビジネスアイデアの場合は、以下のような類似サービスを見つけた。

※Luupについてはマーケットが異なるという点で競合とは捉えないと個人的に考えていたが、「Luupが参入してきたらどうするの?」と周囲からのフィードバックを踏まえて可能性としての脅威と捉えるようにした。

実証実験から抜け出すには?

但し、1つ目の沖縄県の事例も、2つ目の鳥取県の事例も社会実験や実証実験に留まっており、ビジネスとして成立しているかでいうとNOだと捉えた。理由・背景の深掘りが必要だったが、時間もなかったので単純にコストに対する売上が不足している、つまり「電動モビリティやそのステーションの導入費用に対する顧客単価✖️利用者数が不足している」だろうと推察した。顧客単価を上げるレバーを引くか、利用者数を増やすレバーを引くかの二択があるが、今回は利用者数を伸ばす方向で考えた。

どう利用者数を伸ばせるか?どう差別化できるか?

ちなみにこれを考え始めたのはSW3日目の朝で且つ収支計算などに取り組んでいたため、実質最後の1時間でLuupや2つの類似サービスといかに差別化できるかを考える必要があった。鳥取と沖縄の事例を見に行くと、観光プランとのパッケージ化など顧客体験を一つの線上で捉える施策が見られた。また、提案サービスの想定利用場所として静岡県の天竜浜名湖線沿線を考えており、アップダウンが多いことが想定された。その流れでLuupの弱点でもあった「坂道でも登りやすいキックボードが良いのでは?」「ハードで差別化できないか?」という思考回路が働いた。かなり突発的ではあったが「街中から山岳地帯まで」というコンセプトが思い浮かび、プレゼン資料に突貫で盛り込んだ。

E Scooters for Mountainsとググって見つけた画像
欧米などで実在する模様

ブレた顧客像

上で書いた内容の通り、かなり短絡的且つ浅墓な思考になってしまったと振り返る。元々インタビューをしていた時点と顧客像がぶれてしまったし、結果としてプレゼン全体に一貫性を持たせられなかった。審査員からのコメントでも同様の内容があった。そもそもどうすればこうならなかったのかを振り返ると、「詰めるべき論点整理」、「優先順位づけ」、「3日間の時間の使い方」…なんかがパッと思い浮かぶ。

審査結果と所感

審査結果としては3位だった。無事に入賞することができて嬉しい。その他、街頭インタビューでの署名獲得や収支計算など過去にやったことのない立ち回りを経験することができて、SWは毎度新たな学びをくれると改めて感じた。熱狂と偶発性に包まれた54時間から得られるものは大きい。審査員の御三方から以下のような総評をいただいた。どれも刺さったのでここに書き留めて今回のnoteは締めとしたい。

・昼夜を忘れて取り組めることをやると良い。起業すると99.9999%がしんどい。
・周りが何と言おうと自ら信じる道を突き進み、スタートアップせよ。
・スタートアップが失敗する大きな理由の一つは情熱の欠如。情熱を持てることをやろう。

ここまで読んで頂きありがとうございました。いいね、フォローいただけると嬉しいです!チームメイト、オーガナイザー、コーチ、ジャッジの方々、SWに関わる全ての人に感謝!!

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