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小説 『ニンジャスレイヤー』 第1部を読んでみた結果……

遅ればせながら、小説『ニンジャスレイヤー』の第1部を読み終えた。
感想としては「サイコー」このひと言に尽きる。

前回 ]前々回 ] に続き、今回も「読んでみようかな…」「どこから読めば…」「おもしろいん?」などと悩むワシのような初心者に向けて書く。

ナニを書くのか?
エピソードごとの詳しい感想ではない。全体を通しての感想はチョッピリ書く。

実際に第1部を読み終えたワシは、以下の2つについて書く。
①「けっきょく南極紆余曲折、ワシはこう読んだ」
②「これは強く言っておきたい」

……………

①「けっきょく南極紆余曲折、ワシはこう読んだ」

「こう読んだ」の前に、簡単に第1部の全体像を説明しておきたい。過去2回の投稿と少し重複する部分もあるが許して欲しい。

『ニンジャスレイヤー』は、第1部だけでもたくさんのエピソードがある。
全部で【55】エピソード。ボリューミーだ。
(たぶん… おそらく合っている。最終話はひとつにまとめている)

内訳は
・本編:【28】(無料だ!)
・追加:【27】(一部有料。なおひとつは動画だった)
となっている。

本編連載当時(2010~)、時系列がバラバラの状態でエピソードが公開されていったという。しかし今は、猛者=ファンの考察によって、追加エピソードも含めて時系列順に読むことができる。これもありがたい話だ。

”追加” とは、「前日譚」「ある本編エピソードのその後」「本編と本編の空白を埋めるようなアレ」「本筋とは関係ない独立した読み切り」などなどだ。公開日を見ると、どうやら第1部の本編連載後…… 第2部、第3部の途中途中で追加公開されていったようだ。ニクイやり方。

なお第1部の追加エピソード【27】を分解すると、現時点で
・無料公開:【16】
・書籍限定:【6】
・ニンジャスレイヤープラス(noteで有料)限定公開:【5】
つまり無料で【44】エピソードを楽しめてしまう
おそろしい時代。おそろしい話だ。

(ありがたや、ありがたや…)念仏を唱えながらニンジャスレイヤーに手をつけたワシは、ここで迷いの森に踏み込んだわけだ。

そんなありがたい現在において…… 初心者のワシはどう読み進めるか?
読み始めるまえ、そして読み始めてすぐ。ワシは悩みに悩み…… 迷いに迷った。目が充血し…… ヨダレ… そして鼻血を垂らしながら「こう読んでみよう」と決意し…… しかしその決意は脆くも崩れ…… 前回の投稿で、以下のように記した。

ニンジャスレイヤーWiki【時系列順】を頭から読む、という手もあるが、多すぎる。前日憚とか追加エピソードがぜんぶ含まれているからだ。いずれ全部読むにしても、まずは、本編だ。
●第1部の本編だけを全て読む
●読む順番は、【時系列】だ
これで行く。ワシはそう決めた。


結果、ワシはどう読んだか?
以下の通りだ。
※黄色:本編
※青ぽい色:『ニンジャスレイヤープラス』限定の追加エピソード
※その他:追加エピソード(ニンジャスレイヤーWikiやアプリから読める)
※書籍限定の追加エピソードは未読のため未記載

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過去のワシ
「まずは、本編を読んだらどうか」
現在のワシ
「ナマ言ってんじゃねーぞMAJIでいくなら片っ端から読め。全部だ」
「迷うならつべこべ言わずワシと同じ順で読め(何を偉そうに)」

結果は、【公開順】と【時系列順】…… どちらも中途半端に採用しつつ、追加エピソードもガンガン合間にぶっこみ、気がついてみれば最終話『ネオサイタマ・イン・フレイム』にたどり着くまでに書籍限定を除く全てのエピソードを読んでいた。
※時系列不明の5つは最終話のあとに読んだ

なぜなのか?
ワシは読み進めるうちに…… 以下の思考を経てひとつの結論に達していた。

・『ニンジャスレイヤー』面白い
 ↓
・ちゃんと/もっと知りたい、ぞんぶんに楽しみたい
 ↓
・1エピソード読むのにそこまで時間かからない
 ↓
・追加エピソードも面白いじゃん!
 ↓
・こりゃ全部読んだほうがよさそう…
 ↓
・こりゃ全部読むべき…
 ↓
・せっかくだし第1部を読破してから第2部に進みたい
 ↓
もう ”本編だけ読む” とかありえない。どうせ全部読むんだから本編に織り交ぜながら時系列ぽく読んで一気に楽しもう

問い「貴様は本編だけ読んで… ちょっと追加をかじって…… ああ楽しかった、そうやって満足する男か?」

ワシ「いや、満足できない… ワシは全部読む… そしてワシにもっと『ニンジャスレイヤー』をくれ!」

こういうことだ。
これから読むチミも、きっとこうなるのだ。

ワシは最初に読んだ2本『30.クリスマス』と『22.サンスイ』によって脳に強烈な電流を流され、『8.トーフ』でこの世界の厳しさに触れ、『11.アストロシティ』で追加エピソードの魅力を知り、(途中割愛)『15.ハカバ』でオッサンの死闘に手に汗を握り、『25.オハギ』で哀しんだあたりで「結論:片っ端から読もう」と決めたのだった。
が、その直後に読んだ17、18『デイ・オブ・ザ・ロブスター』でやり場の無い苛立ちを覚え、その決意は一瞬…… 揺らいだ。
しかし藤井くんでも死を覚悟せねばならない『20.ショーギ』の強引な勝負に笑い、気を取り直したワシは以降、何の躊躇いもなく突き進んでいった。

繰り返すが、本腰を入れて『ニンジャスレイヤー』に向き合うならば、追加エピソードは必ず読んだほうがいい。
「エッ!? コレが本編じゃないって… 重要だし… 面白いし… どういうつもり!?」
そういうレベルのエピソードが潜んでいる。エピソードごと多少のムラはあるが、全部読んで損はしない。
※ロブスターは保証しない

追加の読み方? 本編と同じく、どうやって読み進めてもいいと思う。
※いきなり追加だけ全部読むとか、最終話から読むとか、そういう乱暴な読み方についてここでは何も言わない。

ワシのように「だいたい時系列にそって本編と併せ読みする」もよし、当時のように「本編を読み終えてから、その空白を埋めるように後から読む」それも楽しみがありそうだ。だが、読まないという選択肢は無い。できれば第2部に進むまでに全て読んでおいたほうがよさそう、というのがワシ個人の感想だ。
ひとつ話を加えると、追加エピソードは「実況無し」で読むといいかもしれない。本編完結後に追加されているので、第2部以降の展開をすでにご存知の先人の何気ないコメントがネタバレに繋がることがある。ただ実況は面白いので、気にしない人は実況付きで問題ない(もちろん実況無しでも何の問題もない。ワシは主に無しで進めた)。

……………………

②「これは強く言っておきたい」

(その壱)
『ニンジャスレイヤーは』ニンジャ活劇小説。
復讐に燃える主人公=ニンジャスレイヤーが、超絶ニンジャアクション(カラテやスリケン)を駆使して片っ端からニンジャを殺しまくる。ヒーローというか、ダークヒーローというか……。そしてこの骨格に、いったいどんな思考回路から生み出されるのか見当もつかない独特なセリフ回し、文体、名言、ブツ、サイバーパンクな舞台などなど…… メチャクチャな血肉が加わることで、シリアス&笑ってしまうチョー魅力的な物語になっている。そんな感じ。
そんな感じ…… なんだけども、ワシとしては、ワシとしては……。
ドンパチ殺りあう極一部のスーパーな奴ら/ガッポガッポな悪徳企業…… の陰で無数に存在している「地位を失いつつある生身ヤクザ」や「末端ニンジャ」、「カチグミではない人間」たちが直面する…… ”どうしようもなく厳しい/哀しい現実”、そしてその状況下でどう日々の生活を送り、どう生き延びるのか、どう死ぬのか(現実は甘くなく、多くは死ぬ)。このあたりを具体的に描写し、時にはエピソード化してくれている=サイコーだった。
これはもしかすると第1部(ネオサイタマ)特有の傾向なのかもしれないけれど、そーゆーのが大好物なワシはかなりグッときた。「イヤーッ!」「アイエエェーッ!」爆発四散! だけの小説ではないぞ! という事実がBIN-BINに伝わってきた。「ヒーローものでしょ」「ニンジャ小説? ちょっと…うーん」とか決め付けずに読んで欲しいと強く思った。


(その弐)
登場人物は皆、魅力的だが。
なかでもワシは…… フォレスト・サワタリが大好きだ。
アニメ版でも気になる存在だったが、小説を読んで改めて…惚れた。もし同じ気持ちを抱く人がいたら…… 是非、noteのニンジャスレイヤープラス(490円/月)を購入し、プラス限定のエピソード『アジェンダ・ディセント』を読んで欲しい。サワタリの過去、そしてバイオニンジャたちの過去に触れることができる。ボリュームもあり、読みごたえ充分だ。ただのヤベー奴だと思っていたが、深みがグッと増すいいエピソードだ(結局実際ヤベー奴なのだが)。
余談だが、同じくプラス限定エピソードの『ノー・ワン・ゼア』も好きだ。前述の通り、第1部はクローンやニンジャにその地位を奪われ衰退していく救いようのないヤクザ社会を描いたストーリーも多いのだが、なかでもはこの『ノー・ワン・ゼア』がスゴク=イイ(語彙力)。
ワシは最終話(イン・フレイム)の直前に読んでしまったが、このエピソードだけは最終話の後に読んだほうがいいかもしれない。
プラスは、こういった追加エピソードが楽しめるだけでなく、ニンジャスレイヤーワールドをしゃぶりつくすための情報が多いので、気になる人は是非ワンコイン決済してみて欲しい。
※決して、ワシは回し者ではない

おしまい
第2部、読みはじめました(先人のアドバイス通り公開順だ!)

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