Corona Extra! #ppslgr
2020年4月某日。
超巨大都市型創作売買施設『note』の一角を、黒ずくめの男が歩いていた。平時であれば、真っ直ぐ歩くことも困難な賑わいを見せる商業施設だが、非常事態宣言が発令された今は閑散としている。
春だというのに全身黒ずくめの男―― レイヴンは、慣れた足どりで書籍売買エリアに入るとメインストリートを折れ、狭い裏路地をずんずんと進んでゆく。何度か角を曲がり、無数に並ぶ室外機を器用に避け、少し開けた場所に辿り着くと、小さな溜息を漏らして肩を落とす。
目の前には