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連載小説/【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿(完結)

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この世に悪魔は存在する。そしてそれらを屠るハンターも。 現代のアメリカを舞台に悪魔を狩り続ける老練のデビルハンター ”ジュディ” とその仲間を描く、ハードボイルド・パルプ小説。
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#探偵

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #1(第1話:1/4)

死人に口なし? あるよバカタレ。 -ジュディ- 「ああジュディ。深夜にすまない」 バリケードテープをくぐる老婆にゴードン特別捜査官が声をかける。 「ったく。こんな山奥の道端でババアが死ぬかい?」 不満を垂れながらジュディは咥え煙草を始末し、ざっと死体を観察した。 「手首の擦過傷と足の具合からして監禁された後に徒歩で山中を逃走… 道に飛び出し轢死。監禁場所は半径2マイル圏内か。退屈な事件」 「顔照合で身元は判明。エマ、68歳。住所はデンバーで夫と息子が1人」 「じゃ、さっ

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #2(第1話:2/4)

楽しい楽しいハンティング・タイム。 -ジュディ- <前回のジュディ> アメリカ、コロラド州。 ゴードン(FBI特別捜査官)の要請を受け、事件現場に到着したジュディ。退屈な事件と思われたが、 "能力" を使い死体のババアに喋らせてみると ”奴ら” の仕業と判明し、テンションアップ。 (#1(第1話:1/4)はこちら) (目次) ……………… ■#2 胴体から斬り離されたゴードンの頭部がきりもみしながら宙を舞い、トサッ、と小さな音を立てて薄雪の上に転がった。 え? 俺は…

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #3(第1話:3/4)

出し惜しみするバカは死ぬ。 -ジュディ- <前回のジュディ> 雪積るロッキー山脈の森。 薄汚れたピチピチタンクトップ姿のアンドレ・ザ・ジャイアントみたいな大男が鉈を振ってゴードンの首を刎ねた。ジュディの狩りがはじまる。 (前回(#2(第1話:2/4)) (目次) …………… ■#3 「シィィィィネェェェェェ!」 およそ老婆とは思えぬ大怒声をあげたジュディが人間離れした速さで雪上を駆け、大男との距離を一気に詰める。 「エッ? …ハ? 速ッ! 斧? チョ」 予想外の展開に怯

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #5(第2話:1/3)

あの子が山にやってくる あの子が山にやってくる あの子が山に あの子が山に あの子が山にやってくる 6頭の白馬をあやつって あの子を迎えに出かけよう あの子が山にやってくる -She'll Be Coming Round the Mountain- <前回のジュディ> ここ数回の事件を調べた結果、”山奥の田舎町” と ”奴ら” の間に何か関係があるのでは… と睨んだゴードン特別捜査官。それを聞いたジュディはゴードンを置いてけぼりにしてピクニックに向かうと決めた。 (前

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #6(第2話:2/3)

おやおや。 こんなに沢山、殺れるかね。 ……殺れるね。 -ジュディ- <前回のジュディ> エリザベスと山奥の田舎町までピクニック。教会で ”奴ら” に襲われた。リーダー格っぽい牧師とザコ4匹を処分したが、まだまだいそうな予感。 (前回(#5(第2話:1/3)) (目次) …………… ■#6<ジュディNote> 「エリザベスの能力テスト結果」 ・左右いずれかの ”手” で触れた対象を瞬間移動させる ・運動エネルギーも物体とともに移動する ・彼女自身を移動させることは不可 ・