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連載小説/【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿(完結)

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この世に悪魔は存在する。そしてそれらを屠るハンターも。 現代のアメリカを舞台に悪魔を狩り続ける老練のデビルハンター ”ジュディ” とその仲間を描く、ハードボイルド・パルプ小説。
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2019年2月の記事一覧

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #22(第6話:3/4)

お悔やみを。 -ジュディ- <前回のジュディ> ヴィクターの計らいによって桐島商会の助力を得たイタルは、アコ、ゴスケとアメリカに飛んだ。 (前回(#21(第6話:2/4)) (目次) …………… ■#22漆黒の外套をはためかせながら前傾姿勢でSSバイクを操るジュディは、深夜のU.S.ハイウェイ285号線を時速100マイルオーバーで疾走していた。レッドゾーンに達した超高回転型4気筒エンジンがレーシーな金切り声をあげる。 「ジュディ、現在地は」 「サンタフェを通過」 ピック

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #23(第6話:4/4)

ボリューミー。 -ジュディ- <前回のジュディ> ジュディ、ゴードン、ソフィア、イタル、アコ、ゴスケ。六名が一堂に会した。そこに現れたホッケーマスクの始末をゴスケに任せたジュディたちは、水先案内猿を頼りに仇敵フォルカーの根城に向かった。 (前回(#22(第6話:3/4)) (目次) …………… ■#23ニューメキシコ州 アルバカーキ。 緩やかに高度を下げながら夜空を滑空していたトレバーは、サンディア山脈とカートランド空軍基地に挟まれた高級住宅街の一画目掛けて着地態勢に入っ

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #24(第7話:1/4)

向かうは天国、いや地獄―― -ジュディ- <前回のジュディ> チームワークによって救出作戦は成功したが、フォルカーとの対決は持ち越された。 (前回(#23(第6話:4/4)) (目次) …………… ■#24「ああ、それとポールモールをワンカートン」 無愛想な店員が無言で取り出した煙草を受け取ったジュディは、ドライブインの薄汚れたドアを引きながら空を見上げた。つい先ほどまでの暖かい陽射しが嘘のように広がる鈍色の雲。 ひと雨きそうだね。雪に変わるか―― 静かに主を待って

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #25(第7話:2/4)

さあ、おっぱじめようか。 -ジュディ- <前回のジュディ> ジュディは一人、決戦の地に向かった。 (前回(#24(第7話:1/4)) (目次) …………… ■#25「間に合え…… 間に合ってくれ……」 祈るゴードンは前のめりでハンドルを握り、落ち着きのない表情で何度も車載モニタに目を向ける。ジュディの車に仕掛けておいた発信機のマーカーは、5分前にウェストバージニア州の南方、アパラチア山脈の一点を示したまま動きを止めていた。ナビが示す到着予定時刻まで、あと15分。 そこに遺

【デビルハンター】ジュディ婆さんの事件簿 #26(第7話:3/4)

…………。 -ジュディ- <前回のジュディ> ジュディとフォルカーの対決が始まった。 一方、ゴードンたちは行く手を阻まれ―― (前回(#25(第7話:2/4)) (目次) …………… ■#26ヴフッ、フッ、フーッ! 2時、4時、8時、10時の方向からのっそりと姿を現した4頭のグリズリー。まだ随分と離れているにも関わらず、四方の獰猛な息遣いがゴードンたちの鼓膜を震わせる。 「猿の次は熊かよ……」 本能的に声を潜めたゴードンは、ぐるりと周囲を観察した。 正面、洞穴前の男ま