皆が来てくれたと祖父は微笑し、祖母の墓に花を活けた。そよ風が吹き、ふと見あげれば光に照らされた紅葉があった。葉は一様に視えながらも、そこには濃淡があった。濃淡ごとに奏でられる葉擦れが青空に響く。やがて風もやみ、千手の紅葉も祖母に合掌してくれた。そんな初夏の一葉を今年も眺めている。
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