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わたしの本棚

私が棚に並べるのは、古風な日本人からたまたま譲りうけた古書ばかりで、元の持ち主が亡くなった方も少なくない。要は私の本棚で一時期お預かりしているだけに過ぎない。そのような絶版ばかり…
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#松岡正剛

『ハレとケの超民俗学』高橋秀元・松岡正剛 | 工作舎

 プラネタリーブックスは私が生まれる半年前、『存在から存在学へ』(松岡正剛)が出版され、今回の『ハレとケの超民俗学』はシリーズ2冊目になる。もちろん生まれたばかりで読書はまだできないから、それから三十年後、古書店に足を運んでは、宇宙の欠片を集めてきた。おそらく異様なプレミアがついている本以外は、ほぼ凡て集まったのではないか。せっかくだから、欠けたまま私の宇宙はとっておくことにする。  ちなみに、現在はプラネタリーブックスのうえに、或る動物の頭骨がのっている。「或る」などと氣

『科学と生命と言語の秘密』松岡正剛×津田一郎 | 春秋文庫

 私は松岡正剛が校長をされているISIS編集学校の卒業生になる。十年目の「離」なるコースを卒業(編集学校では退院という)したから、共読仲間とともに「十離」と呼ばれることもある。たまに老舗の居酒屋にて本で乾杯する仲だ。本書との出逢いはそんな十離仲間の「半分もわかっていなかった」というメッセージからはじまった。  思い起こせば、離に入院してからの数ヶ月はひどかった。幼い頃、病弱だった私は医者に幾度も「今夜が峠です」と云われてきたが、そんな私でも離の入院中は厳しいものがあった。極