ニコレス使って禁煙してみたら何も吸わないまま一年経った。
習慣的に何も吸わなくなって丸一年が経った。
厳密に言えばこの先一生吸わないことで成功と言えるのだろうが、少なくとも強いニコチンに対する衝動に駆られることもなくなり、一日一箱ちょっと(20本と少し)吸っていた生活から完全に何も吸わなくなる生活になった。
得られたものは大きい。
なんとなく、精神的に元気になった気がする。
なにより喫煙所探しに苛々することもないし、吸わないことでストレスを感じることもなくなった。臭いを嫌がられることもなくなったし、使える時間も増えたと言えるだろう。
タバコミュニケーションなんて言葉があるくらいだから、喫煙所でのコミュニケーションは殆どなくなった、たまに喫煙者に付き合って喫煙所に一緒に行くくらいだ。
たしかにちょっとした仲間意識みたいなものは薄れたかもしれない、でもそんなに重要視するほどではないし、重大な亀裂というか何も軋轢は生まれなかった。
この記事はとりあえず禁煙を一年成功させた体験としてその方法を記録しておくものだ。失敗したら禁煙外来も考えてはいたが、とりあえず今のところ成功している。
軽くプロフィールを書いておこう。
自分は現在アラサーで喫煙歴は恐らく8年程度だったと思う。習慣として吸うようになってからは6年程度と言うのが厳密かもしれないがよく覚えていない。
そこまで変わりはないと思う、しっかりニコチン中毒だった自覚がある。
紙タバコ時代はタール8以下のタバコを吸っていた記憶がある、銘柄はちょくちょく変えていたがタール10以上を習慣的に吸うことはなかったと記憶している。
禁煙前の2~3年くらいにはアイコスに完全移行しており、マルボロパープルメンソールを主に吸っていた。冒頭に書いた通り、紙タバコ時代、アイコス時代、共に一日一箱は必ず消費していたと思う。
食後、コーヒー、寝る前、起床後、自宅での作業中、移動が終わって施設に入るとき、ちょっと疲れたとき、仕事がひと段落したとき、仕事終わり、居酒屋。喫煙者が通っている吸う瞬間については網羅していたのではないだろうか。
仕事中では1時間半くらいで吸いたくなって、吸えるときには吸っていた。3~5時間以上我慢できたら結構。ずっと吸える環境なら一時間弱で一回は吸っていたような気がする。
そんな状態からとりあえず一年の禁煙だ。
読者の方々には、一応の成功例として参考になれば幸いである。
もちろん全部読んで欲しいのは当然なのだけれど、方法のみ知りたいのなら目次から飛んで欲しい。
【方法】は簡単に流れを【解説】ではその方法に対して、調べた情報と自身の記録を交えながら書いていこうと思う。
禁煙への経緯
喫煙者の大多数が「タバコを止めるなんて絶対に無理」と思っているだろう。
無論、例に漏れず自分もそうだったから気持ちはよくわかる。もう一生タバコと一緒に暮らしていくのだと思っていたし、こんなにタバコを文字通り渇望している状態でタバコを止められるはずがないと思っていた。
ところが、禁煙を決意する日は突然やって来る。
この記事を書くにあたり、一年くらい前の自分のツイートを遡ってみた。
ちょうど新機種としてイルマが登場した頃だったと思う。たしかに吸い心地もかなりよく、ブレードにぶっさすマルチよりかなり掃除も楽そうだった。
しかし、自分はそのちょうど一か月後に禁煙を決意するツイートをしていた。以下はその抜粋である。
きっかけは以上の通りだ。
Tverでバラエティ番組を見ている際、マヂラブがCMやってるのを見なかったら禁煙している自分は間違いなくいない。Tverとマヂラブありがとう。
ちなみにマヂラブ村上に関してはヘビースモーカーで紙タバコを吸い続け、ラジオでも「絶対にタバコは止めない」と豪語していた記憶がある。そんな人がニコチンゼロの電子タバコのCMに出ているのだから変な話だ。
話を戻そう。
とにかく昨今のタバコの価格高騰にイラついていたのもあるし、このご時世で更にタバコを吸える店は少なくなっていたし、行く店行く店喫煙可能かどうか確認しながら行かないといけないやかましさやらがタイミングよく爆発してしまった。
そして、上記の通り信じられない眠気である。その日はタバコの吸えるチェーン喫茶にいたのだが、身体が傾いてしまうくらい酷い眠気が襲い掛かかり、恐怖を覚えた。
よく調べると眠気の離脱症状はもう少し時間が経たないと現れないらしいが、きっかけなんてなんでもよかったのだと思う。とにかく止めたいと思ったのが重要だ。
先に当たり前のことを言っておくけれど「止める気がない」人に禁煙は無理だと思う。
同様に「止めようと思えば止められる」と思っている人も恐らく止められない。
そういう人の多くは「願掛けで一定期間止められたから、止めようと思えば止められる」とか宣うわけだけれど、まあ十中八九無理だろう。
その人には「完全にタバコを止める気がない」からだ。
成功の要因の一つとして、自分が心の底から「タバコを止めたい」と思ったことが挙げられると思う。
「なんでこんなもんに生活と時間と金を割かないといけないんだ!」と本気で思って「もう一生吸わんでいい」と心から思ったからこそ、強いニコチンへの衝動にも耐えられたのだと思う。
ここからの行動はかなり早くなった。この禁煙への衝動がホットなうちに準備を済ませないとどうせまた吸い出す気はしていたからだ。
ニコチンは覚せい剤より依存性が高いらしいが、恐らくその通りなのは喫煙者が一番よく理解しているだろう。
身内が行って成功させていた禁煙外来も考えたが、とりあえず自力で止めることを目指してみた。様々なサイトを見て、禁煙計画を立てた。以下の方法はその流れになる。
【方法】は簡略化し、次節の【解説】でその方法の理由についても記載する。
方法
使ったものとして
・IQOS 3 マルチ(ニコレスを吸える加熱式ブレードデバイスなら何でもよいと思う)
・ニコレス(様々な種類を吸ったが主にストロングメンソール)
以下はニコレス公式サイト
禁煙中の持ち物として
・キシリトールガム(持ち運べるものと家に常備しておくものを買っておく)
・水(水筒等に入れて持ち歩けるのが好ましい)
細かい物を除いて以上。
以下は具体的方法
1、1~2週間後に禁煙開始日を決める、その日から3日間ストレスフリーな日を作る。
2、普通のタバコを禁煙開始日に合わせてストックし、ニコレスと同時並行で吸っていく。以降、タバコは買い足さず、買うならばニコレスをストックしていく。
3、禁煙開始日前の最後のタバコは深く味わって吸う。
4、禁煙開始。完全にニコレスに移行し、一週間程度ニコレスを吸う。また、吸う代わりにキシリトールガムを噛む、水を飲む等の代替行動。
5、最後のニコレスも味わって吸う。
6、以後、できるだけ吸う機会を避け、引き続き吸う代わりにガムや水を摂取する。
簡略化すれば以上だ、6以降はごまかし続けるのだが、そのうち誤魔化す必要もなくなってくる。
以下で詳しく記載していこう。
解説
1~2週間後に禁煙開始日を決める。3日間はストレスフリーな日を作る。
まずは禁煙開始日を決めることからスタートだ。
巷では「タバコが余ってても今すぐ捨てるくらいの精神状態にないとタバコは止められない」という言葉や風潮が横行しているように感じているが、自分が参照したさまざまなサイトに、そんな文言は殆ど見なかったように思う。
自分の場合は「もったいない」が先行した。切らすのが恐ろしくて4箱ほど常にストックしていたのを自分から捨てる気にはどうしてもなれなかったのだ。
結果的には捨てなくてよかったと思う、ストックをしていることで禁煙開始日の目安も決めやすかった、スケジュールを考えてパープルメンソールを買い足したのは1箱程度だったと思う。
それなりの数のホームページを参照したと思うが、自分が一番参考になったサイトはここだ。記事を書いている医者も喫煙者だったらしく、説得力がかなり違う気がする。
正味、この記事を読めば原理自体は理解できると思う。今私が書いているのは体験談として残しておく。
ニコチン依存には心理的依存と身体的依存という二つがある。
心理的依存はニコチンが身体から切れたときのニコチンという化学物質を渇望する欲求である。これ自体は3~4週間でなくなるらしい。後述するが筆者の体感はもう少しなくなるのが早かった。
続いて、身体的依存は自分が習慣として行っているタバコの吸い方である。食後だったり、コーヒーを飲んだりしたあとの吸いたい気持ちだ。これが取れるのは長いと2年程度かかるらしい。
現在の自分の体感として、心理的依存はなくなったと言えるが、身体的依存についてはまだ消え去ってはいないかも、というのが正直なところである。
1~2週間後に禁煙開始日を決めると書いたが、とにかくその日から3日間ストレスフリーな日を作ることの方が大事なように思う。ストレスフリーな3日間を作り、それに合わせて禁煙開始日を決める感じだ。
自分の場合だが、ニコチンを摂取しなくなることで始まる離脱症状がきつかったのが3日間だったからだ。
普通のタバコを禁煙開始日に合わせてストックし、ニコレスと同時並行で吸っていく。以降、タバコは買い足さず、買うならばニコレスをストックしていく。
自分がタバコを吸うペースというのはほとんどの人が把握できていると思うので、禁煙開始日にちょうどなくなるようにタバコを買っておくとよい。同時にニコレスも大量にストックしておいた。
タバコ、ニコレスと同時並行でしばらく吸っていく。はっきり言ってニコチンがない時点で最初の方は吸った気はしないし、あまり美味しくない。ただ徐々に慣れてはくる。
友人に一本吸わせたら「よくこんなもん常時吸えるな」と言われた。めちゃくちゃ不味かったらしい。個人差はあるかもしれない。
とにかく同時並行で吸って、ニコレスに慣れていくイメージになる。
全体的に満足はしにくかったものの、その中で一番吸いごたえがあるのがストロングメンソール(黒いパッケージ)だった。他はただの香りというイメージだ。
あと、たまたまかもしれないけれど、お酒の席で一緒にニコレスを吸ったらこれまで吸えたもんじゃないと思っていたニコレスが多少なり吸えるようになった。なぜかそこから少しずつニコレスでも満足感が得られたようになった。
当然ながら科学的根拠はない。
ニコレスをコンビニや薬局で買い足すのは口寂しさを紛らわすためというのはもちろん、練習という側面もある。
習慣と言うのは恐ろしいもので、コンビニでタバコを思わず頼んでしまうことがある。
だからこの時点でタバコを買わない練習はした方がよい。
思わず言ってしまった「アイコスのパープル」という言葉でそのまま受け取って吸い始めてしまうなんてことがないようにするのだ。
こんな子どもじみたことで簡単に禁煙は崩れてしまう。依存症というのはそういうものだと思う。
禁煙開始日前の最後のタバコは深く味わって吸う。
これも意外と大事だと思う。
友人がアイコスのデバイスを落として壊したことがあって、酒の勢いもあり「オレはもうタバコを止める」と豪語していたのだが、帰宅途中のコンビニでデバイス購入し、急いでフィルムを剥がしていたらしい。
そんな感じで、突発的に止めるのはとても難しいのだと思う。
自分はアイコスでパープルメンソールを最後の一本として吸うことにした。夜で、自宅玄関だった。いつもよりゆっくり吸って味わった。
ここまではサイトの参考通りにやっただけなのだが、ここからはニコレスが絡んでくるので少し毛色が違うかもしれない。
自分の場合、最後の一本を吸いながら、「これで終わりだ」と思うのと同時に「俺にはまだニコレスがある」というちょっとした安心感もあった。
禁煙開始。完全にニコレスに移行し、一週間程度ニコレスを吸う。また、吸う代わりにキシリトールガムを噛む、水を飲む等の代替行動。
この期間に関して正解はわからないのだが、結局かなりの量のニコレスを購入した。
購入時の写真を撮っていたはずなのだがなくなってしまったので、残念ながら確認は取れないが普通のタバコを止めたときには5箱以上はストックがあったと思う。
結局4箱を2~3日程度で消費した覚えがある。口寂しさをこれでとにかく騙すという感じだ。ニコチンがないので満足感はやはり得にくくなり、通常のタバコより量はめちゃくちゃ多くなった。
ここから一週間くらいが勝負だと思う。とにかく酷い離脱症状との戦いだ。
以下はツイートの抜粋である。
ニコチン摂取を止めた直後は2日目が一番きつかったようだが、まずは初日からだ。
ここまでが一日目。
異様な喉の渇きは凄かった。水を飲んでも物足りない感覚だ。そして食欲もあまりなかったとも記録があった、同時に食べられない感じでもないと記載がある。
とにかくここからしばらくは脳を騙すようにキシリトールガムを噛み、水を飲み、ニコレスを吸う。
繰り返すようだが普通のタバコを吸う2倍くらいの頻度でニコレスを吸っていた。常時煙を浮かべるイメージなので吸えない環境に身を置く場合は難しかったと思う。ストレスフリーな日を3日作るというのはこの側面も大いにある。
続いて二日目。
身体になんらかの異常が起きるのはしょうがないのだが、とにかく二日目は好きなものすらできなかったので印象に残っている。記載はないが喉の渇きも継続していたはずだ。
仕事があったとして何もできなかったと思う。最低二日は休みを入れないと、離脱症状と共に仕事をするのはかなり苦しかったと想像する。
3日目、4日目は記録がなかったが、5日目。
自分の場合だがニコレスを追加で買おうという気にはならなかった。
最後のニコレスも味わって吸う。
正直、ニコレスは本当に気休め程度で、なくても大差はないと思っていたのかもしれない。ニコチンが摂取できないので、吸っても吸っても吸った瞬間の満足感が得られないのだ。
ただ、ニコレスの最後の一本もゆっくり味わって吸いきったと思う。
以後、できるだけ吸う機会を避け、引き続き吸う代わりにガムや水を摂取する。
ツイートには「この後まったく吸わなくなったら苛々するかもしれない」など不安も書かれていた。結果としては、ほぼ当たらなかった。
その翌日のツイート。
苛々はなく、なんなら集中力は高まったという記載がある。ただ口寂しさはかなり苦しかったようだ。禁煙一年した身からすると「そんなに苦しかったか?」と思ってしまうのだけれど、当時は辛かったのだろう。
禁煙して一年の今、口寂しさは殆ど感じない。
たまに感じたときには水を飲んだり、ガムを噛んでいるくらいだ。コーヒーもガンガン飲んでいるし、それで吸いたいと思うことはたまにあるけれど、時間と共に気持ちは勝手に薄れていく。
その翌日。
ニコチンを摂取したいという心理的な依存はかなり低くなっているようだ。食欲も異常に増していたらしい。
ここでは食欲を自制すべきと書いていたが、ストレスをかけると吸いたい欲が生まれる可能性もあったかもしれない。
胃に負担がかかるなど、日常生活に即座に影響することがあった場合は控えた方がよいのかもしれないが、しばらくはある程度自分に甘い生活をしてもよいのだと思う。
ここでタバコ復帰のリスクを取るよりはよいと思う。自分は結局、食事制限はかけなかったはずだ。
ニコレスを止めてから6日目ということでもう一週間程度で心理的依存はなくなり、食後などの習慣となった身体的依存がはやり厳しかったようだ。
上記で挙げたサイトではニコチンを求める心理的依存は3~4週間と記載があったが、この時点でそこまで心理的依存は感じていないらしい。これがニコレスのおかげかどうかはまったくわからないが、脳を騙すという意味では一定の効果はあったのかもしれない。
この頃からツイートの更新もまちまちになる。記録が面倒になったのもあるのだが、実際タバコに思いを馳せることが少なくなったのも原因だと思う。
この3日後に再度ツイート。
まだ喫煙者を見るなどのきっかけがあると、吸いたいという気持ちは芽生えていた。
記載の通り、吸いたい衝動が始まってから3分程度で収まるというのは実感としても正しかったと思う。水を飲んだり、ガムを噛めたりする場面であればすぐに落ち着くという状態が続いていたはずだ。
苦しいは苦しかった覚えがあるが、水やガムがなくても違うことを考えたり、吸わない生活の快適さを想像するなどすれば、いつの間にか吸いたい気持ちもなくなっていたし、仕事に無理やり移っていればいつの間にか集中できていたと思う。
この時期からはとにかく衝動が来たら誤魔化すことを最優先に考えていた。3分間程度の短時間で収まらない場合は自分のケースでは殆どなかったと思う。
身体的依存が相変わらず苦しかったらしい。タバコの味を思い出してしまう→違うことを考えるという繰り返しだ。
「タバコが手元にないのは幸い」というのは完全に加熱式タバコに移行していたおかげで、デバイスを持ち歩かないことで、タバコを買って安いライターを買うだけで吸える紙タバコとは違い、気軽に吸うことができないからだ。この吸うまでのハードルが高いのは、タバコを我慢する上で大きかった。
やはりストレスがかかると吸いたくなるようだ。ストレスフリーだった期間はまだ楽だった覚えがある。
振り返れば、初日からしばらくストレスフリーな日を作るのが一番大事だと改めて感じる。この期間がないと禁煙は難しかったと今でも思う。
ここからしばらくタバコについてのツイートはなく、一か月後のツイートになる。同じような喫煙衝動が続いていたはずだが、衝動を感じることも少なくなったのだと思う。
この頃にはかなり楽になっていたと思う。禁煙についてはかなり細かく記録しようと心がけていたのだが、特にタバコに想いを馳せることもなかったのかもしれない。
あと、ガムに関しては自分の無知が招いてしまったことで、虫歯になってしまった。
シュガーレスガムの方が味は多彩なのだが、キシリトールガムの方をお勧めする。これなら歯磨きを終えて、寝る前にも噛める。歯医者にはおすすめされなかったが(当たり前だ)ボトルで売っているので二個くらいストックして生活圏内のすぐ取れる場所に置いておくことが好ましい。ティッシュみたいな感覚だ。
実際に、キシリトールに変えてから虫歯はできなかった。
ただ、ガムを噛みすぎてほんの少し歯が欠けたのと、あごが変に(一時的に顎関節症みたいになった)歯医者でそれを指摘された。
禁煙中だと伝えると「まあしょうがないか」という態度ではあったけれど、それでも歯医者は歯医者なので、当然のように「あんまり噛まないで」と言われはした。
得られるものの方が遥かに大きいと思っていたし、事実そうだった。ガムはしばらく継続したものの、そのうち習慣的に噛むこともなくなったので、程度によるが多少の犠牲なら続けた方がよいと思う。
風説上も身体からニコチンは消え去っているので、ほとんどタバコを吸いたい衝動はなくなっている。
食べる量は増えたし、腹が本当に情けなく出てきたので悲しくなったのはたしかだ。
ただ、細微には書かないが、ここから少しだけ筋トレも習慣になったことで腹は少し引っ込んでくれた。実際、タバコを止めたことで得られたメリットの方が大きい。
実はここからもうほとんどタバコのツイートはない。
思い出したように二か月経った頃に「二か月経ってた」というものと、半年くらい経った頃に「こんだけ止めても吸いたくなるからタバコは金の無駄だ、みんな吸っちゃダメ」という旨を投稿していたくらいだった。
実際今でもなんとなく吸いたい、と思うことはあるけれど、もう絶対水を飲むとか、ガムを噛まないと絶対に苦しいということはない。
体感としては最初の一週間がとにかく苦しかったイメージなのだが、記録から見るに止め切るのに苦しいのはニコチンが身体から抜けきる1か月だったのだと思う。
そのまま一年経って、禁煙ウォッチを確認したら400日経っていた。この記事のサムネイルは一年経ったときのスクリーンショットになる。
このアプリはかなりおすすめだ。禁煙すると勝手に金が貯まる気分になるし、なによりモチベーションになる。
何日経ったかを確認できるのもよい。
最初の頃は毎日のように確認して自分を奮い立たせていたけれど、今は思い出したときにたまに見て、日にちを確認する程度だ。
ワンポイントアドバイス
上記にも書いたものと被るかもしれないけれど、まとめておく。
・ニコチン摂取を止めた日からできれば三日間はストレスフリーな日を作る。
・ガムはシュガーレスではなく、キシリトールガムでないと虫歯になる。ボトルで売っているものを2個程ストックしてティッシュ感覚で置いておき、すぐに噛めるようにしておくのがよい。
・吸ってしまう習慣として、お酒やコーヒーなどはできるだけ避ける方がストレスなく禁煙できると思う。ただ、すべてを避けることは不可能だと思うので、嗜好品を嗜んだ際のためにガムや水を忍ばせておくのがよい。
・ストレスが一番の大敵だと思うので、吸いたい欲以外の欲求にも従順になること。食欲も分かりやすく増すので太るのは間違いないのだが、一時的なものだと考えてよい。
私は今禁煙しているからと自分を甘やかす期間だと、割り切って生活することをお勧めする。
自分の場合だが、ニコチンが抜けきった一か月後には様々な自制も効くようになった気がする。
・「一本でも吸ったら終わり」という意識は持っておくこと。喫煙者の友人がいると酒のノリで一本だけとか実際に薦められたけれど、そこで踏みとどまらないと絶対になあなあになってしまっていただろう。
まとめ
振り返って見ても当たり前だが、禁煙は辛いことの方が多かった。
1週間くらいは本当に生活に支障が出るレベルだし、一か月くらいまでは相当気を遣いながら生活しなければならなかった。
それでもこういう記事を書いたのは、やはりメリットの方が遥かに多かったことにある。
まず、お金。
単純計算一日500円、一週間で3500円、一か月で14000円。流石に一万以上になるとでかい。
そして最近の価格高騰だ。タバコを吸うエリアを減らしまくって、タバコを吸うなと言いつつ、どんどんタバコは高くなるのだからばかばかしい。
お金の問題はない人も多いと思うが、喫煙者の肩身の狭さはみな経験があるだろう。
最近のご時世によって喫煙できない居酒屋も増え、ニコチンが切れた状態で元々少し苛々しているのに、喫煙所を探してさ迷い歩くのは非常に苛々する。
やっと吸えたと思って、席に戻れば臭いに変な顔をされる。それもなくなった。
総じて言えば時間が増えたことが一番大きいと言えるかもしれない。
タバコを吸いながら何か考え事をすることはあったし、もしかしたらタバコを吸っていた方が良いアイデアが出るとかはあるかもしれない。けれど今のところそこまで大差はないと思っている。
最初に投稿した記事でも「趣味が少ない」と書いていたが、少し趣味は増えたというか、視野が広がった気がする。
今まで何か自分の嗜好の範囲でしか動かなかったものが、なにかまったく理解しがたかったところも覗いてみるようになった。
料理だったり、あまり興味のなかった分野の音楽を聞いたりだとか、未経験のスポーツを友人とやってみたりだとか。
また、物欲が増えたのはタバコに使っていたお金に余裕が出たなども考えられるが、それ以上に何か物事に対する興味が増えた結果だと思っている。
これは気のせいというか、実際に測定は難しいのだけれど、頭がよく働く感覚はあるかもしれない。
YouTubeのおすすめ動画にたまに問題が流れてくるくらいには数学は趣味と言えるのだけれど、その解答率が昔より上がっている気がするのだ。おすすめに流れて来る問題の難易度が自分に適合しただけの可能性もあるけれど。
あと、これは吸ってから禁煙する人しか得られないメリットと言えるのかもしれないけれど、喫煙者の気持ちが分かるというのは非常に大きいと思う。依存症に対する理解度もかなり違ってくる気がする。
ちょっと変な文章になってしまうのだが、頑張れば、我慢すれば依存症は克服できるというのは間違ってはいないのかもしれないけれど、感覚として完全に間違っているのだ。そういう頑張りとか我慢の次元じゃないのである。
綿密な準備をして、歯が欠け、様々な身体的心理的異常を抱えながら1か月くらい通常の生活を犠牲にしてようやく第一段階。
一年経った自分でも、身体的な依存とはかなりの期間付き合っていかなければならないのだろう。
また、タバコの臭いにもそれなりに耐えられること。
紙タバコは正直臭いと思うけれど耐えられるレベル、加熱式タバコの方に至ってはただの臭いくらいで、何も感じない。実際非喫煙者からすればアイコスもとんでもない臭いがするらしいし、アイコスの方が嫌いだという人も中にはいる。
そういった面で喫煙者とも付き合いやすいのがメリットとしては上げられると思う。
記録はここまでとする。
これは必ずしも成功を保証するものではなく、あくまで参考となればと思い書いたものだ。喫煙歴がもっと長ければ自分以上の離脱症状が出る人も多くいると想像する。
もし本気で止めたいのなら禁煙外来から考えてもよいと思う。身内で自分より遥かに喫煙歴が長い人がいたが、禁煙外来で断つことに成功している。
ここまで書いておいてなんだが、本人に止める気がなければ止めなくてもいいとは思う。ただ、止めるメリットの方が遥かに大きいことは何度も言っておこう。
自分の場合は価格高騰に腹立ったのと、喫煙を習慣にしていることで生じるデメリットがあまりにも増えてきたのが原因だ。あとは化学物質に身体を支配されている感覚が嫌になったのもある。
冒頭でも書いたが止める気がない人は止められないと思う。家族に止めさせたい人がいる場合の参考にはならないかもしれない。
ただ、建物に入る度喫煙所を探す毎日とおさらばできるのは本当にでかい。映画館の途中でニコチン切れを実感して集中を切らすこともないのである。肩身の狭い想いをすることもない。
とにかく一年間はこの“煙を吸う”という行為は絶対にしないと決めていた。何かのきっかけで戻ることなんてザラで、友人にもらった一本のタバコを一年振りに吸ったら戻ってしまったという例もあるらしい。
ただ、一年経ったからと、試しにシーシャを吸ってみた。一口吸って、勝手に肺に入れている自分に驚いた。この一年で吸い方は忘れていなかったようだ。
これ、悪くはなかったが二日間弱で1000円オーバーは高い上に、習慣化すると本当のタバコを吸ってしまいそうなまずそうな感覚も覚えたので、意識的にやめている。
たまに落ち着きたいときに、ローファイでも流しながら嗜好品として使おうと思っている。
また、この感覚を覚えたおかげで絶対に一本でもタバコはもらわないと決意できた。
一年経ったら一本くらい付き合いで吸ってもいいかな、とか思っていたけれど、何かこの日々が一瞬で瓦解する感覚もあるのでリスクは取らないに越したことはない。
禁煙ウォッチもリセットしなければならないし。
以上とする。
この記事が禁煙の助けとなれば幸いである。
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