ロバート・ジョンソンの弦

trumpetが壊れて修理に出した。
で、今日、楽器の修理が完了したらしい。
今日、電話が来た。
「早く終わるんだったら、その日程で入れとけや!」
と思ったが、まぁ仕方がない。

国立音楽院KMA楽器リペア製作工房と言う初めて使うリペア店なので不安しかない。
行ってみたら
「色々と修理箇所があって、2万円です」
とか言われたらどうしよう?。
または楽器が壊れていたら・・・とか思う。

楽器の修理代金と言うのは音楽屋にとっては大きな負担である。
サックスなんて数年に一度はフル・リペアらしく、それが10万円弱らしいんだよな。

trumpetと言う貧乏人楽器にしておいて良かったと思う。
ってか、初期のジャズでtrumpetがメイン楽器だったのは単純に
『入手のしやすさ』
『手入れが簡単』
『故障の少なさ』
だったと思う。

サックスだと手入れは結構、大変らしい。
trumpetは誰でも分解出来るし、そのまま湯につけて洗う事も出来る。
構造が単純なので手入れも簡単だ。

初期のジャズの状況がどんな環境だったのか分からないが、少なくともマウスピースは一個あれば良い。
サックスだとリードを1箱買って、それで使えるリードがあるか?って感じらしいし(削る人もいるらしい)。
trumpetだとマウスピースは金属製なので摩耗することはない。
メッキが剥がれるとかはあるが、それは音質には余り影響しない。
重さも軽いので利便性がある。
初期のジャズが『trumpet』『トロンボーン』だったのは、優れたミュージシャン達の存在も欠かせないが

『貧乏人でもOKな楽器』

と言うのが大きかった気がする。

そう言えばK氏が書いていたのだが

「戦前ブルースの人達はギターの弦を何処で購入していたのだろうか?」

と言うのがあった。

旅芸人だったロバート・ジョンソンにせよ、サンハウスにせよ、ブラインド・レモンにせよ、「楽器店?この街には、そんな洒落たもんはねぇよ」とかなかったんだろうか。

戦前なのでアマゾンも通販もないし。
楽器店に行ったら大量購入していたのだろうか。

ただ、ギターは全部が切れるのではなく「あら、3弦だけが切れちゃった」ってのもある。
個人的に1弦や2弦よりも3弦の方が切れやすい印象。

楽器店がある、と言うのは其れなりの規模の町である。
当時は楽器自体が高額商品だったので、ソレなりの人口と経済が成り立っていないと商売にならないはずである。

私が一時期、居候した『高知県大豊町大杉』と言う限界集落では、学校が太鼓を買う金がなかった為か、
『ドラム缶』
を叩いていたもんな。

コンビニまで徒歩で往復1時間掛かる限界集落で『楽器』なんてモノは
「はぁ?楽器?!そんなもんで農業が出来るってのか?おい!ゴルラァ!」
と言う感じなのかも知れない。

で、戦前ブルースの人達はギターの弦を何処で仕入れていたのか?

これは謎である。
ロバート・ジョンソンについて一時期、調べていたが色々な関係者が証言するが

『ロバート・ジョンソンがよく行っていた楽器屋さんの証言』

と言うのは無い。

ってか、当時のギターは値段が幾らだったんだろう。
ロバート・ジョンソンはサンハウスにギターを借りてジャカジャカと弾いては「ウルサイからやめろ」と怒鳴られていたらしいしな。

今では小学生のガキンチョですらお小遣いで買えるギターだが当時は高額だったんだろうか。
ギブソンのアコースティック・ギターが高いもので40万から20万円である。
そのくらいだろうか。
ギターの弦に関しては嘗て、景山民夫がサンフランシスコのコーヒーショップで歌っていたらしいが、その頃は

「あ、弦がちょっとヤバイな」

と思ったら、弦を鍋に入れて煮込んでいたらしい。
そうすると、一週間くらいは復活するんだとか。

そんな事をしていた位だから、ギャラも安かったんだろうし、弦の購入費用と言うのは悩みの種だったのかも知れない。

そんな事を考えるとロバート・ジョンソンやサンハウスのギャラは幾らだったんだろう。
SP盤がそれなりにヒットしたらしいが、レコーディングのギャラは今の額で15~20万円。
当時の物価の値段もあるし、音源を売る、と言うのもアヤフヤな時代なので、こんなモンだったのかもしれない。

で、ロバート・ジョンソンのギターの弦の入手方法と、ギャラは幾らだったんだろう。

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