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朋あり遠方より来る、また楽しからずや

ついに長野県に行ってきた。


ワインを信濃屋ワイン館で赤と白を買って、パジャマも入れて・・・。
と言う感じで初めて高速バスに乗る。

生まれて初めての高速バスだったので色々と不安があった。

「重度のワキガが隣の席だったら、どうしよう」
「で、大抵、ワキガの奴はタンクトップ姿だ」
「臭いで死ぬな」
「なんで、ワキガの奴等はタンクトップが好きなんだ」
「以前、真冬のライブハウスでもワキガでタンクトップの奴がいたしな」

と不安なりながら乗車。
だが、コロナってこともあるのか、人気のある路線ではないからか人は少ない。
私としては珍しく午前中に起きたので眠たくて、軽く寝ていたが。

で、長野県。

幕内氏が「寒いから温かい格好で」

と言うのだが、到着したらこの有様。

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「ゆ・・・雪?」

もう3月なのである。
桜が咲こうか?って時期にドカ雪。

温かい格好で、と言われても私には10年近く前に買ったコートくらいしかない。
あとはヒートテック。

で、幕内氏は先に到着していて家に送ってもらうのだが、彼はスッカリ、長野県民と言うか、

『全身、ワークマン』

である。

嘗てはこんな感じの幕内氏だったのだが

たけのこ2


今では、こんな感じである。

東陽7


私はコンバースのスニーカーだったのだが、まず雪が凄くて彼の家にたどり着けるのか?と不安になる。

しかも幕内氏の家は標高1200mの場所である。
車で送って貰うのだが、雪が凄くて「生きて辿り着けるのか・・・?」と思う。

到着したのが21時半。
それからワイン用にチーズを買い、私は寝酒としてジンを買う。
で、家に到着したのが22時かな。
奥さんもお子さんも寝ている。

そこから10年ぶりに二人だけでLPだとか音楽を聞きながらギャーギャーと話しながら呑みまくる。

とても楽しい。

こう言う事は私はとても珍しい行動なのだが、こうやって二人で呑めたのは良かった。
ワイン一本とビールを3本。
夜中の3時となり、お開き。

で、私は何時ものように寝酒としてジンを飲んだら嘔吐リバース。
リバースしている最中に幕内氏が買ってきたカビ系のチーズの臭いが口中に広がり、その臭いで再度、リバース。

ヘベレケになっていた為か、翌朝は彼の奥さんが始末してくれたらしい。で、朝になって起きたら幕内氏の子供と奥さん。

お子さんは8歳の男の子、だから騒がしい。

「俺もこんな感じだったんだろうなぁ」

と思う。

で、ボンヤリするのだが、頭がグラインドコアのツイン・ドラムのようなリズムで痛い。

「ドガドガドガ!!!」

と言うか。

二日酔いか?と思ったのだが、過去に一度だけ二日酔いになった事があるが、あの時はTOMMYと言うデンマーク人と呑んだのだが、ウィスキーを2人で一本、ビールを沢山、テキーラも沢山、と言う感じで呑んで仕事を早退したもんな。
それに比べるとワイン一本とビール3本は少なすぎる。

「っは!死期が迫っているのか?」

と思ったら高山病らしい。
力は入らないし、頭は痛いし、水を呑んで寝るしかないらしい。

幕内氏がロキソニンを出そうとしたが、常に健康一番!朝と昼と夜の寒風摩擦を欠かさない、タバコも吸わない、間食もしない、エロ本も読まない彼の家にロキソニンがあるはずもなく、踊り狂う脳味噌を抱えて寝るしかない。

寝ていたら多少は良くなって起きたのだが、TPを吹いてみようかな、と思ったら、やっぱり高山病は治らず、力が入らないし、息が入らない。
息が入らない、と言うか酸素が少なすぎて、音にならない。

トランペットって全身全霊で吹く楽器なのだが、全身に力が入らない上に酸素が薄いので吹奏楽器は無理ゲー。


とは言え。


ワインはもう一本ある。

酒を前に呆然とするのは男ではない。
そんなワケで私と幕内氏、奥様が少々と言う感じで飲む。
幕内氏と私はジンも呑む。

酒は飾り物ではない。
呑まれて漸く成仏するのだ。

古今東西の神様への捧げモノもタバコや酒である。
神様だって酒好きなんだから、酒とタバコは身体に良いのだと思う。

しかし、幕内氏の家は禁煙なのでタバコは外で吸う。

酒を呑みながらお子さんにタブレットでゲームをやらせる。
基本的にゲームはNGなのだが、奥様も「今日は無礼講!」と言い始めて8歳の子供はゲームをする。
だが、ゲーム経験があまりないのでレースゲームでも何でも

「気合」
「観念」
「思念」
「祈り」

で何とかしようとする。

右に行くつもりが、左のボタンを押してタブレットを傾けたりしているのだがゲームは非常なので曲がらない。
だが、夢中である。
アスファルト9と言う非常に情報量が多いカーレースもやらせる。
長野県にはない光景がタブレットに広がる。

こう言う悪いヲジサンがいても良いじゃない、って言う。

あ、そうそう。

初日は寝ようとしたら、私の寝室が気温がマイナスとかで吐く息が白かった。
湯たんぽを入れてくれていたが、夜中の3時なので冷えていた。
兎に角、寒かった。
しかも、嘔吐リバースだしな。

翌日は奥様が『電気毛布』を出してくれて、屠殺される直前のヤギの如く咽び泣いた。

「電気毛布はエエなぁ・・・」

と童貞が初めて女性とHする、みたいな感じで気持ち良くて寝てしまった。

文明は偉大だ。
エジソン、万歳。

何しろ長野県の気温が最高気温1℃で、最低気温がマイナス2℃。
そこへ標高1200mである。

それって普通は登山家の領域なんだよな。

登山家って俺の中では『自殺志願者』と言う認識なんだが。
そもそも、私の人生で高い場所って、無酸素単独登山で『足立山』と言う標高550mの山。
あと、都庁とスカイツリー、東京タワーである(いずれも当時の恋人や、上京した母親に連れて行かれたモノだが)。

1200mは私の『高いところ』の記録を大幅にオーバーしている。

そりゃ、高山病にもなるよな。

実際の登山家(自殺志願者)は少しずつ標高を上げながら身体を順応させるらしいのだが、インドア派で、不健康が常の私に登山なんてあるわけがない。
暗い部屋で、一人、モグラのようにPCを弄っているのが私である。

高山病は辛かった。
全く予想しなかった展開だった。


で、翌日。

昼に帰るのだが珍しく早めに寝たので普通に起きた。
ってか、幕内氏のお子さんが「黒木くん、起きてよー!」と起こしに来た。

で、8時に起きて、ノンビリとした時間が過ぎる。
思えば幕内氏も東京にいた頃よりも、動きがスローモーになっている気がする。

「こう言う時間の過ぎ方が良いんだろうね」

と言う。

お子様には、またタブレットを渡して遊んでいる。

だが、天気も良かったので外に出よう!と言う事で出てみる。

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何故か家が崖っぷちに建築されているのだが、主に避暑地と言うか別荘地らしい。
その別荘地に移住している人も多いらしい。

雪が眩しい。
エスキモーが雪の眩しさから目を守るために簡易的なサングラスを使っていたらしいが、その気持ちがよく分かる。

あと、私は普段はこんな時間に起きていないのである。
98%、寝ている。

犬もやってきて、雪合戦をちょっとやって、と遊ぶ。

幕内氏に長靴を借りたのだが、確かにこの豪雪地帯でコンバースは何の役にも立たない。
長靴、最強である。

まぁ、洒落た格好でもしようか?って言う事が可能な土地でもない。

で、時間になったので帰宅準備をすると、奥さんが炒飯を作ってくれた。
因みに前日の夕食は幕内氏のインドカレーである。

思えば高山病のためなのか、友人宅と言うことで緊張していたのか、便秘だった。

高速バスで帰宅したら驚くほどデカいクソが出た。


すっげぇ楽しかったけども、すっげぇ疲れたな、と思った。
良い旅だったんだと思う。

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