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漢字学習を自由進度学習にした理由

皆さんは、「漢字指導」を、どのようにしていますか?

私は、最初の頃は、子どもたちと一緒に、一文字一文字、新出漢字を確認していました。

・書き順チェック
・読み方チェック
・熟語の確認

そして、なぞったり、書いたりする時間をとります。出来た人から、先生にチェックをもらいます。

一斉学習時の漢字指導のイメージ

月曜日に、新出漢字を確認。月曜日から木曜日までの宿題と、その週の新出漢字を関連付ける。そして金曜日に10問テストを行います。

これらの方式の良いところは、大半の子ども達にとって、無理なく進めるペースである事です。1度ペースを掴めれば、慣れていき、金曜日の漢字10問テストもそれなりの点数を取ることができます。

以上の方式で漢字指導を続けていましたが、ふと、2つの事が気になるようになりました。

❶漢字テストで「100点が当たり前」の風土。90点なら落ち込む子どもたち
❷抜き打ちの「50問漢字テスト」に全く歯が立たない

❶漢字テストで「100点が当たり前」の風土。90点なら落ち込む子どもたち

金曜日10問テストに慣れてくると、多くの子は「100点が当たり前」になってきました。100点を取って「よしっ!」とか「悔しい」ではなく、「今週も100点だった」と安堵する子が増えました。

逆に90点でも取ろうものなら、物凄い落ち込む様子を見せていました。

これは、学習のモチベーションとして、果たしてベストなのだろうか?と考えるようになったのが理由の一つ目です。1週間かけて、金曜日に「ミスをしないように反復」を繰り返す漢字指導の在り方を見直していきたいと考えました。

❷抜き打ちの「50問漢字テスト」に全く歯が立たない

業者のテストの50問漢字テストを抜き打ちでやってみる。
これはnoteを見ている皆さんにも是非取り組んでみてほしい。

私は、とある年にやってみたら、子ども達は全く点数を取れなかったのです。毎週の漢字テストがずっと100点の子でも、全く歯が立たない状態でした。

子どもたちに身につけるべき「真の力」はこちらの方ではないだろうか?と考えるようになったのが理由の2つ目です。

受験等は出題される漢字は教えてくれません。日常で習った漢字を使いこなすには、「50問漢字テスト」である程度戦える必要があると考えます。

少なくとも、スラスラ読める、漢字の意味がわかる状態でないと、先の学年の文章を読んだり、新しい本との出会いにも影響が出るかもしれません。

❶漢字テストで「100点が当たり前」の風土。90点なら落ち込む子どもたち
❷抜き打ちの「50問漢字テスト」に全く歯が立たない

これら2つの課題を解決するために、私は漢字学習に自由進度学習を取り入れ始めました。

上記に例を挙げた、一斉授業が始まりなのは変わりありません。しかし、一斉授業をしている段階から、子ども達に「少しずつみんなに任せていくからね。今は先生とやっているのを自分でやるんだよ」と伝えるようにします。

「書き順の重要性」を伝え、初めの頃は書き順を教師と確認する。
次なる大切なステップが・・・
自分で書き順を確認する方法を教える、考える。

①友達に聞く
②教科書の後ろを見る
③漢字ドリルの書き順の欄を見る
④国語のデジタル教科書で「漢字」を選ぶ
⑤ドリルパークの漢字ドリルを選ぶ
⑥クロムブックで調べる

「先生と一緒にやる」以外に、いくつもの選択肢があることを子どもたちと共有し、全部試してもらうのです。(試すが肝)

この関わりを、漢字学習の全てのステップで行います。以下、私が大事にしている漢字指導のステップです。

Step1:読めるようになろう
Step2:意味を知ろう
Step3:書き順を覚えよう
Step4:見て書けるようになろう
Step5:見ないで書けるようになろう
Step6:熟語も覚えて、意味の理解を深めよう

これらの6Stepを、2週間ごとにテーマを決めて、子どもたちと「学び方」を確認します。

全てのStepにおいて「先生が教えてくれる」以外の選択肢は、どんなものがあるのか?を子ども達と考える事が大事だと思っています。

この過程こそ「学び」だと考えます。

「先生が教えてくれるのが1番良い」と結論づけた子も、それでOKです。

「先生、意味を調べたんだけど、これってどういう意味なんですか?」と、よく聞いてくる子がいます。その子は、私が噛み砕いて説明することが、最も理解できるそうで、毎回聞いてきます。
これも素晴らしい「学び方」ではないでしょうか。

自由進度学習が浸透してくると、漢字学習の進め方は以下のような流れになります。

今年度、7月頃から、以上の方式で取り組んだ結果、2つの課題が少し解決に近づきました。

❶漢字テストで「100点が当たり前」の風土。90点なら落ち込む子どもたち
❷抜き打ちの「50問漢字テスト」に全く歯が立たない

自由進度学習を取り入れる事で「100点が続いた子」は次なる挑戦をするようになりました。

そのあたりに関しては、拙著に具体的に書いています。

また、抜き打ちの「50問漢字テスト」の平均点が大幅に上がりました。

理由としては明確で、自由進度学習にすることで3周目・4周目と学んでいる子が非常に多かったこと。(漢字ドリル・教科書がボロボロだった)

そして、毎日「ランダム小テスト」を受ける子が続出したからであろう。

「漢字×自由進度学習」はまだまだ可能性が広がっている分野だと思うので、子ども達と一緒に、研究・実践を重ねていきたい。

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