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児童館設置について、鈴鹿市長と意見交換

【意見交換会の内容全文記載】

2021年3月16日14時~、鈴鹿市に児童館(児童スペース)の設立を求める要望書の提出と共に、末松市長、市職員との意見交換会を行いました。その意見交換会での内容をここにご紹介させていただきます。

<当会代表の発言>
・小学生や中高生が、雨の日や猛暑の日にも無料で遊べる場が作っていただきたいです。

・児童館ガイドラインに基づいた児童厚生員を配置した児童館(児童スペース)を設置し、日曜祝日も開館していただきたいです。

・子どもたちが一人で行ける範囲、せめて自転車で行ける範囲に、つまり各中学校区に設置していただきたいです。

・まずは拠点となる児童館を1つ、例えばハンターの2Fの空きスペースに、ハンター側からの了承もいただいているので、高齢者も利用できる複合型のスペースを設けていただきたいです。

・最近、多くの自治体では中高生向けの居場所づくりに非常に力を入れています。鈴鹿市は、学習スペースも市の図書館に1つしかなく、しかも利用できるのは17時まで。しかし他の自治体では20時まで学習スペースを利用できるようにしたり、中高生向けに児童館の夜間延長を行っています。

また児童館では、中高生向けの自己実現の支援、自己肯定感を高めるような文化芸術プログラムやスポーツなどの場を提供しているところも多くあります。鈴鹿市には夏休みや日曜祝日に中高生が無料で遊べる場が一つもないため、中高生の居場所づくりについて取り組んでほしいです。

・商業施設のハンターやサンズなどに拠点となる児童館をつくり、あとは各地域の地区センターの中に児童スペースを作れないか検討して頂きたいです。

<市長の発言>
市内11,679筆、市外2,955筆、鈴鹿市にご実家のある方からの署名も入っているとのことで、幅広い皆様方からの署名ということで、ありがとうございます。

鈴鹿市には児童館というのはなかなかなじみがない施設です。今まで中高生は、ほぼ100%部活動をしている関係で、平日、土日も部活動に一所懸命取り組んでいるという状況でしたので、中高生がどこかで遊べるような場所、児童館をというニーズがあまり聞こえてこなかったというのが実情です。小学生もスポーツ活動をしていたり、子ども会活動も各地域で盛んにやっていただいておりまして、小学校低学年からの放課後児童クラブの要望のほうが高かったりします。

ただ、時代もずいぶん変わってきまして、それぞれに多様化する環境であったり、コロナ禍の中でそういう活動ができないというお子さんもおりますし、思春期を迎えて悩みを持つお子さんたちもたくさんみえますので、そういったところについての希望をされる場所の確保ということについては私共も必要性があると認識をしております。

今後、各中学校区に1つずつというのは今の状況ではなかなか難しい段階ではありますが、公民館であったり、今ある既存の施設がございますので、そういった施設の運用を少し見直すなどして、場所をまずは広げさせていただくところから始めさせていただきたいと思います。
29の地域づくり協議会を作ることができましたので、先日地域づくり協議会に中高生の子どもたちも含めた居場所づくりについてお願いに上がらせていただきました。地域の皆様方も興味をもってお話を聞いてくださっておりますので、地域によっては温度差ができてくるかもわかりませんけれども、行政との連携をしていただけるということで、私どもも積極的にそういった企画をして参りたいと思います。

放課後子ども教室や図書館の利用についても見直しをさせていただき、もう少し幅広く学習室を使っていただくとか、時間帯を延ばさせていただくということもさせていただいておりますし、今度天名のほうにりんりんを移設するんですが、その際には利用の中で土日とかにそういったお子さんたちに使っていただけるように考えさせていただいておりますので。先ほどハンターのお話も頂きましたので、民間の施設との連携もできないことはないので、そのような情報も頂きながら、それぞれ調整をしていきたいなと思います。

<市職員の発言>
天名にはプレイルームという場所もできますし、地域づくり協議会で各地域子ども向けの行事を形にしていただいているところもありますので、さらに広がっていくようにしていきたいと思っております。

<当会代表の発言>
・玉垣と一ノ宮の児童センターには児童厚生員の方は常駐していますか?

<市職員の発言>
・常駐しています。

<当会代表の発言>
公民館をただ開放して、子どものスペースを作るだけでなく、そこに児童厚生員がいることが非常に重要だと思います。例えば虐待や非行、貧困といった社会的な課題があった場合に、児童厚生員の方が間に入って支援につなげることが可能となるので、その点、考慮して頂きたいです。

可能であれば、玉垣と一ノ宮の児童センターを日曜祝日に開館して頂きたいのですが? 鈴鹿市はサービス業や製造業で働いている方が多く、日曜祝日にワンオペで3人とか見ている人も多いです。

子育て支援センターりんりんも小学生の子は入れないため、上の子が小学生に上がった時点でりんりんは利用できなくなります。上の子だけ置いていく訳にもいかないので。

そういう時に児童館があれば、上の子は広くて、ドッヂボールや卓球ができるところで、児童厚生員の方や友達と遊んでもらって、小さい子の面倒は乳幼児スペースでお母さんが見ながら、他のお母さんとおしゃべりするということが可能ですが、それができるところがなかなかありません。日曜祝日には1つもない。それが、皆さん子育てをする上でつらい状況になっていると思います。

公民館で地域協議会や地域の方々のご協力を得て子どもの居場所をつくっていくというのは素晴らしい試みだと思いますが、放課後子ども教室(ランドセルを置いたまま夕方5時頃まで学校や学校近くの公民館で遊べる制度)は、地域の方のボランティアだけでは継続しない恐れがあります。

福岡に住んでいた時に放課後子ども教室の立ち上げに関わったことがありますが、隣の市では週1回、地域の方が放課後子ども教室を開いていましたが、中心となる方が病気になったらクローズしてしまいました。

そのため私たちは、市が放課後子ども教室を開くと県から1/3、国から1/3補助が市に入るので、市や県から補助をいただいて、公設民営でやっています。ボランティア精神では続かないので、地域の方々と協力してやる際には、人件費をきちんと払い、事業が継続するということをまず第一に考えてやっていただけたらと思います。

<市長の発言>
地域づくり協議会のほうも無償という形ではなく、地域一括交付金を出させていただいて、地域の皆さん方に、子ども居場所づくりをやれる所、やれない所いろいろあるかと思うので、そういう所には出させていただく。おっしゃるように、まったくのボランティアでは続かないと思うので、地域協働課を通じて、いろんな話をさせていただいております。

本市は地域で一括して人件費などに使っていただけるような交付金制度を今年度からさせていただいておりますので、その中でできるかどうか。国からの補助に関しても、子ども政策課のほうで補助メニューを一緒に作っていくというのも話の中でできるかと思うので、全部いっぺんにというのは無理とは思いますが、モデル的な地域を私たちも育てていかなければいけないかなと思っています。

<当会代表の発言>
基本的な認識として、まず放課後子どもクラブ(いわゆる学童保育)があり、主に小学校低学年の働いている保護者が利用します。そのほかに放課後子ども教室、こちらは学校などで5時まで遊べるというもので、主に低学年の子が利用しています。高学年になると自由に友達と遊びたいので、こういう所は利用しなくなり、高学年の居場所として児童館が必要になってきます。

これとこれができれば、児童館は要らなくなるというのではなく、最終的には学童があり、放課後子ども教室があり、いつでも一人でも遊びに行ける児童館がありというように、子どもたちが選択できるよう、子どもの支援について整備をしていただけたらと思います。

放課後子ども教室についてもできれば週1回とか月1回のイベントではなく、月曜から金曜までは放課後17時まで開会して、夏休み中は9時~17時まで開会する。子育て支援に重点を置いている他の自治体では、これを頑張ってやっております。これは文科省と厚生省の放課後総合プランに当たり、学童と一緒にすることで補助金も出やすくなっているので、ぜひご検討いただきたいです。

ただ、放課後総合プランでカバーできるのは、主に小学校低学年です。ですので、高学年のためには、子どもたちが自由にいつでも、友達と一緒だけでなく、一人でも来れて、そこに児童厚生員の方がいて、「今からドッヂボールやるから一緒に入らない?」と言って、他の子どもたちとの遊びを作ってあげたりすることができる場所を作ってあげないといけません。放課後総合プランでは、高学年、中高生はカバーできないので、ぜひ児童館の設置をご検討いただきたいです。

<会員の発言>
市長からモデルケースを作らなければというお話がありましたが、鈴鹿市にはC-BUSという高齢者のための素晴らしい制度がありますので、C-BUSが継続するためにも、モデル地区はC-BUSが運行している、もしくは停留所がある場所に、拠点となる児童館を作っていただいて、C-BUSの利用も促していくのが、子どものためだけの税金ではなく、C―BUSを利用する高齢者の方や施設の方の活性とか、C-BUS継続にもつながるのではないかと思います。

こういうことは税金を使用してやることなので、子どもだけとか高齢者だけではなく、複合的総合的に恩恵を受けるべきだと思うので、その辺を考慮して頂けたらと思います。

<会員の発言>
私は今学童で働いていますが、高学年の子たちで児童館とかの遊び場があれば、学童に来る必要はないんじゃないかなという子どもたちが、5年生6年生になっても4月からも学童に継続を申し込んでいて、結局人数があふれてしまっているという状況があります。

親御さんも安心して遊ばせられる場所がないという実感と、児童厚生員、ちゃんとした職員さんがいるという安心感があれば、わざわざ学童に通わせる必要はないんじゃないかと思います。

コロナの関係でクビになってしまって、「保育料が払えないから」と言って退所していった子どももいます。1万円以上という保育料は結構負担になりますし、それが兄弟で通わせるとなると尚更です。もしそれが、上の子だけでも児童館とかに遊びに行かせられたら、親としても安心だし、経済的にもありがたいので、児童館という子どもたちを安心して遊べせられる施設というのは本当に必要だというのを実感しています。

<会員の発言>
子どもたちが小学校高学年、中学生、高校生となった時に本当に行く場所がないです。ベルシティに行けば当然お金がないと楽しくない、遊べない、うろうろしていても別にこれといってやることもない。

6、7年ほど前から不登校の子が増えてきていますが、学校を休みがちになると、子どもはだんだん孤独になっていきます。学校の子たちとも話が合わなくなってくるし、そうするとクラスにも居場所がなくなってしまう。

不登校の子がたくさんいるが、その子たちはどうしているかというと、専業主婦のお母さんであれば外に連れ出したりしていますが、働いているお母さんだと、どうしても子どもは家に引きこもるしかない。そうするとどんどん居場所がなくなっていく。

不登校の子たちには同学年の子とのコミュニケーションが苦手な子もいて、年上の人と話をしていたほうが落ち着くとか、年下の子と遊んでいた方が楽しいという子もいます。

みんながみんな同級生と遊んでいるのが楽しい子ばかりではありません。ですので、中学生、高校生が気軽に遊びに行ける児童館があり、そこに高齢者の方も気軽に遊びに来れて、異世代の交流ができれば、不登校になりかけても居場所があるということで、学校に行こうという意欲も出てくると思います。

高齢者の方も子どもたちと交流することで元気になられて、地域活動などに活発に参加できたり、高齢者の中にもひきこもりの方がたくさんみえると思うのですが、そういったことの解消にもつながるのではないかと思います。

<当会代表の発言>
去年、日進市の北部福祉会館に視察に行きましたが、日進市はほぼ各小学校区に福祉会館が設置されています。運動スペースやカラオケ室、音楽室、調理室、学習室、ティーンズルーム、乳幼児室などがあり、乳幼児から高齢者までが集える施設になっています。市の負担分は、児童運営費は6館あわせて2400万円で1館あたり400万円、高齢者の運営費は6館合わせて600万円で、2階建ての大きな建物を作っていて、その維持管理費が6館あわせて1億円になっています。

こんなに立派なものを建ててくれとは言いませんが、例えば社会福祉協議会の建物が老朽化しているので建て直すという時には、乳幼児から高齢者までの複合型にすると、平日の午前中に利用するのは乳幼児と高齢者で、平日の夕方や土日に利用するのが小中学生になり、非常に経営効率がいいと日進市の職員の方もおっしゃっていました。

将来そういう機会がありましたらぜひ複合型にしていただき、それが各地域にあれば、高齢者の方も生きがいになるでしょうし、不登校、引きこもりの方たちが小さい子たちのお世話をすることで自己肯定感を育むことができたりとか、本当にいろいろな機会を提供することができます。

児童館ガイドラインでは中高生と乳幼児との触れ合い体験を推進しようとなっています。いきなり子どもを生み育てる立場になってしまって虐待というケースもあると思いますので、中高生の頃から乳幼児さんと触れ合える場所を提供することは、少子化でそういった経験の少なくなった子どもたちの助けとなるだろうし、地域の中に人とのつながりが生まれれば、子育てで困った時に、ここにおいでよ、こういう人がいるよ、こういう制度があるよと、地域のつながりの中でいろいろな問題が解決できると思うので、地域のセーフティネットのために、みんなが力を発揮できる居場所をぜひ作っていただけたらと思います。

<市職員の発言>
鈴鹿市としましても、居場所づくりは重要な課題であると認識しておりますので、今後もご意見をいただきながら進めて行きたいと思います。

<市長の発言>
今のお話を伺いながら、ひとっ飛びに児童館という訳にはいきませんが、今ある現状の施設の運用の仕方の緩和であったり、あるいは今ある施設の情報もなかなか伝わっていないのかなと。もっとこんな施設があって、というのもありますので、行政の方としてもこういう時にはこういう施設が使えます、こういうものがあります、というのをもう少し知っていただくという努力もしていかないとということもありますので、その辺も含めて、今日要望書を受け取らせていただいて、また少し検討しながら対応させていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

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