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推敲の5つのコツ


はじめに

推敲とは、「過去の自分が書いた文章」にメスをいれることだ。
書き手がやるのは、辛い。なぜなら、自分を客観視するのは難しいからだ。
だから、プロの書き手には編集者がつく。編集者は、読みのプロだ。
読みのプロは、誤字脱字チェックはもちろんのこと
それが本当におもしろいか?
の一択でメスを入れてくる。書き手の苦労なんておかまいなしだ。

さて、私はプロのライターでも、プロの編集者でもない。だから、いろいろな本や情報から推敲のコツを教えてもらおう。自分で書き直しながら、学ぶのだ。ただ単に、自分でまとめておいて、あとからセルフチェックできるように、カンニングペーパーをここに置いておきたいだけだったりする。
もしも、この記事が誰かの参考になればラッキーだ。

書き手の推敲チェッカー

書き手と小説家とライターは違う。
小説家については、ChatGPTに聞いてみた。

1. プロットの整合性を確認
2. キャラクターの一貫性
3. ダイアログの自然さ
4. 情景描写の充実
5. テンポとリズム
6. 視点の一貫性
7. 無駄な部分の削除
8. 感情の深み
9. 反復表現のチェック
10. 読者フィードバックの活用

ChatGPTより

なるほど、なるほど。
次は本にも聞いてみよう。これはライターさん向けの本だ。

よしっ。
いきなりこの本の最後の章から読んでいくぞ。

自分が書いた文章は「客観」がむずかしい。あまりにも自分と馴染み、一体化しているため、ふつうの読者として読むことができない。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p396

自分で客観視するための3つのコツがあるらしい。
距離のつくり方にはおそらく、「時間的な距離」と「物理的な距離」、そして「精神的な距離」の3つがある。

①時間的距離 (ひと晩寝かせる)
②物理的な距離 (シンプルに見た目を変える。縦書きと横書きとか)
③精神的な距離(編集者とか他人に見てもらい自分と引きはがす)

ここで、参考になったのは②。
こういうnoteで文章を書いていてもコピペしてWordとかに縦書きにして文字も明朝体からゴシック体へ変換させるらしい。そうすると、パッと見の印象が激変するようだ。やってみよう。おもしろそうだ。

論点整理
①推敲は、自分自身の嘘やサボりを見抜く作業だ。
②嘘やサボりの根底には、「バレない」の思いがある。
③そして「バレない」の背後には、読者を馬鹿にする気持ちがある。
④そこで、ぜったいに馬鹿にできない「最強の読者」を降臨させよう。
⑤すべての嘘やサボりを見抜く「あの人」が読むと考えよう。
⑥顔の見えない読者よりも、顔の見える「あの人」を想像するのだ。
⑦実際ぼくもそうしている。
⑧尊敬できる先輩を身近に持つライターは強い。
⑨尊敬する「あの人」の目を使いこなそう。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p418

ほぅ。
「あの人」を召喚するらしい。
きっと、「あの人」はカーテンレールの上の埃だって、蛇口のふちにたまった水垢だって見逃さないであろう。

推敲をはじめるにあたって気が重いのは、まだ「書き手としての自分」から抜け出せていないからである。苦しくとも推敲に取りかかれば、どこかの段階で「読者としての自分」が優位になる。「書き手としての自分」が赤の他人—推敲作業に準じていうなら「朱の」他人—になり、ダメな自分と向き合うつらさが薄れていく。むしろ、いまよりもずっといいものができていく快感に浸ることができる。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p411

「朱の」他人か。
どうやら自分の中に眠っている赤ペン先生を召喚するらしい。訂正してもらったらテストの点数はあがるだろう。

ここまで読んでまとめよう。
小説家でもライターでも共通することは

書き手の5つの推敲チェッカー

①話の流れ、「スジ」がきちんと通っているか?
②文章を書く時に、「サボって」ないか?
③音読して文章の「リズム」がいい感じか?
④ひと晩寝かせて、いらない所は「カット」できるか?
⑤ちょい厳しめの「赤ペン」先生を召喚させたか?

自分まとめ

読み手の推敲チェッカー

次は、読み手側の話だ。いわゆる編集者目線と読者目線だ。
基本的な推敲は上記のチェックポイントと変わりがない。
ChatGPTも同じことを繰り返してきた。

ただあの本の作者、古賀史健さんは編集者へのこんな期待があるようだ。

ぼくは編集者に、「プロの読者」であってほしいと考えている。これは読解力や読書量の問題ではない。ぼくの定義するプロの読者ーすなわち編集者ーとは、「自分の読みたいものが、見えている人」である。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p438

エスパーなのか……。
まだ世にないものが見えている人?
ちょっとよくわからなかった。もっと先を読もう。

すぐれた編集者のプロたる所以は、みずからの「読みたいもの」が、「まだこの世に存在しないもの」である点だ。まだこの世に存在しないにもかかわらず、なんらかのリアリティをもって「それ」が見えている。誰に協力を仰げば実現するかも見えている。「こういう読者から、こういう反応があるだろう」まで、見えている。予言者的に見えているのではない。空想や妄想の延長として、いわば幻視者的に見えているのだ。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p439

おぉ。なんか、すごい人や。編集者って。
これ、大丈夫ですか?ハードル上げていないですか?
私、今から創作大賞応募作品をセフルエディターしようと思っているんですけど……?見えるかしら?

編集者の方々にはプロとして、誠実に、この一点だけを見つめてほしい。「自分の読みたいもの」をつくるのが、編集者の仕事なのである。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 p441

なんか、このフレーズどこかで見たぞ。
あ、あれだ!

これって、編集者の本だったけ?
ちょっとチラ見をしておこう。

自分がおもしろくない文章を、他人が読んでおもしろいわけがない。だから、自分が読みたいものを書く。
それが「読者としての文章術」だ。

読みたいことを、書けばいい。 p6~p7

おぉ!これぞ、読み手のための推敲チェッカーになるかもしれない!
もう少し読んでおこう。

何!?
あなたは宇多田ヒカルではないからエッセイは読まれないとか、すべるのがスキーとか、自分語りはつまらない人間とか、それ夏目漱石がやってるからとか、もう私が書かなくてもよくないか……と打ちひしがれる本だった。(逆に燃えておもしろい)

その中で、これぞ!推敲チェッカーな所もあった。

わたしが愛した部分を、全力で伝える」という気持ちで書く必要があるのだ。愛するポイントさえ見つけられれば、お題は映画でも牛乳でもチクワでも良く、それをそのまま伝えれば記事になる。

読みたいことを、書けばいい。 p183

調べることは、愛することだ。自分の感動を探り、根拠を明らかにし、感動に根を張り、枝を生やすために、調べる。
愛と敬意。これが文章の中心にあれば、あなたが書くものには意味がある。

読みたいことを、書けばいい。 p185

どこかのお金関係のCMで、「そこに愛はあるのかい?」と言っていたのを思い出す。あれじゃないけど、きっとフレーズとしては合っている。

編集者目線とは、「愛を感じれるエモい読書体験がそこにあるのかい?」なのだろう。こんまりさんで言うところの「ときめき♡」「spark joy☆」だ。
ある作家さんは、自分の本の最初の一行を書き始める時にわざわざ好きな旅先に出かけて気持ちを整えてから書くと言っていた。
そういう事だ。書く方も愛をのせて、読み手がそれを受け取る。
文字を通してのエモさの交流なのだ、きっと。

共同創造=コラボレーション

「ときめき♡」は感覚だ。
編集者は、自分の心の揺れに敏感であればあるほど読書体験が深くなっていく。ただ、大衆はそこまで自分の心の揺れに敏感ではない。だから、刺激の強いお話やわかりやすいキャラクターで、わざわざ揺さぶってあげているのが現代の多くの読書体験だ。ただ、これはやりすぎるのと危険だ。
赤ちゃんだって、「高い高い~」と親が手加減して遊んでいるうちは楽しいが、「高い高い高い高い~!」と上に飛ばしすぎたり、揺さぶりすぎたら……もうお分かりだろう。人間の刺激には限度があるのだ。

よしっ、この辺りで読み手推敲チェッカーをまとめよう。

読み手の5つの推敲チェッカー

①自分の「感動ポイント」をまず知っていること。
②共感力を使って、「他者のエモさ」を感じてみること。
③この世に「あったらいいな」が見えること。
④根拠が明確で「なるほどポイント」を見つけること。
⑤共同創造を楽しみ、書き手を「尊敬する」こと。

自分まとめ

まとめ

よっし!
この推敲チェッカーを使って自分の文章を見直してみよう。

自分まとめ

(この記事書くだけで疲れちゃったから、おやつの後にしよっと)


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