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70冊ぐらいなら1週間もかからず読了しちゃって怖い。

私は本を読む人だ。
現在小6の息子も、すごくすごく暇なら活字を読める。
しかし、小4の息子は活字は苦手だ。漢字なんてもってのほか。
断然、動画派。(将来はユーチューバー☆)

いやいや、将来ユーチューバーだとしても文字は読めた方がよくない?
便利じゃない?そう思っていた。
だから、小さい頃から絵本の読み聞かせをしてきた。
小学校になったら自分で読みやすいようにかいけつゾロリとかも与えてみた。(なぜか、ゾロリも読み聞かせになってしまった……正直しんどい)

だったら漫画がいいのでは?これなら自分で読んでくれるかも。
すこしでも本に近づけるように。
ワンピース全巻を和室に持ってきた。
思い通り。自分から読み始めた。夢中だった。
すでに、彼らは私よりも詳しいだろう。
小学生はループする。同じ漫画を飽きもせずループ。
私は、今はそんなにループできなくなってしまった。
たしかに、昔はお金がなったのもあったから1冊を丁寧に読んでいた気がする。今は、新しい知識を欲しがっている自分に気づく。

新しい刺激。それを実は彼らも欲しがっている。
ワンピースが5ループ目ぐらいになってきた。さすがに飽きてきている。
ゲームの時間が終わると始まる。
「あぁ~。ひま!」
きた。このひまひま攻撃だ。
夕飯を作っているときに限ってつぶやくワード。
「ひ・ま!」(ねぇ、お母さん。なんかない?的な)

夫が、kindleで買ってあった僕らのヒーローアカデミアという漫画をおすすめした。彼らはすぐに食いついた。
しかし、問題が1つ。
kindleは1個しかなかった。
今までワンピースは本だから、読みたい巻がズレていれば兄弟同時に読めていた。しかし、kindleは1個しかない。
保育園で言うならば、砂場にスコップが1つしかないようなもんだ。
もうわかるだろう。取り合いになる未来が。

ここで、kindle買えばいいじゃん、という選択肢が浮上する。
ただ、紙派の私は漫画の方がよくない?と思う。いつでも読めるし。
充電問題とかで、私が呼ばれなくてすむし。
そして、完結している話の方がすっきりしない?と。

彼らは少女漫画とかホラー的なものは嫌がる。
男女の恋愛系は、こっぱずかしいわねぇ。
ハリーポッターはちょっと怖いという。映画の影響。
でも、鬼滅の刃はいけるらしい。(あれもグロいやん……)
どうやら、実写は苦手らしい。

そっかぁ。
ギャグ漫画か、バトルものかな。うけいれやすいのは。
何がいいんだろう。
せっかくなら、日本のマンガで海外でも有名なやつがいいよな。
さらに、小学生が読めてまだ読んでいないのは……。

あった。
BORUTOだ。ただ、こっちは完結していない。
NARUTOの続きものだ。まず、NARUTOから。
(あぁ、私全巻読んだことあるな。また買うのはなぁ)
渋ってしまった。

でもまた始まる子どもたちのあの言葉。
「ひ・ま!」

正直おもちゃはある。
LEGOブロックも人生ゲームも積み木もカードゲームも。
いろいろある。
それらで兄弟仲良く遊んでいることもある。おもしろくて彼らが何を言っているのかじっと観察していると、母の視線に気づきスッと和室のドアを閉められたことは何度もある。

夫に相談してみた。
NARUTO買っても別にいいんじゃない?だった。
人の心情が描かれているやつだからいいと思う。中古でもいいから。
そんな事を言われて、メルカリを見る。
全巻72冊。人によっては外伝をつけてくれている。
72冊かぁ。これ置くのかぁ。
でもな。

そういえば私、これいつ読んだっけ?今読み直すと面白いかな。
ストーリーの構成とか、キャラクターのつくり方とか参考になるかな。

ポチっ。
つい買っちゃった。
そう、人は感情でモノを買ってしまう。

すぐ届いた。
重いダンボールにぎっしり詰まった72冊。

久しぶりに読んだ。覚えていないシーンも多かった。
家族みんな夢中になった。とても静かな時間が流れた。
誰からも「ひ・ま」なんて声は聞こえなかった。

なぜか息子は、忍者の印を憶えた。変なラップをマネして大爆笑をする。
ナルトとサスケならどっちがいいかな?まぁたしかに、リーもいい味出しているね。まさかの、我愛羅の一尾推し!?
「ねぇ、見て!おかあさん。」
(タオルを斜めに顔に巻いて片目を隠していた)
「それは、カカシ先生ですね。」
こんな楽しい会話が1週間続いた。家族共通の話題になった。

でも、たった1週間だった。1日10冊ペース。
早くない?もう読破してしまった。
何なら2ループ目に突入している。
おまけで数冊小説も混じっていたが、手がつけられていない。
この活字の方に慣れるのってもう少し先かなぁ。
「ねぇ、文字だけのお話読んでみたくない?読んでみると楽しいよ。」
息子に聞いてみた。
「読もうと思えば、読めるんだけどお母さんみたいに声をかえられないから楽しくないもん。」

えぇ!?
まさかの、母のあの読み聞かせのせいなのか!?
いやね、保育士は学校で「あめんぼあかいなあいうえお」って言う授業があったねん。しかも人形劇のテストとかもあったのね。
だから自然と声色を変えてしまう技術がついてしまい……。

!?
そうか、マンガは絵があるから子どもでもわかりやすく勝手に脳内で声色を変えてくれるのか。文字だとそれを早くできないから、混乱してしまう。読書は技術なのかもしれない。私はこれに慣れているだけ。
声色。つまりキャラクターが区別されているってことだよな。
そうか、キャラが大事。
文字だったら、会話の語尾とかでキャラ設定を作ったり行動で示したりするといい。それが、子どもたちにわかりやすいお話。
というか、もはやマンがあるこの世の中で文字だけのお話は求められていないのかも……。

そんなことないってばよ!
ただ、つくるのがむずかしいだけなんだってばよ!

ありがとう、NARUTO。
おもしろかったよ。がんばるよ。
ただ、マンガの世界凄すぎるよ。うん。
読ませる力がエグい。


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