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【抱き癖の理由】「抱き癖がつくから、だっこしちゃダメ」〈失敗#1〉子どものこころ専門医なのに失敗子育て

結果

・妻の冷ややかな視線
・長男10才「ぎゅーして。」
・長女 抱っこしないと寝ない。動かない。
・抱き癖ではなく、子どもの素質


家族構成

私 30代 子どものこころ専門医
妻 30代 保健師
長男 小学5年生
長女 小学2年生


初めての失敗


長男が生後3か月の頃、帰省して妻の実家で過ごしていました。おじいちゃんも、おばあちゃんも、かわいい孫を抱っこしたがります。赤ちゃんが泣くと、すぐに誰かが抱っこしての繰り返し。

それを見ていた私は、『抱っこしないと泣き止まない子になってしまう。』と考えて、「抱き癖がつくから、抱っこしちゃダメ。」と妻に言ったのでした。

冷ややかな視線


すると、妻が私をにらみつけて、「なに言ってるの。」と一言。私もすぐに我に返り、「ごめんごめん、何でもないです。」と平謝り。
おかげで、長男はみんなに抱っこされながら幸せに成長します。


3才「たっちして、だっこ」


長男のその後。言葉が話せるようになると、自分から抱っこを求めるようになります。
そのセリフは、「たっちして、だっこ!」
座ったままでは認めず、必ず立ったまま抱っこしないと許してくれません。
成長期でどんどん重くなる長男。腱鞘炎になりながら抱っこする日々が続きます。

6才、小学校から帰ってくる度に「だっこ!だっこ!」


年長さんの3月から「がっこう行きたくない」と、毎日泣くようになった長男。抱っこを求めるのは、小学生になってからも続きます。
学童保育に迎えに行くと、必ず、「だっこ!だっこ!だっこして!」とせがんできます。周りで同級生が見ていてもお構いなし。両手両足を使ってしがみついてくる18㎏。親も疲れてる時間でイライラして、「もういい加減にして」と怒ってしまうことも。
結局、クラスにいじめっ子がいて、長男がかんしゃくを起して、担任に怒られていることがわかりました。2年生に進級するとともに、いい担任の先生に当たり、落ち着いていきました。

10才、毎晩「ぎゅーして。」


小学5年生なった今は、毎晩のように「ぎゅーして。」とハグを求めます。
妻はまだ付き合ってくれていますが、私は同性のためか生理的に受け付けられなくなり、肩を抱いて誤魔化しています。


長女の場合


2人目は手がかからないと言われますが、我が家では全く当てはまりませんでした。
まず、赤ん坊の頃から、毎晩夜泣きです。抱っこじゃないと寝ません。抱っこしないという選択肢がありませんでした。歩けるようになっても、移動は抱っこ。それは小学生になってからも変わらず、小学2年生の今も続いています。


抱き癖ではなく、子どもの素質。


「抱き癖がつくから、だっこしちゃダメ。」という言葉を私なりに振り返ります。

赤ん坊はみんな、生まれた時点では抱っこを必要としています。2人を育ててわかったのは、抱っこを求める理由も強さも、子どもによって違うということです。
長男は、彼にとっては抱っこが一番愛情を感じられるため、いつも抱っこを強く求めました。(本人曰く、今は周りの視線も気になるし、抱っこ以外でも愛情を感じられるから、抱っこが減ったんだそうです。)
長女は、赤ん坊のころは眠るときの安心のために、抱っこを求めました。いまも移動の時に抱っこしてもらうのは、「歩きたくない」という彼女の確固たる信念によります。

「抱っこするのが、いいか、わるいか」二分するのではなく、「なんで抱っこが必要か」を想像できたらよかったと思いました。
そうはいっても、子どもたちが大きくなった今だからわかることで、当時、そこまで考えるのはやっぱり無理だったなと思います。

この記事を書きながら、長男に「なんでぎゅーってする必要があるの?どんな気持ちなの?」、長女に「なんで自分で歩かないの?」と質問することで、より理解が深まったのと、単純に親子のやりとりとして楽しかったです。



以下は、興味ある人だけ読んでください。


noteの投稿を始めて2日なので、どんな内容が皆様が読みたいと思ってくださるか悩みながら作っています。児童精神科医としての知識まで書くと、説教臭くなってしまうか、それとも、そちらの方が求められているのかわからないので、とりあえず、書いてみます。
感想いただけますと幸いです。

子育てにおける抱っこの意味


当時の私は小児科医の駆け出しでした。児童精神科医になってから勉強したことですが、赤ん坊が感情のコントロールを身につける上で、「情動調律」という過程があります。

赤ん坊は不安で泣く
→ 親が抱っこする
→ 親の心拍数も声のトーンも落ち着けてあやす
→ 赤ん坊が安全と感じる
→ 安心する
→ 泣き止む

赤ん坊と親が、感情の調律を合わせていく経験をすることで、赤ん坊は安心と不安を理解して、自分で感情をコントロールする方法を身につけていきます。

万が一、抱っこしないで育てていたら、2人とも情緒不安定で、余計泣き叫ぶ子になっていたと思います。

私の馬鹿な意見を一蹴してくれた妻に感謝です。

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