一社)こどもの未来につながる働き方研究機構 公式noteを開設しました。
はじめまして。
一般社団法人こどもの未来につながる働き方研究機構代表、社会保険労務士の菊地加奈子です。これから社団メンバーと一緒に取り組みの様子や保育のこと、法律や制度のことなどを発信していきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
設立の経緯についてはこちら→
熱い思いももちろんありますが、初めての投稿ではこの社団を通して何を実現したいのか、具体的に宣言しておきたいと思います。たくさんありすぎるのですが全部語り切れないので最初の目標を。
この社団で実現したいこと①保育者(園)と保護者(企業)のつながりをつくる
保育所等の働き方改革に携わるようになって、業界全体の意識が年々高まっていくのを感じています。ここ数年でICT化も大分進みましたし、「労働時間」に対する意識も変わり、時間の記録⇒把握⇒正しい給与計算⇒業務改善⇒評価、というサイクルが取れるようになってきています。一方で、限界を感じることも。
どんなに保育者の皆さんが効率化を進めても、相手はこどもたち。予測不能な毎日の中で、こどもと保育者の関わりには「ここだけは絶対に守り抜かなければならない」という一線があるようにも思います。
最たるものがこどもの基本的な生活。個々に異なる発達や家庭との生活習慣とのつながりの中で見られるこどもたち一人一人違うペースに保育者はできるだけ寄り添っています。
こどもの生活は絶対に守り切るという保育者の強い責任感と思い。
でも実は、私は自分で保育園を作るまではこの先生たちの思いに触れる機会がありませんでした。「保育園に子どもを預けていさえすればわが子は幸せで、私も思い切り仕事ができるのだ」と。今では過去の自分に対して先生たちに土下座したい気持ちになりますが、でも実際のところ、多くの保護者が”知らないがゆえに”先生たちの善意に委ねている部分が大きいのではないでしょうか。
一方で企業に目を向けると、さまざまな両立支援制度や福利厚生が考えられています。2022年は育児・介護休業法改正によって産後パパ育休や育児休業の分割取得などが加わり、企業の両立支援のあり方もパパママになる方たちの意識も大きく変わってきています。特に企業は社員を大切にしたい、安心して育児期を乗り切れるための支援を考えていきたいという意識に切り替わっています。だって、これだけ労働力人口が減っていっている中で目の前の人を大切にしなければ企業は生き残れないというのは自明ですから。
そういう変化を目の当たりにしながら、
企業と保育所等がこんなに分断してそれぞれが自分たちだけで必死に努力する必要はないのではないか
そんな風に思うのです。
こどもにとって最良の両立支援制度は親にとっても保育者にとっても幸せなものであるはず。
何が大切な支援なのか、「こどもをまんなか」に据えて議論してみると、もっとシンプルで誰にとっても優しい制度になるのではないか。
そんなことを思い、これまでの私の取組みをなんとかつなげるしくみをつくりたいとこの社団を生み出しました。緩やかな社会のつながりをつくっていくことを目指しています。
この社団で実現したいこと②園の情報開示を通して社会で保育を考える
保育所等と企業のつながりづくりというけれども実際に何をするのか?という部分に触れてみます。
ゆるやかな当事者同士のコミュニティを作っていくことももちろん大切だと思っていますが、「職員に関する情報開示」です。議論する上で情報開示・自己開示って絶対に必要だと思いませんか?
大きな企業は人的資本経営といって、財務情報に加えて人の情報についても開示していく流れができていますが、これを保育所等で広げていくことも大切なことだと思うのです。
経営者が職員のことをどのように考えているのか(方針・理念・組織風土)
労働時間や休日取得の状況、採用と離職率、育成の状況
職員の状態(健康・安全)
良いことも課題感も開示しながら議論していくことで改革は加速しますし、働く人たちもとの信頼関係も高まります。そして何より、保護者が「先生たちが働きやすく働きがいある園こそが保育の質が高い」という理解を深めていくことで園選びの基準にもなるでしょう。そして何より、企業側が両立支援のあり方を考える指標にもなっていくと思います。
私たちは専門家の集まりでもあります。この開示の方法や対話の生み出し方、職場環境づくりもしっかりご支援していきます。
一般社団法人こどもの未来につながる働き方研究機構
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