たかが2枚、されど2枚

真夜中だからブッ込むけど。
久しぶりに長文書くけど。
昨日も今日もずっと泊まり込みで患者さんと対峙しているから言うけど。

マスク2枚でフィーバーしすぎ。

日本、こんだけ対策打ってるって。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
読まなくてもいいけれど、わずか2ヶ月余りでこれだけの対策を練り上げている霞ヶ関のスーパー公務員の皆さんに思いを馳せてページ数を数えて欲しい。
ちなみにこれは経済産業省のみの発表。
これ以外にも各省庁確実に、ものすごく、想像を絶する状態で動いてる。

マスクに関して言えば、
1、病院に1500万枚の緊急追加支給
2、老人施設、障害者施設、小学校中学校特別支援学校に優先配布
3、各家庭に2枚
と3番目。
その前2つはいまかなり重要。

確かに布マスクなのはイケテナイ。
でも、全世界がやられているいま、国内で緊急増産に対応しながら、有症状者にまずは付けてもらうことを優先にすれば、この判断もいまは仕方がない。
「布マスク2枚で対策完了」なんて、あるわけないって分からないかい?

政府に無批判でいるわけではないけれど、霞ヶ関にも永田町にも友人がいる立場として、日本という自由社会を享受している日本人である僕らが、自らの身体に鞭打って、家に帰ることすらできぬまま、シャワーを浴びることも布団で寝ることもできぬままに考え挑み続けている僕の友人たちのことを、一部のアホな報道だけをみて批判ばかりするのは、はっきり言って気持ちいいもんじゃない。

ちなみに厚生労働省には仮眠が取れるソファーもシャワー室もない。冬でもエアコンは17時に切れる。時間外手当は何時間超過勤務しても月額合計1万円以下。そんな環境で役人と呼ばれる公務員はコート着込んでひたすらに日本に住まう人の幸せを考え続けている。

先日の総理の緊急記者会見は明らかに言葉足らずで要領を得ず、生で聞いていて呆れた。
伝え方があまりにもまずかった。
強いメッセージが感じられなかった。

でも、現場の各省庁ではきちんとホームページで情報を公開している。
情報の伝え方が悪いというあなた、各省庁のホームページ見た? とても総理一人で、大臣一人で国民に語りかけられないような膨大な情報がそこにある。緊急事態で物事があまりにも早く進み早く決定されるうえに、噛み砕いた資料まで作る間もない現場だろうから、確かに分かりにくい文書のこともある。でも、提示された情報にアプローチして理解しようとしていないのはあなた自身の責任かもしれぬ。

うちの知事や市長の発信だってあまりにも頼りない。あなたの下で懸命に心血注いでいる行政マンの取り組みとその心をきちんと県民市民に伝える努力をせい!と言いたい。選挙の前だけあんなにバカでかい声張り上げて街中を駆けるのに、なんでいま伝えるべきを伝えぬか?SNSで検討項目の名前の羅列だけされても、それは発信とは言わぬ。せめて市役所職員が必死に作った資料へのリンクくらい貼らんかい。

批判だけしていればいい、マスコミ受けするセンセーショナルな言葉だけ叫んで建設的な議論には無関心なお気楽な野党議員、あんたたち邪魔でしかないから。

少なくとも日本ではこれまで、「緊急事態宣言」を議論すらさせてもらえなかった。
これ、一部野党とマスコミの責任。
もちろん政権与党も3年を除いて戦後長らく政権の座にありながら憲法改正に踏み込めなかったことは責任あるけれど。

新型コロナ特措法で宣言は可能になったけれど、それでも諸外国のような強制性は持てないの。
憲法を一切さわることすら許されなかったツケが、いまここに出ている。
特措法は法律であり、その上位にある憲法の「移動の自由」を制限することはできない。
「言論の自由」だってほぼ無制限、どこかの国みたいに“政治犯”がやたらに多いこともまずない。

つまり、特措法に基づく緊急事態宣言が発せられても「ジンケンガー」って叫んで騒いで街中に繰り出してくる輩は絶対出てくる。彼らを強制的に止める術は日本にはない。

マスコミだって、宣言が出たや否や絶対に批判的にしか論評しないところも出るさ。方向性が真逆の論評がでて社会が大混乱することも覚悟が必要かもしれない。それを止める権限もやはりない。
それが、僕らが選び続けてきた絶対不可侵な憲法の定める自由のあり方なのだから。

誰もが経験したことのない有事を、すべての日本国民の叡智と勇気とで正面突破するしかないのが今なんだ。緊急事態宣言が出ても、出なくても、自らのこれまでの行動とこれからの生き方を考える機会だ。

あまりにも限局した一部だけを殊更に取り上げて全体像が見えなくなる。
それが風評とか買い占めとかに繋がるって理解しよう。

日本という素晴らしい国を後世に繋ぎ続けるために必死で、本当に死にものぐるいで働いている霞ヶ関の深夜の灯りに、少しでもいいから想いを馳せよう。

都道府県を守り抜くために身を粉にして働き続ける都道府県庁、市町村の公務員の人たちにエールを送ろう。

実際の患者を前にして、怯むことなく治療に邁進する医療者の姿、治療のかいなく目の前で亡くなる方たちを見届けている医療者の無念で孤独な戦いに少しだけ想像力を貸して欲しい。

マスク2枚の裏には、必死で戦う幾千万の日本人がいるんだ。

コロナの全体像はまだまだ見えないけれど、それでも見えてきたことはいっぱいある。
社会の価値観が大きく変わることは間違いない。

笑って過ごせる日は必ずくるから、
僕たち自身が大きな視野でいる意識をもとう。

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