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私たちが守るべきもの|飲食店の気持ち

こんにちは。
もっとおいしくなる魔法のノートへようこそ。
このノートは、横浜市内を中心に飲食店を運営している株式会社エイトの持つ想いを、今お食事が届くのを待っているあなたに届けるために書き綴っています。

さて、現在横浜市では新型コロナウイルス感染症「まん延防止等重点措置」として酒類の提供を終日停止するよう要請されています。

ですが、東戸塚にある「炭火焼 こだわり料理『きゅう』」では酒類提供を含む居酒屋営業を再開することにしました

闇営業ではなく、神奈川県からの協力金を辞退して。

原点に戻ろう

JR横須賀線 東戸塚駅 徒歩3分のところにある「きゅう」。
この場所、一年前は「もんじゃ横丁東戸塚店」でした。

昭和55年の創業以来、さまざまな苦難を乗り越えてきた弊社。
コロナ禍においても業態変更や閉店、泣く泣く人員削減をしたりあらゆる対策をとってきました。

このお店ももちろん同様で、関内にあった「よりみち酒場」を閉店し、もんじゃ横丁東戸塚店をよりみち酒場に業態変更しこの場所でリスタートすることに。
それでもやはり、思うようにはいきませんでした。

「今は、お客さまに必要とされている、存在理由が明確なお店が生き残る時代。これまでなあなあで通用してきたものが通用しなくなり淘汰されてしまった。なるべくしてなったのかもしれないね。」社長の一美さんは語ります。

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オリンピック需要を見据えて数年前に日本橋にオープンしたお店を撤退させたり、会社が大きく揺れ動く中で原点に戻ろうと思ったという一美さん。

実は、「きゅう」という居酒屋は30年前に同じ場所にあったお店
連日たくさんのお客様が足を運び、にぎわい、東戸塚で必要とされている場所でした。そして、現社長の一美さんが初めて店長という役割を務めたのも「きゅう」だったのです。

「さすがに今回は撤退も考えました。撤退してしまうのは簡単だけど、最後に”もう一度必要とされるお店になるためのチャレンジをしたい"と思ったの。」

そして、2020年11月。
30年前に東戸塚の人々に愛された「きゅう」は未曾有の感染症の最中にこの街に帰ってきました。

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車屋さんに車を売るなというようなもの

きゅうとしての営業が始まり、しばらくは政府の要請に応じた営業をしてきました。

ところがゴールデンウィーク目前の4月19日。
「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(第9弾)」の要請として酒類の提供を終日停止することという指示が出されました。

「アルコール終日禁止、その言葉に息の根を止められた感じがした。」と話す一美さん。
「居酒屋にお酒を出すなって、車屋さんに車を売るなとか、美容師さんに髪を切るなって言ってるようなものじゃない?そう考えると、お店を閉めて(休業)給付金をもらうしかないのではとも思った。
けど、社内から"ただ閉めていてももったいないから、普段できないことをやってみよう!"という声が上がったの。そこで、新店舗のためにここ数年研究を重ねていた淡麗極ラーメンを期間限定で販売することにしました。」

壱八家ハナレ淡麗極みラーメン系_アートボード 2

極らーめんはスープがなくなり次第終了の数量限定。
おかげさまで、連日15時過ぎには完売の状態が続きました。
(現在はきゅうでのらーめんの販売はしていません。らーめんな気持ちになった方!上の画像の極らーめんはありませんが、壱八家でお待ちしています!)

とはいえ、ラーメンだけでは居酒屋の広さをとてもまかないきれず、実際にやってみることでの気づきもたくさんありました。

アルバイトの子たちを守りたい

休業するにも、営業規模を縮小してラーメンを売るにも、どうしても気になるところがありました。

それが、アルバイトさんや業者さんたちのこと

私たち飲食店は、社員だけで成り立つものではありません。
お店に立ってお客様を迎えてくれるアルバイトスタッフ、そして様々な食材や備品を届けてくれる業者さんの協力があってこそ作り上げられる空間なんです。

「酒類提供停止と聞いた時に、"こんなに国民が頑張っているのにそれでこの仕打ちをまだやるの?"と思いました。シングルマザーで仕事をかけ持ちしている子の稼ぎが減っていたり、結局弱いところにしわ寄せがいっている。この指示を”黙って受け入れる"ということはアルバイトさんやお取引先の業者さんを冷酷に見捨てる選択をするのと同じことで、それは違うんじゃないかなって。政府のせいにして立ち止まったり、"しょうがない"を言い訳にするのはエイトらしくないし、できることならやろうと決めたんだよね。」

ちょうどその時、社員からも「僕らが休むのはいいけど、アルバイトの子たちを削っていくのは苦しい。せめてきゅうだけでも通常営業できないか。」という声が多く上がっていました。

幸いにもきゅうは、以前もんじゃ横丁として鉄板焼きのお店だったため換気設備は抜群です。さらに、天井も高く店内も広い

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一美さんは社員からの後押しを受け、政府からの協力金を辞退する形できゅうの通常営業(アルコール類の提供と23時までの営業)を決めました
(5月11日まで待てば180万円くらい協力金が入る予定だったけど、決めたからには早い方がいい!となり7日から通常営業になっています…さすがにこれには社内でももったいないの声があり若干ざわつきましたw)

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一日も早く団欒を取り戻すために

「食は人を幸せにする。
食卓を囲みながら団欒することは、人間にとってすごく大切。
そういう日常を早く取り戻したいし、
1日も早く取り戻すためにチャレンジをしていこうと思います。」

そう話す一美さん。

一日も早く日常を取り戻すためには、今回の決断が原因でクラスターを発生させてしまうことはあってはならないことです。

「空気の循環や、大工さんに特注で作ってもらったパーテーションの設置もばっちり。お店としてやることはやっているし、このお店だからできることだと思います。」

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一美さんが自身のFacebookに通常営業再開する旨を投稿したところ、想像を超える反響がありました。

「"できることならやりたい"という同業者からの声もたくさんありました。みんなができることじゃないからこそ、私がやってやる!

自分を犠牲にしてでも、大切なお客さまに美味しい食事と楽しい時間を提供したいし、大切な食材や備品を届けてくれる業者さんの職も守りたいし、大切なスタッフには苦しい思いをさせたくない。
飲食店で働く人って、人が大好きなんですよね。
そうじゃなきゃできない仕事
だと思います。

これまでも、たくさんの方からの声援や協力を受けて私たちエイトは成長してきました。
いつかこの恩返しができるよう、今は私たちにできることを精一杯やってみようと思います。

お客さまには多少のご不便もおかけしますが、感染症対策にご理解・ご協力いただいた上で今しかない時間をお楽しみいただけたら、それが私たちのとっての幸せです。

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炭火焼 こだわり料理『きゅう』
神奈川県横浜市戸塚区品濃町541-3 オセアンビル1F
営業時間
5月12日より
<居酒屋営業>13時〜23時 (L.o.22時)(アルコール類の販売)


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