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【無料公開】#86 低学年までの算数強化教材ルート

こんにちは。いつもInstagramをご覧いただき有難うございます。
今回は、低学年時の算数強化のためのシラバス(教材ルート)を寄稿させていただきます。
前提として、子供がやりっぱなしとなっては、どのような良質な問題集も、どんなに沢山の演習も効果を最大限に発揮することができません。
また、今回の”算数強化”の到達レベルは、大手進学塾に上位入室を果たすことができる算数力を意味しています。


算数力とはなにか?

算数力を因数分解してみる

算数力って何ですか?と質問したら、様々な返答が集まりそうです。
私が考える算数力とは、

  1. 問題文を読み解く力(読解力)

  2. 与件を整理する力(分析力・論理的思考力)

  3. 図式化する力(訓練による習得、すなわち努力)

  4. 立式する力(論理的思考力)

  5. 計算する力(訓練による正確性と処理力)

  6. 検算する力(慎重性と問題用紙の上手な活用力)

と、この6つの力で構成されていると思います。
計算力、思考力、ヒラメキ、など色々なご意見はあることと思いますが、算数というのは、「数えること」を出発点にして、「比べること」に領域を拡大していく教科です。ここが数学との決定的な相違点であり、学科名称が変わるのは、この辺りに理由を求めることができるのではないでしょうか?

算数力を強化する順序

私は、様々なメディアで、「先取り学習」を推奨しています。
推奨する理由は、時間の前借りをして、大手進学塾の高学年での過酷なスケジュールに時間の柔軟性を確保するためです。
そもそも先取り学習は、前借りに過ぎず、学力そのものを強化するための勉強ではありません。

低学年時の算数学習を大きなブロックに分類すると、

  1. 四則計算の概念理解と正しい計算法の習得(親の手解きが必要)

  2. 日々の計算訓練による正確性と迅速性の獲得(子供一人での訓練)

  3. 文章題による文章読解力の獲得(親の補助が必要)

  4. 基本問題演習による再現性の強化(子供一人での演習)

  5. 基本問題と応用問題の相違点の理解(親の視点が必要)

  6. 忍耐強い論理的思考能力の養成(平行取組み)

になると思います。
この学習項目に市販教材をあたはめてスケジューリングして、低学年の3年間で確実に消化していけば、どちらの大手進学塾に新4年生から入塾してもトップクラスの算数力を確保できると確信しています。

学習項目別推奨問題集と使用法

(問題集名称横の★は保護者の手解きを必要とする教材です。)

四則計算の概念理解/文章題による文章読解力

  • 最レベ問題集(奨学社)★

  • 応用問題の解き方(法文社)★

こちらの問題集は、原則、単元冒頭に保護者が子供に手解きをしてから取組むことを推奨します。また、姉妹書にハイレベ100がありますが、私は、
最レベ算数→ハイレベ100の順序で取組むことをおすすめしています。
正しい概念理解と考え方を習得してから、子供が独力で演習するのにハイレベ100の難易度が適切ですので、理解状況を確認するにも、この順序が正しいと確信しています。
すべて子供に解かせて、丸付けだけをするという関わり方ですと、こちらの問題集のスペックを100%引き出すことは難しいと思います。

また、応用問題の解き方は、”特殊算”のみを掲載した問題集で、ロングセラーの問題集ですので、表現が古臭いことと、掲載問題の価格などの物価感に違和感を感じるかもしれませんが、非常に力になる問題集ですし、私どもの頃には、サピックスの窓口でも販売していた問題集ですので、内容的には間違えのないものだと思います。
また、応用問題の解き方は、解答が貧弱ですので、お子様一人での取組みは相当困難なものになりますので、必ず、保護者の方の関わりが必要になる問題集です。
最レベ問題集終了段階で取組みを開始すると、大手進学塾入塾後の先取り効果も大きく見込めます。

正しい計算法の習得と日々の計算訓練

  • 基本トレーニング計算(12級→2級)

  • 百マス計算

  • 計算名人免許皆伝(東京出版)

四則計算の概念理解が終了したら、こちらの問題集をタイマーで時間計測して取組む習慣をつけると、相当効果的です。
基本トレーニング計算は、学年ごとに2分冊になっていて、1冊一ヶ月で取り組める内容になっていますので、余裕をもって取り組んでも2年もあれば十分完了することができます。

また、百マス計算ですが、こちらは、単純計算の正確性を引き上げるのに最適の問題集です。独立した計算問題の時は、用心深く計算するものの、文章題の中で処理する計算問題の正確性を引き上げるためにも、簡単かもしれませんが、百マス計算は強くおすすめします。
計算名人免許皆伝は、所謂、工夫の計算に特化した問題集ですので、楽しみながら取組むと良いかもしれません。

基本問題の演習

  • ハイレベ100(奨学社)

こちらは、お子様が一人で演習する教材になります。
最レベ問題集をしっかりと習得した後に、理解度の確認用に、また、再現力の強化のために使用すると効果的です。
最レベより、やや易しい問題のウェイトが大きい問題集ですので、最レベ問題集の後に取り組めば、気分よく進めることが可能だと思います。
取組む際には、制限時間を設定して、タイマーで時間計測をして取組むと効果が高まります。

思考力の養成

  • 天才脳ドリル(受験研究社)/空間把握・語彙表現・仮説思考・数量感覚

  • なぞぺー(草思社)

  • 四谷大塚はなまるリトル(四谷大塚)

思考力の養成は、日々、少量の問題で良いので継続的に取組むことが効果的です。制限時間を設けたり、または、わかるまでトコトン取り組んだりと工夫をしながら、パズル感覚で取組むと良いと思います。
こちらの思考力系の問題集を低学年時に取り組んでおくと、高学年時の
図形問題ややや抽象的な問題にも比較的対応していきやすくなります。

低学年時の算数力強化で大切なこと

問題を解いて、正解だったら良し!
これは、とても残念な学習法です。上記の推奨問題集横に★がついている問題集は、保護者のかかわりを強く求められる問題集です。
この手解き書とも言える問題集は、問題文への線引きの仕方、図を描いているか?式が正しいか?書字は丁寧で正確か?などをしっかりと見届け、マル・バツのみを確認する見守り法を排除すべき問題集です。
最レベ問題集のハイレベル・最高レベルの単元は特に、考え方、解法をしっかりと理解できているか?ココを見極める必要がありますので、これができるようなら最高の問題集になります。

また、計算項目は、通常の学習メニューにいれると負担感を強く感じるはずですので、朝学習などで、算数学習から計算を独立させると比較的に継続可能だと思います。

算数は、数えることと、比べることを中心にした教科です。
数え方、比べ方、大人だからこそ気付けるスキルをお子様に伝授して差し上げると算数の力が引き上がると思います。

算数は、

  • わかるとウレシイ

  • できるとタノシイ

  • 続けることがムズカシイ

学科だと思います。幼いからこそ柔軟な発想力をもっていますので、大いなる算数力を皆様のお子様方が獲得されますことを期待しています。

最後までお読みいただき有難うございます。

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