自分くらいの人ってどこにいるんだろう

 なんでかずっと強い女のコミュニティにいる。どうしてこうなった。類は友を呼ぶはずではないのか。

 親の学歴が高い。
 母に関して言えば学歴はさておき主婦になってしまったものの、高い。教養のある人たちなので、普段の会話から教養は下げおろされるし、誰かが買ってきた書籍は家族で共有されて話題になるのが常だし、習い事にしても定番のピアノや水泳から、武道も触っとけってんで柔道、せっかく楽譜も読めるしで高めの楽器なんかもやらせてもらった。学校にしても、「自分たちじゃ教えられないものを」と、幼稚園は私立のちょっとおハイソな雰囲気のところへ、小学校は地域のモデル校、中学からは私立女学校に。振り返ると結構箱入りである。

 さて、そんな生き方をするとどうなるかというと、知人・友人が能力が高くて面白い人間ばかりになっていく。そんなコミュニティにいるせいで、なんとか話を合わせて生きているけれど、どうにもこうにも自分自身はそういうんじゃない。教養も能力もなにも、そもそも朝起きれない。毎日定時に何かをできないし、締め切りが守れない。問題外だ。

 とにかく私には、胆力というものが全く足りていない。しかし、どうにも胆力が全く足りていない知り合いというのがいないので、いつも誰とも話がうまいこと噛み合わない。彼女らには、私ができない原因がとんと分からない。だからか、私の人生がはちゃめちゃなのを見てみんな困った顔をする。そんな顔すんなよ。

 友人Aと友人Bの仲が良いのはよく分かる。彼女らはレベル感があっている。では、私は? 私と同じくらいの能力値の人は一体どこにいるのだ。犬達と一緒に育てられた猫が急に自分だけ違うと気付いてしまったような、そのくらいの困惑感。

 気が合うな、と思っていた姉さん方が最近なぜかどんどん作家としてデビューしていっている。やはり、自分よりも大幅に優秀な人たちだったらしい。めでたいことだけれど、また置いていかれてしまったなあ、と思う。

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