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「線のイメージの線」FDL Tips 12−2

視覚で認識できる形には丸とか三角とか色んな形があります。
色んな形の1つの線。

これら幾何学的な形は脳で作られたイメージです。
眼で追った点の集積であったり、細いシルエットの残像であったり。
視覚とは、視て、覚えると書くようによくよく考えると脳で作られたイメージ、つまり記憶です。
網膜に影が映り込んだだけでは知覚とは言えない。
網膜にある神経を通じて脳に情報が伝わってから知覚されます。
脳でイメージが作られる間に実は様々なフィルターを通っています。
不必要な情報を省いて必要な線だけを認識している。
絵画はそのフィルターの1つ1つを見つけて、線を上手く利用できるように感じていることを手さぐりしながら描いています。
初歩では線には多くの先入観が入ります、それを1つ1つ丁寧に取り除くためにデッサンをします。そうしなければ現実を映し出せないのです。
例えば、実際には左斜の縁辺が右斜に知覚してしまったりします。

網膜に写った映像から作り上げた形。
この形は身体を通じて脳から現実の世界へアウトプットし映すことができます。
あらゆるメディアを通じて脳の中の形は外へ表現されます。
油絵の具はそのメディアの1つ。
あらゆるメディアの中で油絵にしかできない線があるのです。
それが油絵の生きる道。
私は描き手からしか見えない油絵の生きる道について書いていこうと考えています。
そうとう複雑な話になるので1つずつ話しています。

今回の絵は線を描きます。
絵画技法の中で線はとても重要です。
線こそが絵とも言えますし、線の価値は絵を描かない人でも何となく知る所だと思います。

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