貧困を抜けるvol.15「帰郷」
今度の7月21日に帰郷します。
私の生まれた広島、育った、岡山、小倉、福岡に帰ります。
前回は車で行って想像以上にハードだったので今回は飛行機でいきます。
誰かに会うかと言えば、強いて、タイミングが会えば岡山に大学の同級生がいるので会いに行きます。行くけれどもサプライズ感をなるべく損ないたくないので極力告げずにゲリラ的に行きます。前回は確か13年ぶりに突然職場のカフェに出現し、絶叫し驚愕させたので大成功でした。1時間ほど滞在して存在確認をさせて帰りました。今回はあれから5年振り、前回ほどの絶叫感は出せないと思うけれど楽しみに行きます。
今回の帰郷は奥さんを連れていきます。結婚して18年が立ちました。
この18年の間、奥さんを私の故郷に連れて行ったことはありません。それだけ私の家とは疎遠なのです。私自身生まれ育った土地に興味はあっても親戚等々にはさらさら興味はありません。一言で言えばどれもポンコツ。会う価値はありません。
皆さんに知っていて欲しいのはそのような家庭があるということ。そんな状態でもなんとも思わない育ちの人も大勢いること。一般的な所謂「世間」という認識とはまったく違ってテレビドラマにもないような血縁とか親族とか親とかと全く無縁の生き方もあるし、それで構わないということです。
ここではあまり触れませんがこれから私と同じような家庭は、人は増えると思います。今の社会において、又、これからの社会において、親や親族は機能しません。
社会が貧困層を垂れ流しにすることで私と同じような境遇の人は間違いなく増えます。
貧困を陥った場合、それを支えられるのは親や親族ではありません。低所得者家庭に育った私に見えるのは、いくら血縁などといっても背に腹は変えられぬ。困窮している状況には親、兄弟、親戚等々すべて何のアプローチもできません。そのような人がこれからどんどん増えると思います。
親が機能しない家族無機能社会。
貧困に陥らないようにするための手立ては間違いなく教育です。
怖い話の後なんですが、今回最初に行く所は高松市です。奥さんの一番興味のある所。
前回来た時の土産話で一番恨めしそうな顔をしたのがさぬきうどんを食べたことでした。後は直島美術館に少し興味があるようです。奥さんはアートの知識は皆無なので直島はちょっとわからないんじゃないかと心配しています。前回直島に行った時も観客は殆ど海外の方でした。ほぼ英語。
次に岡山に渡ります。レンタカーを借りて瀬戸大橋の景色を見せようと思います。
岡山市では私の住んでいた場所や蓮乗寺保育園はまだそのままの形を保ちながら運営されているので見に行きます。
それから広島に行って原爆ドームを見ます。私は広島で生まれました。広島の原爆ドームに行くのは48年ぶりです。生まれた時に住んでいた住所はわかりません。
2日目は小倉に泊まります。
私の生まれ育った家は今ラーメン屋になっているのでその中に入ろうと思います。そこの外観は18年前に見ました。その時は12年ぶりに見に行ったので、その時よりもさらに長い間小倉には行ったことがないことになります。中に入るのは30年ぶりです。
3日目は福岡に泊まります。
福岡に行くのは18年ぶりです。奥さんの目当ては長浜ラーメンです。私が1浪していた時に見ていた風景を今どうなっているか確認しに行きます。
貧困で不幸な人には笑顔はありません。私自身心の底から大笑いしたのはいつのことだったか記憶にありません。大笑いというよりも、日常でふさぎ込み、うつむき、心の奥深くに潜り込み、閉ざして生きて来ました。家庭は地獄。唯一息抜きができるのは学校でした。困窮している家庭の救いは家庭ではありません。学校です。
今でもその名残があり、よく仏頂面になります。後は、ボーと一点を見つめて考え込む。恨みや憎しみが走馬灯のように浮かぶ。どうすれば解決するのか考え込む。ひとつづつ克服し、少しずつ笑顔は戻っています。私が心から笑えて幸せだったのは岡山にいた時までです。小倉に行ってから本格的な地獄がはじまり笑顔は消えました。
でも、貧困は抜けることができます。笑顔も取り戻すことができます。
今苦しんでいる人やこれからそうのような状況になってしまう人のためにいつか抜けることを伝えます。
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