だらしのない昼下がり
缶ビールのプルタグを開ける。
プシュッという音を立てて飲み口を開けたビール缶に口をつける。
喉に炭酸とアルコールの混合物が流れ込む。
今はお昼の12時半。
休日ならまだしも、まだド平日。
しかも、リモートワーク中のいわば「勤務中」の昼休憩時。
早い話、許されない状況で自分はお酒を飲んでいる。
何年か前にも、こんなことがあった。
夜食のお供だったものが、いつからか夕方、そしてお昼過ぎ、いつの間にやら昼日中。
その時は500mlのビールを1日に6本消費していた。
当たり前だがそれが当たり前になると、体にも変調が出てくる。
体重が増え、顔が浮腫む。
お腹を下すのが日常的になり、夜の眠りは浅い。
そんな事になってしまった理由は色々有ったと思う。
仕事のストレス。
家庭のストレス。
ペットロス。
思えば、いろいろな事が降りかかってきた時期だった。
そんな生活からなんとか抜け出せたのは、ある日スマホを見ていて画面に映り込む自分の顔が、なんとも醜く肥え太ったブタに感じたのと、寝ながら便失禁してしまい、寝具を汚してしまった事が2〜3度有った為だ。
このままでは、自分はダメになる。
タイミングよく(?)、コロナに罹患して嫌でも酒が飲めない状況がしばらく続き、この悪癖を断つ事ができた。
心療内科の先生が言っていた「お酒はこの世で一番効き目のいい抗不安薬なんです。」という言葉が忘れられない。
要は、日常の不安を酒で誤魔化していたのだ。
処方されている安全な薬があるにもかかわらず。
だが、その悪癖がまた頭をもたげようとしている。
量こそ350mlだが、13時の時点で2本目が空いている。
家の目の前のコンビニに行けば、数分で手に入る抗不安薬というわけだ。
実家のことを考えると、動悸が激しくなる。
頓服として抗不安薬は処方してもらっているが、ダメな人間の私は、楽な方へと流れてしまうようだ。
この悪魔との戦いになんとか抗える勇気が欲しい。
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