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【天下繚乱】サンプル紹介⑪ 紅蓮の武者

「冥途の土産に、本物のいくさを見ていくがよい」

11紅蓮の武者

 あの日のいくさは、ひどい嵐だった。
 敵将の首めがけて一騎駆けに突っ込んだキミは、突如として落雷に打たれ、目覚めたときには見たこともない大都会にいた。
 聞けばキミのいた時代より数百年が経ち、徳川家が征夷大将軍になって天下を治めているという。さてどうするか。“今”がどうあれ、キミにとっては異世界に等しい。なんとしても元の時代に戻らねば、国がどうなっているかわかったものではない。
 そんな時、キミは宝剣“村雨丸”の噂を聞いた。その剣の力があれば、ゆがんでしまった時間と空間を元に戻すことができるのだという。なるほど、それさえあれば、時を超えて元の時代に戻ることができるだろう。その行く手には妖異たちが待ち受けていたが、何、この時代のふやけた武士はいざ知らず、キミにとっては戦いは日常だ。

 “紅蓮の武者”は時空破断によって戦国時代からやってきた往時の英雄だ。現代には名が伝わっていない英雄でもよいし、宮本武蔵や前田慶次郎のような実在の英雄を演じても構わない。

 このサンプルキャラクターは、重装甲で敵陣に飛び込み、両手持ちの巨大な槍で群がる敵軍をただひとりたたきのめすことに特化している。友軍をその装甲でかばい、横槍をいれて命中判定の達成値を上げることも可能だ。確かに軽装の剣士に比べれば動きは鈍いかもしれないが、そのすさまじい防御力を貫通することは困難だ。鉄砲隊の一斉射撃ですら、“紅蓮の武者”を打ち砕くことはできないだろう。

 多数の敵を相手に無双の活躍を振るうスーパーヒーローに憧れているなら、“紅蓮の武者”はあなたのためのサンプルキャラクターだ!

●クラス解説~いくさ人(いくさにん)~

 いくさ人ははるか戦国の昔より、時空破断に巻き込まれて化政時代へと漂着したキャラクターをあらわす客人クラスである。

 彼らは泰平の時代には失われたさまざまな超人的戦闘技術と、独特の武器を身につけ、使いこなすことができる。本来ならば戦国に覇を唱えるための技術が、妖異と戦う武器となるのだ。

 基本的にいくさ人の来るべき時代として想定しているのは、応仁の乱(1467 年)から島原の乱(1638 年)である。ただし、GMが認めるならば、これ以外の時代からやってきたことにしてもかまわないし、何ならそもそも我々が知る歴史とはまるで違った歴史をたどったパラレルワールドからやってきたものとしてもかまわない。

 いくさ人は戦国装備と呼ばれる強大な武装をひとつ持ち込んでいる。それは六本で一組の日本刀であったり、漆黒の闇をまとった柄だけの剣であったり、燃え上がる二本一対の槍であったりする。戦国装備はいくさ人にしか使用できない。戦国時代の日本では一般的だったこれらの装備は、泰平に慣れた武士には理解できない存在なのだ。
▼旧シリーズとの差異
 旧シリーズでは、戦国装備は「1シナリオに1度しか使えない」「クラスレベルが上がると数をたくさん持てる」という処理だった。だが、今回はよりいくさ人とのキャラクター性のリンクを強めるために、キャラクターひとつに特徴的な装備ひとつ、という形にリメイクされた。

 ――? そうすると、リプレイの源義経はどうなるのか、と? 彼女については、いずれ京八流を再現するためのクラスが必要になるかもしれないね。

●次回予告


 次回は“いくさ人”同様、時を越えたヒーロー、“新選組”について紹介することにしよう。


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