弦楽四重奏曲第1番ハ長調op.49は、
旧ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチの書いた、
最初の弦楽四重奏曲である。
1938年に作曲された。

20世紀最大の交響曲作曲家として
知られるショスタコーヴィチだが、
大勢の聴衆を前に演奏される交響曲の
作曲については常に共産党政府の批判にさらされ、
自由な作曲活動は制限されなければならなかった。
一方ショスタコーヴィチが生涯にかけて
取り組んだもう一つのジャンル、
弦楽四重奏は聴衆の少なさ故か幸いに
共産党政府の批判を逃れ、自由な作曲活動ができ、
公には言えない自分の内面を表現したとされる。
全15曲の弦楽四重奏曲の中には、
ユダヤの影響（第4番）、
自分のイニシャル（D-Es-C-H）を音名に織り込む（第8番）、
ジャズの影響（第13番）など、
ショスタコーヴィチの多様な作風をみることができる。

わずか19歳で交響曲第1番（1925年）を発表し、
音楽界に鮮烈なデビューを果たしたショスタコーヴィチだが、
弦楽四重奏曲の発表は遅く、1938年、32歳のときである。
この天才作曲家が手がけた最も遅いジャンルである。
なお、1931年にはオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、
バレエ「黄金時代」の音楽を弦楽四重奏曲に
編曲するということを行っており、
このジャンルへの取り組みの慎重さが現れている。

1936年に受けたソ連共産党機関紙「プラウダ」からの批判を、
1937年に交響曲第5番を発表することにより
ようやく挽回したショスタコーヴィチだが、
受けた精神的痛手はよほど大きかったらしく、
多作家のショスタコーヴィチにしては珍しく
交響曲第5番の作曲後数ヶ月は作曲を休んでいる。
弦楽四重奏曲第1番は、そうした経緯を経て
1938年の夏にようやく作曲された。

第1楽章 Moderato 4：59
第2楽章 Moderato 4：34
第3楽章 Allegro molto 2：15
第4楽章 Allegro 2：48

演奏時間：約14分
Wikipediaより

※独特な曲で、おまけに全楽章なのでとても長いです！
　お好きな方のみご視聴願います。
　激しい曲のあまり、
　最初の音源ではパンクしてしまったので、
　再度作り直したものです。