見出し画像

簡易軌道シンポジウム②~「みなくる」で聞く当時の姿~

上幌呂を後にして向かったのは、鶴居村ふるさと情報館「みなくる」。

ここには泰和車輛工業製造の自走客車と6tディーゼル機関車(DL)が綺麗に保存されています。

画像1

ここには以前から何度も足を運んでいますが、この日はなんと軌道OBの方が実車を前に様々なお話をしてくれるとのこと。

画像2

お話してくださったのは軌道の運転士をなさっていた小野さん。

以下のようなお話を聞くことができました。

・最近、軌道にスポットが当たることが増えて感じていることは、この車両展示を見た人が自走客車はDLに牽かれていると勘違いする人が多いってことだね。

・展示車両について、実は床下機器の一部が欠損している。最初の保存場所であった小学校に留置する際に外したのではないか。

・自走客車のエンジンは日野のDS60を使っているが、これは縦型エンジンを横向きに改造している。片軸駆動で砂撒きも片方だけだった。

・保存車決めは知らなかった。運輸工業の車両のほうが好きだったあ。どうしてそっちを残してくれなかったのか…。

・ここにある自走客車の運転台の計器類は後付けで本来の姿ではない。事前に相談してほしかったなあ…。

・DLについて、ここに保存されているものより丸瀬布にいったもの(遠軽町で動態保存されている運輸工業製の6t)のほうが頑張って働いていた。

画像5

・ロータリー車もいたが、構造に問題があり、さらに脱線すると手間がかかって仕方がない。

・脱線はガソリンカー時代に多かった。その後は少なくなって、脱線しても30センチずれる程度。連結器の下にジャッキを入れて復旧させた。

・小学校に保存していたころに、自走客車は塗装を厚く塗っていたためにカギ穴が埋まってなくなり、さらに誰も鍵の開け方を知っている人もいなかった。私(小野さん)が関わるまで開かずの車両だった。

私が書き留めたものを抜粋しましたが、やはり軌道に関わっていた方の生のお話を聞ける機会は大変価値ある時間でした。

ちなみに、小野さんは以前にHTBの取材も受けています👇

その後は車内見学へ

画像3

画像4


このイベントの間、軌道ファン以外にも、かつての利用者や関係者の方も車両を見に来られていました。

すっかり過去の記憶のかなたに消えていきそうな軌道という存在が、新たな地域資源として見直されることで、眠っていた地域の方の記憶や思い出を掘り起こし、地元への愛着を再確認するきっかけにもなっているように思えたひとときでした。

この後いよいよシンポジウム会場へ入ります。


保存車両は屋外にあるのでいつでも見ることが可能なようです。

場所はこちら👇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?