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モブのような人生でも、aikoが寄り添ってくれた

首元にじんわり汗をかいて、掌はジンジンと血が通っていた。耳の奥は届いた言葉を閉じ込めるようにぼうっとして、目からはじわっと熱いものが零れた。


「報告します。結婚しました!」


この言葉に対する、私の体のリアクション。

シンガーソングライターのaikoさんが、ライブ中に結婚を報告した。


私がaikoを知ったのは学生時代。「ボーイフレンド」を音楽番組で歌っていたのを見ながら、「不思議なメロディなのに、素直でのびのびとした声!なんて可愛い歌を歌うんだろう!!」と、テレビから聴こえるaiko節に一瞬で惚れた。

次の休みの日には、レンタルCDショップでアルバム「桜の木の下」を借りた。何度も何度も繰り返し聴いて、レンタルだけじゃ嫌だと欲が出て、CDショップで桜の木の下と、小さな丸い好日を買った。

今まで人の紹介や、友人がファンだからという理由でしか音楽を聴かなかった私が、初めて自分から好きになったアーティスト。それがaikoだった。


そこから私の人生には、いつもaikoの歌があった。大した人生じゃない。喪女とかモブとか呼ばれるような人生。

そんな人生でも、学生時代にずっと片想いをして、上手くアプローチできなかった時は「花火」や「アスパラ」を聴いた。

片想いの相手と話せた時は、嬉しくて嬉しくて「ジェット」を聴いてテンションを上げた。

初めて恋人ができた時は、甘えられなくて積み重なる不安を「密かなさよならの仕方」が代弁してくれた。

恋愛やバイトや仕事が上手くいかない時には「マント」に何度も励ましてもらった。

失恋したバイトの先輩に、あえて共感できるような曲で気持ちを発散してもらおうと「あなたの唄」を聴いてもらった。(この先輩とはこれを機にさらに仲良くなり、今もaikoライブへ一緒に通っている)

好きな人が落ち込んで泣いていたら「すべての夜」を聴いて一緒に泣いたし、「テレビゲーム」を聴いて心を和らげてもらった。


それ以外にも、背中を押してもらった、支えてもらった、寄り添ってもらった歌は数え切れない。

モブのような私の人生でも、aikoは寄り添ってくれた。

ファンの妄言と言われるだろうけど、本当に、aikoが隣に居た。日常にも、ライブに行った時にも。


そんなaikoが、「結婚したいと心の底から思える人」に出会った。それをマスコミではなく、ファンのみんなへ先に報告してくれた。

人生の節目を教えて貰えたことが、こんなに嬉しいことだと思わなかった。読む専門でnoteを始めた人間が、思わずnoteに唐突な書き出しで伝えるくらい、嬉しかった。


aikoさん、結婚おめでとうございます。

そして、大きな人生の節目を、大事にしているライブで、aikoメールで報告してくれて、本当にありがとうございます。

これからも健やかに、末永くシアワセでありますように!

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