【感想】天を見あげて/関西学院大学博物館
今年の春に訪問した神戸女学院で、西洋風のかわいらしくて美しい建築にウットリしてからというもの。日本各地に点在するW•Mヴォーリズによる建築が、今なお人々に愛されていることを知って興味を持つようになりました。
↑こんなステキな校舎を見ちゃったら、そりゃファンになるでしょって話です🙂↕️
実は神戸女学院の隣駅エリアには、ヴォーリズ建築の残る、関西学院大学上ヶ原キャンパスがあります。
9月末から、ヴォーリズ建築に焦点を当てた展示「天を見あげて─関西学院のヴォーリズ建築─」が関西学院大学博物館で始まったので、建築物の見学がてら行ってみました!
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最寄りの阪急今津線甲東園駅から徒歩約15分ですが、大学まで実は結構な上り坂。ハァハァ言っていると、少しずつ西洋風建築が見えてきて、正門に到着です。
写真正面の時計台のある建物が関西学院大学博物館です。その手前に芝生広場があって、両脇に経済学部や文学部などの建物が並びます。神戸女学院と似ていると感じました。
土曜日の訪問でしたが、芝生には寝転ぶ学生さんや駆けまわって遊ぶ近所の子どもの姿があって、憩いの場になっていました。
展示室は2階です。階段を上がります。
展示室入ってすぐのところには、キャンパスの模型が2つ置いてありました。
ひとつは、関西学院大学創立の地、現・神戸市灘区の原田の森キャンパス。もうひとつは、移転先である西宮市の上ヶ原キャンパスです。
※神戸市のキャンパス跡地には、現在でも一部ヴォーリズ建築が残っています。
ヴォーリズはどちらのキャンパスにも関わった人物でした。企画展の展示室では、ヴォーリズと関西学院大学の歩みが紹介されていました。
両キャンパスの写真や設計図、そのコンセプトの解説、移転の経緯のほか、この博物館の建物(元々は図書館だった)にある時計の針や窓ガラスなどの現物も展示されていました。
帰り道に撮った実物と設計図を見比べてみると・・・
面白かったのは、上ヶ原に移転した1929年頃は、図書館(現・博物館)の時計の針がついていなかったということ。文字盤のみだったそうです。その後、1933年にようやく針がつき、現在は3代目なんだとか。
また、戦時下においては、金属の供出のために校舎に使われていた金属が取り外されてしまったそうです。建物が燃えて無くならなかっただけマシなのか……。戦争の爪痕には胸が痛みます。
建築資料のみならず、ヴォーリズ関連の書物や写真、解説もありました。
彼は来日後、滋賀県の近江八幡で教師をしていたそうです。しかし、キリスト教の布教活動が不興を買ってしまい、教師職を失ってしまいます。
無職になっても、日本の地でキリスト教の精神を広げることを諦めなかったヴォーリズ。日本を離れることはしませんでした。在日の宣教師たちの助けを借りて、建築事務所を開業したとのことです。
失職がなければ、長きにわたって人々に愛されるヴォーリズ建築も、存在しなかったのかもしれないと思うと、「塞翁が馬」を感じますね。
では最後に、企画展の名前の由来となったであろう解説文を引用して終わります。
(太字は当方による。なお、【No.4】とあるのは、展示物のナンバーのこと。)
キャンパスに足を踏み入れたら甲山が正面に来るんだそうです。しかもぴったり真ん中に。
どれどれと思って、帰り道に門を出たところで振り返ってみました。
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おまけ
正門から甲東園駅方面へ続く学園花通り沿いにある、チョコレート店・デリスモアさん。
関西学院大学から歩いてすぐです。
色とりどりの可愛いチョコレートやチョコレート菓子、ケーキなどが売られています。
↓写真にあるような、キュートなものがたくさん♡
小腹が空いていた私はケーキをチョイス。帰宅後に食べてみましたが、チョコレートの味が濃ゆ〜い!最高でした😋
こちらのお店も個人的にオススメです。お立ち寄りの際は覗いてみてください♡
◆展覧会情報
会 期:2024年9月28日(土)〜12月14日(土)
休 館 日 :日曜日(但し11月24日(日)は開館)、11月18日(月)、11月23日(土)
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
会 場:関西学院大学博物館(時計台2階展示室)
観 覧 料 :無料
H P :大学博物館開館10周年記念 天を見あげて─関西学院のヴォーリズ建築─| 関西学院大学博物館 (kwansei.ac.jp)