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フランス料理に役立つ科学哲学

よく料理は科学だ!などと言われることはありますが、もう少し腰を低く、より落ち着いて料理に取り組むために、調理人をサポートしてくれるであろう本質的な自然の摂理を識るための考え方を見ていきましょう♪

自然の斉一性原理

自然の斉一性原理(principle of the uniformity of nature)とは、科学哲学の世界で用いられる言葉で「自然界で起きる出来事は全くデタラメに生起するわけではなく、何らかの秩序があり、同じような条件のもとでは、同じ現象がくりかえされるはずだ」という仮定。

デイヴィッド・ヒューム(David Hume)
ユリウス暦1711年4月26日〈グレゴリオ暦5月7日〉 - 1776年8月25日

質量保存の法則

1774年に物質の体積と重量を精密に測る定量実験を行い、化学反応の前後では、反応系の物質全体の質量が変化しないことを発見した。すなわち、今日においても化学の重要な基本法則とされる質量保存の法則をラヴォアジエは発見し、これを初めて著した。
また、
酸素の命名、フロギストン説の打破などの功績から「近代化学の父」と称される。

アントワーヌ=ローラン・ド・ラヴォアジエ(Antoine-Laurent de Lavoisier)
1743年8月26日 - 1794年5月8日

フランス革命でラヴォアジェが断頭台に送られた話は、下記文献のP.56参照

八木尚子『フランス料理と批評の歴史』中央公論新社(2010)

ダランベールの原理

1743年に『動力学論』を刊行し、次いで「流体の釣り合いと運動論」「風の一般的原因に関する研究」などの物理学的研究を次々に発表した。その研究はパリ社交界でも注目され、ディドロとともに『百科全書』の責任編集者となり、その刊行(1751年)にあたっては序論を執筆した。
『百科全書』には、他に「力学」「原因」「加速的」など150の項目を執筆、それらをとおし「力学は単なる実験科学ではなく、混合応用数学の第一部門である」との説を主張した。ダランベール力学の大きな功績は、ニュートン力学を肯定しながらも、そのなかにみられた神の影響を払拭した点にある。また「動力学」の項目では「ダランベールの原理」を明らかにしている。
後年、姓名をd'Alembert に変えたのはフリードリヒ2世に提案されたからだとされている。
1757年ヴォルテールを訪問し親交を結んだ。

ジャン・ル・ロン・ダランベール(Jean Le Rond d'Alembert)
1717年11月16日 - 1783年10月29日

ダランベールの原理(d'Alembert's principle)は、1743年に「力学論」において発表した古典力学の原理。


熱力学第二法則(second law of thermodynamics)

熱力学第二法則は、熱力学において可能な操作を定める法則である。熱力学第二法則が定める熱力学的に可能な操作から、熱力学的エントロピーの増大則が示される。

熱力学第二法則によって、可逆過程および不可逆過程、また不可能な過程が定義される。

クラウジウスの法則(クラウジウスの原理)
低温の熱源から高温の熱源に正の熱を移す際に、他に何の変化もおこさないようにすることはできない。

トムソンの法則あるいはケルビンの法則
一つの熱源から正の熱を受け取り、これを全て仕事に変える以外に、他に何の変化もおこさないようにする熱力学サイクルは存在しない。

オストヴァルトの原理
ただ一つの熱源から正の熱を受け取って働き続ける熱機関(第二種永久機関)は実現不可能である。

エントロピー増大則
孤立系、及び断熱系において不可逆変化が生じた場合、その系のエントロピーは増大する。

カラテオドリの原理
熱的に一様な系の任意の熱平衡状態の任意の近傍にその状態から断熱変化によって到達できない他の状態が必ず存在する。
オストヴァルトの原理はトムソンの法則と全く同じ主張をしている。クラウジウスの法則とトムソンの法則は、それぞれの反例となるサイクルを認めると、カルノーサイクルとの合成サイクルを作ることにより互いの反例が生じてしまう。つまり対偶を示すことにより同値であることが示せる。
クラウジウスの不等式はカルノーサイクルを連結し合成サイクルを作ることによって、トムソンの法則と、それより導かれるカルノーの定理を用いて示せ、またクラウジウスの不等式において n = 1 としたものはトムソンの法則そのものである。
熱力学では伝統的にはクラウジウスの不等式を用いてエントロピーを定義し、それが増大することが証明されるが、エントロピーを他の方法を用いて定義し、かつエントロピー増大則を原理として認めれば、他の諸原理を示すことができる。

ニコラ・レオナール・サディ・カルノー(Nicolas Léonard Sadi Carnot)
1796年6月1日 パリ - 1832年8月24日 パリ


ルシャトリエの原理


ル・シャトリエの原理(Le Chatelier's principle)とは、化学平衡状態にある反応系において、その状態に対して何らかの変動を起こさせたときに、平衡が移動する方向を示す原理のことであり、1887年にカール・ブラウンによっても独立して発表されたため、ルシャトリエ=ブラウンの原理 とも呼ばれる。

アンリ・ル・シャトリエ(Henry Louis le Chatelier)
1850年10月8日 - 1936年9月17日
カール・ブラウン(Karl Ferdinand Braun)
1850年6月6日‐1918年4月20日

オイラー=ラグランジュ方程式


オイラー=ラグランジュ方程は、物理学における最大の指導原理の一つである最小作用の原理から導かれる。 運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの差を与える関数をラグランジアンと呼び、ラグランジアンの時間積分を作用と呼ぶとき、物理現象は作用を最小化するように動くことを主張する原理。

レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler)
1707年4月15日 - 1783年9月18日

ラグランジュ点(Lagrange point )は、天体力学における円制限三体問題の5つの平衡解であり、二つの天体系から見て第三の天体が安定して滞在し得る位置座標点である。ラグランジュ点において第三の天体は、二つの天体から受ける重力と慣性力の釣り合いが取れており、外力による加速を受けない。

ジョゼフ=ルイ・ラグランジュ(Joseph-Louis Lagrange)
1736年1月25日 - 1813年4月10日

コーシー・リーマンの方程式

数学の複素解析の分野において、コーシー・リーマンの方程式(Cauchy–Riemann equations)は、2つの偏微分方程式からなる方程式系であり、連続性と微分可能性と合わせて、複素関数が複素微分可能すなわち正則であるための必要十分条件をなす。コーシー・リーマンの関係式とも呼ばれる。

オーギュスタン=ルイ・コーシー(Augustin Louis Cauchy)
1789年8月21日 - 1857年5月23日
ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン(Georg Friedrich Bernhard Riemann)
1826年9月17日 - 1866年7月20日

ケプラー予想

ヨハネス・ケプラーはまた、球を敷き詰めたときに、面心立方格子が最密になると予想した。 この予想はケプラー予想と呼ばれ、規則正しく敷き詰める場合に関してはカール・フリードリヒ・ガウスによって早々に証明されたが、 不規則な敷き詰め方に関しては、1998年にヘイルズによって解決された。


ヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler)
1571年12月27日 - 1630年11月15日

『自然哲学の数学的諸原理』


Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica


アイザック・ニュートン(Sir Isaac Newton)
ユリウス暦:1642年12月25日 - 1727年3月20日

ヴォルテール著『ニュートン哲学の基礎』

Eléments de la philosophie de Newton 1738年

わたしはアルバート・アインシュタイ『相対性理論』やニールス・ボーアたちの『量子力学』などの所謂20世紀物理学の知識は、ほとんど料理には必要ないと考えています。強いて勉強するならばフィリップ・レーナルトやゲオルク・シュタルクの「ドイツ物理学」ですかね、フリードリヒ大王に敬意を表す意味でも🍷

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