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ブリュッセルで無賃乗車が横行する訳

バス・トラムの無賃乗車は当たり前

ブリュッセルに住み始めてから2ヶ月ちょっとが過ぎました。生活が始まりバスやトラムに乗ると、日々疑問が大きくなっていきます。それは、誰も自分の乗車券をチェックしない、そして抜き打ち検査もない、ということです。

Suicaのようなタップ型の乗車管理システム(バス・トラム内)

ヨーロッパは、日本と違って駅に改札がないことが珍しくありません。改札がない代わりに、交通機関の抜き打ち検査員が、私服でウロチョロしていますので、もし検査員に捕まりチケットを持っていないことが分かると高額な罰金*を支払わなければいけません。


*国によって違いますが、ブリュッセルは罰金100€(約1万4千円)

20年くらい前になりますが、ドイツに旅行した際は抜き打ち検査員をよく見かけたし、チェックも厳しかったです。旅行者が「分からなかった」「間違えた」と言っても絶対に許してくれませんでした。(今も検査員はかなり多いようです)

しかしここブリュッセルは、チケットの検査員に会うことのできる確率はかなり低いです。道端で知り合いに会う確率よりも低い、いや、芸能人を見かける可能性より低いと言っていいです(東京以外に住んでいる読者の方、東京でも芸能人を見かけるのはごく稀です)。

そうなると必然的に、改札がない駅を利用する場合や、乗車区間が短い場合は乗車券を買わない人が多くなりますし、買うことすらバカらしくなります。「いやいや、サービスを受けている以上お金を払いなさいよ」と思う皆さん、おっしゃる通りです。しかし、この感覚をあえて何かに例えると、誰にも読まれない手紙(乗車チケット)をわざわざ毎回書いてポケットで温めている感じになります。誰も読んでくれない(チケットをチェックしてくれない)ので、とっても切なくなります(笑)。それなら、買わなくていいじゃないという意識になってきますよね。ましてや、明らかに周りの人も買ってないと自分だけ損した気分になります。

チケットの検査員はいないのか

乗車券の検査員が全くいない訳ではないようですが、私は未だ会ったこともない、顔も服装も見たことがありません。2ヶ月でおそらく50回くらいはバスとトラムに乗っていますが、未だ見たことがありません。

私が所属している野球チームのベルギー人にも聞きましたが、「少なくとも3年間会ってない」そうです(笑)。乗車頻度にもよりますが。3年会わないって。。ただしこれは住んでいる場所にもよるのと、旅行者が多い市内中心部は検査員が多いとも言っていました。

また、なぜか本当に予期しない時に突然現れるとか。土曜日の早朝7時とか、深夜とかに来ることもあるらしい。本当に謎です。

乗車券はチェックしないのに、〇〇はある

乗車券をチェックする検査員がほとんど現れないため、利用者はお金をあまり払わなくなります。つまり、交通機関の売上が増えません。

そして、ここブリュッセルは定期的に交通機関がストップします。それは、「ストライキ」があるからです。従業員が待遇改善を要望するためにやるストライキですが、最初にやることは検査員を少し増やしたりして乗車券を買わせる施策を考えることじゃないかと思ってしまいます。

ストライキのお知らせ

このことについてベルギー人にも聞いたのですが、ブリュッセルの交通機関は半官半民で運営されているため、組織として変化しない、何かを変えようともしないのだそうです。この理由だけではなかなか納得しにくいのですが、この状況が最近起こったことではなく、昔からずっと続いていることだけは確かなようです。

ブリュッセルに旅行する時、乗車券を買うべきか

ここまで無賃乗車について書きました。旅行者の方も、今のシステムなら難なく無賃乗車はできてしまいます。
ただ、楽しく、精神的に心地よく旅行するためにも乗車券を買うことをおすすめします(ここまで書いておいて、この結論 笑)

もし検査員に捕まって、罰金100€を払う時に本当に嫌な気持ちになるでしょうし、検査員が来ないかどうか乗車中にヒヤヒヤしても楽しくないですよね。

また、ブリュッセル市内であれば、訳2.4€(約330円)でバス、地下鉄、トラムの乗り換え自由、距離も無制限(乗車時間だけ1時間という制限あり)と日本に比べても大変割安です。また、もっとお得な回数券もあります。ブリュッセルに旅行に来るみなさん、数百円なのでぜひチケットを買い、割安な移動を楽しんでみてください。

今後も、ベルギー・ブリュッセルの生活や情報をシェアしていきたいと思います。それでは、また!

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