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婆ちゃんがタダで占いをしたり祓ったりしていた理由

婆ちゃんの家にには毎日誰かしら人が相談に来ていた。
子供の頃に婆ちゃんの家に遊びに行っていた時、いつもお客さんが来ては何やら話している光景が当たり前でした。

私が高校生くらいの時になぜ婆ちゃんの家には来客が多いのか理解できました。
婆ちゃんが生年月日の星で運勢や性格や相性を見て、家相も見て、悪い霊を祓うことができアドバイスをしていたからでした。
全てお金を取らず無料でやっていました。
噂が噂を呼んで日本全国から人が来ていたみたいです。

星を見ることについてはある神社の神主さんに引き継がされて覚えたらしい。
家相については、昔の建築士の方は家相を分かっていた人が多く、建築士の人に教えてもらいに行って覚えたらしいです。
霊的なことは生まれた時から何かしら見えて、ある時に修行したほうがいいと地元の”先生”と呼ばれている見える人にアドバイスされ多少修行をした見たいです。

家族と親しい人しか見ていなかったがいつの間にか、
毎日”見て欲しい”と言うお客さんが来るようになったと言っていました。

星や家相を見てお客さんと話をしているのはよく遭遇して、その光景は今も覚えています。
悪霊的なものを祓っている現場は私は目撃したことがありませんでした。
これについては大人になってから父親と世間話をしている時に聞いて初めて知りました。

お金を取らないでやっていたので、婆ちゃんに見てもらった人達はおそらく申し訳なさや感謝の気持ちからか、
婆ちゃんの家には色んな贈り物、貰い物がありました。
ほとんどが食べ物でお米やお菓子や果物、ビールにジュースが神棚の前と小さな倉庫にいつも山積みになっていました。
私は大人になり一人で遊びに行った時も何かしらの食べ物やビールを帰り際に持たされてました。

中にはお金を置いていこうとする人もいるみたいで、
それでも受け取らず返していたみたいです。
ただ企業の社長さんや偉い人で、どうしてもお金を置いていこうとする人もいたみたいで、その方たちからのものは受け取って神社やお寺に寄付をしたそうです。
(理由を聞いてみると婆ちゃんのお陰で儲かったので、婆ちゃんに多少お金を渡さないとバチが当たると思って受け取ってほしいと懇願されたらしいです)

そんな婆ちゃんが自分に縛りを与えている話を私にしました。
「婆ちゃんのとこに色んな人が相談に来るやろ?
みんな悩みを抱えてたり、辛い思いをしている人ばっかりや。
婆ちゃんは何の悩みもないし辛いこともない。
婆ちゃんだけ幸せやったら釣り合いが取れん。
だから婆ちゃんは1番好きな物を断つことにしたんや。
”お茶や
お茶が大好きで1番好きやったんやけど、これを一切飲まないことに決めたんや。
もう何十年もお茶を飲んでないよ。」

お金も取らずボランティアで、さらに自分の好きな物を断ってまで
何で人のためにここまでやるのか不思議だったので聞いてみたら

「お客さんが毎日来てくれる。嬉しいやん。
そして、米やお土産をくれたりするし得やろ?」

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