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東金・八鶴湖と日吉神社参道の杉並木 :3

承前

 八鶴湖畔の、日吉神社一の鳥居。

 鳥居をくぐった先の集落から細い脇道に入り、丘陵を登っていくと、山上の尾根伝いに参道が現れる。
 このルートを選択したのは、単に駅からの最短ルートと思われたからなのだが……そこには、大きな驚きが待ち受けていた。

集落から折れた、細い脇道。右に曲がると……
この野趣である。目を疑った
地層の重なりがくっきり
岩から浸み出る水は、その名も「権現滝」
こんなところを登っていく
S字カーブ。この上に、道陸神(道祖神)の祠があった
鬱蒼とした森

 「山王坂」と呼ばれるこの切通しは、家康の御成街道の一部として開削されたとも、嘉慶元年(1387)に日吉神社が隣の山から現在地に移転したときからともいわれていて、よくわかっていない。
 しかし、こうして神社を目指してこの道を登っていると、「これより先は神域」とでもいわれているような感触を覚えたのは確かで、やはり信仰にかかわる道なのではと、直感としては思ってしまう。
 だが、参道との位置関係でいえば、まっすぐに連続するわけでなく、参道の突き当たりを左に入って行かなければならない。不自然な動線ではある。
 山側から平地側に抜ける近道として、地域の暮らしのなかで歩かれていた道が、のちに東金街道を通す際にそのまま利用されたと考えるのが自然なのかもしれない。
 いずれにせよ、ただならぬ道、稀に見るよき道であるには違いなかろう。

 登山やハイキングに来たつもりはなかったのに、駅からほんの15分ほど歩いたら、いきなりこの風景に切り替わった。山中に迷いこんだというか、放り出されたような感覚であった。(つづく

ようやく参道にたどり着く。日も暮れかかっていた



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