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日本絵画(近世まで)

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#東京黎明アートルーム

応挙と蘆雪(+古九谷様式):2 /東京黎明アートルーム

(承前)  地階の展示室を入ると、右側に長沢蘆雪、左側に円山応挙の作品が並んでいた。  …

よろこびの風 〜養蚕機織図屏風と鍋島〜:1 /東京黎明アートルーム

 黎明アートルーム、今回の取り合わせは「養蚕機織図屏風と鍋島」。  初めて知ったとき、結…

みんな大好き! 宗達・光琳&柿右衛門様式:2 /東京黎明アートルーム

(承前)  1階奥には《籬(まがき)夕顔図屏風》をはじめとする3点が。いずれも、尾形光琳の…

同じ手 古美術・骨董のことば

 前回の更新では「同じ手」「同手品」という言葉を、断りなしに何度か使った。「同手品」は「…

魅惑の色彩 天才の描線 光琳×蕪村 金襴手×乾山:4 /東京黎明アートルーム

(承前)  乾山の話をせずに、この鑑賞記を終えることはできまい……  展示の冒頭を飾った…

魅惑の色彩 天才の描線 光琳×蕪村 金襴手×乾山:3 /東京黎明アートルーム

(承前)  この展示は師走の、もういくつ寝ると……といった時季まで開催されていた。そんな…

魅惑の色彩 天才の描線 光琳×蕪村 金襴手×乾山:2 /東京黎明アートルーム

(承前)  メイン展示室奥の特等席に、《峨眉露頂図》は展開されていた。  天高く、険しく、ごつごつと。  「峨峨たる山々」という形容そのままに奇岩が居並ぶさまは、仙人の棲む土地・仙境としてまことに似つかわしい。それを描かんとする蕪村の、泰然とした、融通無碍の筆さばきが光る。  峨眉山は中国・四川省にある山で、蕪村はもちろん現地を見ていない。  李白の詩が、構想のもとになったと考えられている。  《峨眉露頂図》としばしば並び称される《夜色楼台図》《富嶽列松図》はどちらも大

魅惑の色彩 天才の描線 光琳×蕪村 金襴手×乾山:1 /東京黎明アートルーム

 中野の東京黎明アートルームでは、江戸絵画や中国・日本の古陶磁を中心とした展示が、ほぼ1…

遁世のすすめ 特別展 浦上玉堂 /東京黎明アートルーム

 なにも心配することはない。  厭世的な人生観は、これもまたいつものこと。中学生の時分か…