魅惑の色彩 天才の描線 光琳×蕪村 金襴手×乾山:2 /東京黎明アートルーム
(承前)
メイン展示室奥の特等席に、《峨眉露頂図》は展開されていた。
天高く、険しく、ごつごつと。
「峨峨たる山々」という形容そのままに奇岩が居並ぶさまは、仙人の棲む土地・仙境としてまことに似つかわしい。それを描かんとする蕪村の、泰然とした、融通無碍の筆さばきが光る。
峨眉山は中国・四川省にある山で、蕪村はもちろん現地を見ていない。
李白の詩が、構想のもとになったと考えられている。
《峨眉露頂図》としばしば並び称される《夜色楼台図》《富嶽列松図》はどちらも大