最後の浮世絵師 月岡芳年展:5 /八王子市夢美術館
(承前)
美人画の揃い物《風俗三十二相》は、「形容詞+さう(そう)」をテーマに、女性たちの暮らしのワンシーンを切り取ったもの。
背中にお灸を据えられた女性を描いて《あつさう(熱そう)》、和傘を差して雪中を往く女性を描いて《さむさう(寒そう)》といった具合である。
この図はどうだろうか。
下にスクロールしていただくと、作品名が出てくる――そう、《むまさう(うまそう)》。
見よ、このふっかふかの大ぶりな海老天! 重量感や熱さまでが、134年もの時を超えて、こちら側に