京都・智積院の名宝:3 /サントリー美術館
(承前)
智積院は、真言宗智山派の総本山。高野山や根来寺の流れを汲む真言の名刹にして、教学で名を知られた寺だけに、その歴史を物語る仏教美術・古典籍にも名宝がある。
鎌倉仏画の《孔雀明王像》(重要文化財)ほか、中世仏画にとくによいものがあったが、より興味をひかれたのは仏教工芸。つい昨年末の開山忌で使用され、後期展示からラインナップに加えられたものなど、現役バリバリの仏具が含まれている点がよかった。
《根来塗舎利塔》(17世紀 江戸時代)は、仏事の中心にあったもの。非常に