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日本絵画(近世まで)

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#日本美術

大名茶人 織田有楽斎 /サントリー美術館

 有楽斎こと織田長益(ながます)は、織田信長の13歳下の異母弟。  さしたる戦功はないもの…

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サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展 /千葉市美術館

 鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし)は、浮世絵の黄金期に美人画で活躍し、喜多川歌麿と鎬…

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大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~:2 /大倉集古館

(承前)  1階の展示は「新春を寿ぎ」に徹した内容となっており、2階の展示室で「春を待つ」…

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〈新春スペシャル〉2023年の鑑賞「落ち穂拾い」:4

(承前) ■鴎外の食 /文京区立森鴎外記念館(7月9日)  森鴎外は、なにを食べていたのか…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:3 /サントリー美術館

(承前)  この展示には、美術史の狭間に取り残された幕末・明治の魅力的な作家たちを掘り起…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:2 /サントリー美術館

(承前)  本展でとりわけ大きく扱われる作家・安田雷洲の《捕鯨図》(江戸時代・19世紀 歸…

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葛飾応為『吉原格子先之図』 ー肉筆画の魅力:1/太田記念美術館

 葛飾北斎の三女・お栄こと葛飾応為(おうい)。  杉浦日向子『百日紅』をはじめ、彼女にスポットを当てたマンガや文芸作品がいくつかあるが、応為自身が描いた作品となると、肉筆画10数点と挿絵2点を数えるのみ。父・北斎のアシスタント的な役割に多くを注いだためといわれているけれど、残された作品は強烈な光芒を放っていて、他人の選んだ生き方とはいえ、じつに勿体なかったなと勝手に思ってしまう。  原宿の太田記念美術館に所属される肉筆画《吉原格子先之図》(江戸時代・19世紀)が、最もよく知ら

皇室のみやび 第1期・三の丸尚蔵館の国宝:2/皇居三の丸尚蔵館

(承前) ■伊藤若冲《動植綵絵》  江戸時代・18世紀 30幅のうち4幅  いわずと知れた、…

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皇室のみやび 第1期・三の丸尚蔵館の国宝:1/皇居三の丸尚蔵館

 昭和天皇の崩御後、皇室伝来の美術品が国庫に入り、その管理・公開をする「宮内庁三の丸尚蔵…

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臥遊―時空をかける禅のまなざし:3 /慶應義塾ミュージアム・コモンズ

(承前)  展覧会名の頭には「常盤山文庫×慶應義塾」とある。鎌倉山・常盤山文庫のコレクシ…

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臥遊―時空をかける禅のまなざし:2 /慶應義塾ミュージアム・コモンズ

(承前)  展示室に入る前に「展覧会の巡りかた」が。本展の鑑賞にあたっては「トリセツ」が…

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杉本博司 本歌取り 東下り:2 /渋谷区立松濤美術館

(承前)  《法師物語絵巻》(室町時代・15 世紀 小田原文化財団)は、和尚さんと小僧さん…

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ホンモノじゃない美術鑑賞 ~「模写・贋作・複製」の展示3本

 美術館や博物館には、ホンモノを観に行く。印刷物や映像でなく、ホンモノをじかに観ることに…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち:1 /サントリー美術館

 シンプルなネーミングの本展。  ポスターやリーフレットには、展覧会名との襷掛け・書き文字ふうのフォントで、こんなコピーが記されている。  おもしろいキャッチコピーである。こちらが展覧会名でも、よかったのでは——  そうまで思われるのは、「ダジャレとしてイイ(※当社比)」ということのみが理由ではない。  本展に集うのは、岡本太郎の芸術にも引けを取らないほどの爆発的なパワーを宿した、幕末・明治の絵画。  そのクセの強さやエネルギッシュさはもちろんのこと、ちょっとマイナーなこの