葛飾応為『吉原格子先之図』 ー肉筆画の魅力:1/太田記念美術館
葛飾北斎の三女・お栄こと葛飾応為(おうい)。
杉浦日向子『百日紅』をはじめ、彼女にスポットを当てたマンガや文芸作品がいくつかあるが、応為自身が描いた作品となると、肉筆画10数点と挿絵2点を数えるのみ。父・北斎のアシスタント的な役割に多くを注いだためといわれているけれど、残された作品は強烈な光芒を放っていて、他人の選んだ生き方とはいえ、じつに勿体なかったなと勝手に思ってしまう。
原宿の太田記念美術館に所属される肉筆画《吉原格子先之図》(江戸時代・19世紀)が、最もよく知ら