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日本絵画(近世まで)

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#浮世絵

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く提…

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サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展 /千葉市美術館

 鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし)は、浮世絵の黄金期に美人画で活躍し、喜多川歌麿と鎬…

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〈新春スペシャル〉2023年の鑑賞「落ち穂拾い」:4

(承前) ■鴎外の食 /文京区立森鴎外記念館(7月9日)  森鴎外は、なにを食べていたのか…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:3 /サントリー美術館

(承前)  この展示には、美術史の狭間に取り残された幕末・明治の魅力的な作家たちを掘り起…

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葛飾応為『吉原格子先之図』 ー肉筆画の魅力:1/太田記念美術館

 葛飾北斎の三女・お栄こと葛飾応為(おうい)。  杉浦日向子『百日紅』をはじめ、彼女にス…

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推し活!展 ―エンパクコレクションからみる推し文化 /早稲田大学演劇博物館

「推(お)し活」とは、ある対象を深く偏愛し、その魅力に耽溺する者による一連のファン活動…

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さすが!北斎、やるな!!国芳 —浮世絵のマテリアリティ /慶應義塾ミュージアム・コモンズ

 慶應義塾が所蔵する「高橋誠一郎浮世絵コレクション」は、著名絵師を網羅する質の高さで知られながらも、展示施設の不足により公開の機会が限られてきた。  一昨年、「慶應義塾ミュージアム・コモンズ」が開館。早稲田に遅れること23年(演劇博物館を含めれば98年!)、慶應にもついに大学博物館ができ、満を持しての高橋コレクション展の開催である。  今回は、葛飾北斎、歌川国芳をピックアップ。  奇なる着想と卓越した筆で根強い/近年とくに人気のふたりを対決させようという趣旨のもと、まずは先

京都 細見美術館の名品 ─琳派、若冲、ときめきの日本美術─:2 /日本橋高島屋

(承前)  琳派や伊藤若冲に代表される近世絵画は、2代・細見古香庵による蒐集品。  蒐めた…

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北斎バードパーク /すみだ北斎美術館

 葛飾北斎とその一門が描いた「鳥」がテーマの展覧会。  作品をとおして、江戸人の愛鳥ぶり…

北斎と肉筆浮世絵の美―氏家浮世絵コレクションー:2 /鎌倉国宝館

(承前)  展覧会名にあるように、本展の主役は葛飾北斎。展示作品においても、「氏家浮世絵…

北斎と肉筆浮世絵の美―氏家浮世絵コレクションー:1 /鎌倉国宝館

 中世の古都・鎌倉には、肉筆浮世絵オンリーの稀有なコレクションがあって、鎌倉国宝館でたま…

鹿島と香取:3 /茨城県立歴史館

(承前)  かねてより拝見したいと思っていた作品にも、出合うことができた。  香取神宮が…

芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:2 /三菱一号館美術館

(承前)  芳幾・芳年が14図ずつ共作した《英名二十八衆句》は、歌舞伎に登場する著名な殺人…

芳幾・芳年 国芳門下の2大ライバル:1 /三菱一号館美術館

 幕末期の浮世絵の巨星・歌川国芳。 「奇想の画家」の一角にも挙げられた国芳の絵は現代においても人気が高く、毎年どこかしらで展示が催されるほど。  国芳人気の余波を受けた面もあってか、弟子の月岡芳年への認知度もにわかに高まっている。  以前は残虐非道な「血みどろ絵」のイメージが先行していたが、そればかりではないすぐれた力量にスポットが当たる機会が増えたことも、芳年の存在が受け入れられる背景にはあるものと思われる。  国芳一門には名前が残るだけで80人以上もの弟子がおり、その