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日本絵画(近世まで)

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#円山応挙

あの世の探検 ー地獄の十王勢ぞろいー:2 /静嘉堂文庫美術館

(承前)  十王図は、最も長い壁付ケースに全13幅が横並び。これは、壮観……!  中央は《…

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千總の屏風祭2023「見えない水を見る」:1 /千總ギャラリー

 7月24日、祇園祭の山鉾巡行がたけなわを迎える頃、京友禅の大店・千總(ちそう)の本店2階に…

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応挙と蘆雪(+古九谷様式):2 /東京黎明アートルーム

(承前)  地階の展示室を入ると、右側に長沢蘆雪、左側に円山応挙の作品が並んでいた。  …

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:8

(承前)  応挙らの襖絵が客殿に戻されたのは、神戸新聞によると「原物を配した客殿の仏教空…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:7

(承前)  大乗寺客殿の2階は、オプションでの公開だった。  2階へたどり着くには、人ひと…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:6

(承前)  応挙の弟子たちが描いた残り10室について、1階の東側から南側、さらには2階へと、…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:5

(承前)  北西端の「芭蕉の間」。  人格者で子宝に恵まれた中国・唐時代の武将・郭子儀(かくしぎ)とその孫たちが、6面の襖を使って描かれている。  子孫繁栄を象徴するこの画題を、応挙は何度か手がけている。  先日の三井記念美術館のお正月展示には、《郭子儀祝賀図》が出ていた。大乗寺の10年ほど前に制作された軸物で、郭子儀おじいちゃんを囲んで親戚一同が大集合する密な画面となっていた。  ここから、モチーフを祖父と孫数名、芭蕉などの小道具に絞り、それぞれを金地の中空に浮かせるよ

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:4

(承前)  大乗寺ではデジタルアーカイブの取り組みを早くからおこなっており、次のようなペ…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:3

(承前)  昨秋、ひっそりとはじまった「応挙寺」こと大乗寺の特別公開。今年に入ってから、…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:1

 先日の奈良行では、春日社参詣と国宝殿「杉本博司―春日神霊の御生 御蓋山そして江之浦」鑑…

国宝 雪松図と吉祥づくし:2 /三井記念美術館

(承前)  応挙の作品は《雪松図》以外にも5点。永樂の陶磁器が10点、象彦の漆器は2点。  …

国宝 雪松図と吉祥づくし:1 /三井記念美術館

 美術館の、押しも押されぬ看板作品。  SOMPO美術館のゴッホ《ひまわり》や山梨県立美術館の…

西行 語り継がれる漂泊の歌詠み:2 /五島美術館

(承前)  西行の歌が絵画化・意匠化された例は、枚挙にいとまがない。本展でも、新古今集の…

鈴木其一・夏秋渓流図屏風:2 /根津美術館

(承前)  抱一《夏秋草図》の隣には応挙の絶筆《保津川図屏風》(重要文化財、千總)が。なんと豪華な展示ケース!  どちらも現在は重文止まりだけれど、国宝へ昇格する日は遠くないはず(※《保津川図》に関しては、大乗寺の障壁画群の後塵を拝することになるか)。  それにしても、抱一と応挙がいちおう同時代の人(抱一39歳のときに応挙が62歳で亡くなっている)とはいえ、この2点が取り合わされて展示されるのは、おそらく初めてではないだろうか。そんなふたつの点を線でつなぐのが、其一《夏秋