没後190年 木米:2 /サントリー美術館
(承前)
木米の生業は、やきもの。絵画は、あくまで余技だった。
そして陶工や画家である以前に、木米は生粋の文人であった。文人の営みとして、書を読み、煎茶を喫し、やきものをこしらえ、絵筆を走らせたともいえよう。
陶・画ともに、木米というひとりの人が為したことであり、源を同じくするのならば、その産物には共通する傾向が見出せるのが通常と思われる。
しかしながら、木米の多様な作品を観れば観るほど、そのつかみどころのなさに途方に暮れてしまった。いったい何者なんだ、この男は……