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日本絵画(近世まで)

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#江戸絵画

サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展 /千葉市美術館

 鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし)は、浮世絵の黄金期に美人画で活躍し、喜多川歌麿と鎬…

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大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~:2 /大倉集古館

(承前)  1階の展示は「新春を寿ぎ」に徹した内容となっており、2階の展示室で「春を待つ」…

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〈新春スペシャル〉2023年の鑑賞「落ち穂拾い」:4

(承前) ■鴎外の食 /文京区立森鴎外記念館(7月9日)  森鴎外は、なにを食べていたのか…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:3 /サントリー美術館

(承前)  この展示には、美術史の狭間に取り残された幕末・明治の魅力的な作家たちを掘り起…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち〈後期〉:2 /サントリー美術館

(承前)  本展でとりわけ大きく扱われる作家・安田雷洲の《捕鯨図》(江戸時代・19世紀 歸…

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葛飾応為『吉原格子先之図』 ー肉筆画の魅力:1/太田記念美術館

 葛飾北斎の三女・お栄こと葛飾応為(おうい)。  杉浦日向子『百日紅』をはじめ、彼女にス…

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皇室のみやび 第1期・三の丸尚蔵館の国宝:2/皇居三の丸尚蔵館

(承前) ■伊藤若冲《動植綵絵》  江戸時代・18世紀 30幅のうち4幅  いわずと知れた、若冲の最高傑作。  本展では全30幅から、前後期に分けて4幅ずつを出陳。うかがったのは前期で、《菊花流水図》《南天雄鶏図》《老松白鳳図》《秋塘群雀図》の4点が拝見できた。  そもそも、完全予約制の本展をどのタイミングで訪ねるかは、《動植綵絵》の出品状況によって決めたのだった。開催中の後期展示や来年の出品作については、こちらの資料から確認できる。  《菊花流水図》。  群青・緑青

ホンモノじゃない美術鑑賞 ~「模写・贋作・複製」の展示3本

 美術館や博物館には、ホンモノを観に行く。印刷物や映像でなく、ホンモノをじかに観ることに…

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激動の時代 幕末明治の絵師たち:1 /サントリー美術館

 シンプルなネーミングの本展。  ポスターやリーフレットには、展覧会名との襷掛け・書き文…

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琳派のやきもの —響きあう陶画の美 /出光美術館

「琳派のやきもの」と題した、尾形乾山のやきもの(乾山焼)を主役とした展示。  ——いた…

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千總の屏風祭2023「見えない水を見る」:1 /千總ギャラリー

 7月24日、祇園祭の山鉾巡行がたけなわを迎える頃、京友禅の大店・千總(ちそう)の本店2階に…

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さすが!北斎、やるな!!国芳 —浮世絵のマテリアリティ /慶應義塾ミュージアム・…

 慶應義塾が所蔵する「高橋誠一郎浮世絵コレクション」は、著名絵師を網羅する質の高さで知ら…

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春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室 /府中市美術館

 今年の「春の江戸絵画まつり」は、例年にない新趣向。  江戸の画家たちが用いた技法や道具…

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京都 細見美術館の名品 ─琳派、若冲、ときめきの日本美術─:3 /日本橋高島屋

(承前)  昨秋の「つながる琳派スピリット 神坂雪佳」展にも出品されていた、酒井抱一《鹿楓図団扇》。  団扇の表裏に、鹿と楓が描かれている。パナソニック汐留美術館では、鹿の面のみが見える状態での展示であった。  今回は、両面が拝見できた。  見返りの鹿の面をくるりと回せば、紅葉した楓の古木が現れる。幹は太く、たくましい。葉も大きい。華奢な鹿、風に揺られる萩の片面とは好対照だ。  秋に団扇なんて使うかしら……という雑念はさておき、軸装や額装に改められず、団扇の体裁を保って