古伊賀 破格のやきもの:3 /五島美術館
(承前)
古伊賀の異形ともいえる造形は、ときに、人ならぬ「鬼」をも連想させる。
その名も「鬼の首」という水指。
川喜田半泥子が、京都の美術商から購入。三重県内に里帰りし、現在も川喜田家の石水博物館に蔵されている(ただし、博物館のある津は伊賀国ではなく伊勢国)。現地を含めて何度か拝見しており、再会を楽しみにしていた。
激しくヘラ目が走り、ベコベコと歪まされた器体は、赤く固く焼き締まっている。その上からサーッと、萌葱色の灰釉がうっすら流れ、理想的な広がり、溜まり、発色