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工芸

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記事一覧

画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎:2 /静嘉堂文庫美術館

(承前)  古物のコレクターであった松浦武四郎。愛蔵品に囲まれて昼寝に耽るさまを、不遜に…

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く提…

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魅惑の朝鮮陶磁 /根津美術館

 “朝鮮半島のやきもの” と聞いて、思い浮かべる作品は、人それぞれに違うと思う。  素朴な…

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大名茶人 織田有楽斎 /サントリー美術館

 有楽斎こと織田長益(ながます)は、織田信長の13歳下の異母弟。  さしたる戦功はないもの…

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岩手・盛岡「民藝」さんぽ

 盛岡の、あこがれの場所。  それは「光原社」。  大正13年創業の民藝品店で、社名は宮沢…

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ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家 /東京オペラシティ アートギ…

 ガラス作家・山野アンダーソン陽子によるガラスの器と、18名の画家による静物画を取り合わせ…

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縄文時代と火焔型土器のクニ:2 /十日町市博物館

(承前)  火焔型土器が、ずらり。  通常ならば「1点だけでもたいへん!」というクラスの作例が、ここには何十点と集められている。いずれも、十日町市内からの出土品。  国宝の火焔型土器は、向かいの専用ルームに展示されていた。  文化財指定の対象は笹山遺跡出土の928点一括であり、この専用ルーム内にある土器はすべて国宝。  なかでもいちばんよく知られた、大きさ・完成度・コンディションともに極上といえる火焔型土器が、中央の独立ケース内に鎮座していた。  現代人の目には独創

やまもとの至宝・飛鳥時代の大刀と馬具:1 /山元町歴史民俗資料館

 イチゴの名産地・宮城県の山元町(やまもとちょう)。南は福島との県境に接し、東は太平洋に…

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芹沢銈介と、新しい日々:1 /東京国立近代美術館

 金沢の国立工芸館には、染色家・芹沢銈介の作品や資料が豊富に所蔵されている。核となってい…

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芹沢銈介と、新しい日々:2 /東京国立近代美術館

(承前)  型染カレンダーで埋め尽くされた壁の向こう側には、染色の作品が。  まずは、文…

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HAIBARA Art&Design 和紙がおりなす日本の美 /三鷹市美術ギャラリー

 日本の美しい紙を各種取りそろえる、東京・日本橋の「榛原(はいばら)」。江戸から続く老舗…

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ハッピー龍イヤー! 〜絵画・工芸の龍を楽しむ〜:2 /静嘉堂@丸の内

(承前)  静嘉堂で「龍」といえば、中国美術の名品たちとともに、この絵も思い浮かぶ。  …

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古伊賀 破格のやきもの:4 /五島美術館

(承前)  本展には、以下のようなキャッチフレーズがつけられている。  リーフレットの両…

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古伊賀 破格のやきもの:3 /五島美術館

(承前)  古伊賀の異形ともいえる造形は、ときに、人ならぬ「鬼」をも連想させる。  その名も「鬼の首」という水指。  川喜田半泥子が、京都の美術商から購入。三重県内に里帰りし、現在も川喜田家の石水博物館に蔵されている(ただし、博物館のある津は伊賀国ではなく伊勢国)。現地を含めて何度か拝見しており、再会を楽しみにしていた。  激しくヘラ目が走り、ベコベコと歪まされた器体は、赤く固く焼き締まっている。その上からサーッと、萌葱色の灰釉がうっすら流れ、理想的な広がり、溜まり、発色