【わたしのドーナツ盤】SMOOTH ACE「プラスアルファ幸せ」 / BLACK BISCUITS「タイミング 〜Timing〜」


#はじめて買ったCD

A-side: SMOOTH ACE「プラスアルファ幸せ」

"はじめて買ったCD"というハッシュタグに触発されて、私が小学6年生だった2000年頃を思い出した。

その頃テレビ東京では、『ソングライトSHOW!!』という、若手ミュージシャンにお題を与えて楽曲制作をさせる番組があった。

『爆笑オンエアバトル』が一部のクラスメイトの間で流行していた一方で、誰も話題に取り上げなかったこのコンペティションを、なぜか自分は毎週テープに録画して繰り返し観ていた。

当時のコボリ少年にとってはその中に出てくるアーティストはみんな輝いて見えたが、そのなかでもとりわけ好きだったのは、SMOOTH ACEというボーカルグループだった。

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2000年頃はインターネットが普及した時代でもある。

なにか情報がないかSMOOTH ACEのことを検索してみると、彼らのオフィシャルサイトだったかファンページだったか、それとも掲示板だったかに行き着いた。

そのページで彼らがメジャーデビューを控えていること、そしてお台場でストリートライブをやっていることを知った。

「好きなアーティストがメジャーデビューをするって、ものすごい重要な局面に立ち会っているのではないか」と思った自分は、お台場にストリートライブを観に行くことを決めた。

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ストリートライブ当日。

たしか開始時刻よりもかなり早く着いた覚えがある。だから先にHMVに寄って、彼らのデビューミニアルバム『サクラ』を買った。

はじめてCDが自分のものになった瞬間はハッキリと覚えている。その場で聴けないのは分かっていてもフィルムを剥がした。ケースから取り出した見開きのジャケットは、お世辞にも大手のレーベルがつくるものとはクオリティが違うように感じたけれど、それも含めてとても気に入った。

その後ストリートライブの場所に戻ってしばらくすると、ライブが始まった。待ちに待ったライブなのに近くで見るのが恥ずかしくて、かなり遠くから見ていたと思う。たしか20分ぐらいのライブだったと思うが、「テレビで見る人が目の前で歌っている」、そして「その曲を自分はCDで持っている」という興奮はすごかった。

これは予想だけど、ライブ後はきっとCDを手売りしていたり、ファンと気さくに交流していたんじゃないかと思う。なんでこれが「予想」かと言うと、終わったあとすぐに帰ってしまったからだ。話してみたい気持ちが強すぎた結果、まったく近寄れず、そのまま「ゆりかもめ」に乗った。

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帰宅してからは、「はじめて買ったCDあるある」であろう、延々とCDをリピート再生していた。

タイトルに選んだ「プラスアルファ幸せ」は、「サクラ」がキレイなバラードであることに対して、明るいアップテンポの曲だ。個人的にはサビのコーラスがオシャレでとても気に入り、コンポで何度も再生していた。

はじめて買ったCDで「リード曲以外にも良曲はある」ということを知れたのは、その後の音楽人生を豊かにしたことだろう。

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この購入とお小遣いの増額をキッカケに、中学生になってからは中古CDをこれでもかというぐらい買い、TSUTAYAの店員に覚えられるぐらいCDをレンタルした(noteには書けない方法で音楽を聴いたことも、あったような無かったような)。

そういった意味では、自分の「意識的な」音楽のはじまり、「自分の手で音楽を探す」ことのはじまりは、まちがいなくSMOOTH ACEにあることを思い出した。

B-side: BLACK BISCUITS「タイミング 〜Timing〜」

ところで「無意識的な」音楽のはじまりは何だろうか。

親がカーステレオでかけていた米米CLUBや徳永英明もあるけれど、よく覚えているのはブラックビスケッツ=ブラビの「タイミング」だ。たしか親がマキシを買ったんじゃないかな。

「タイミング」は、DNAレベルで自分の身体に刻まれた音楽だ。ロックが苦手で歌謡曲とブラックミュージックが好きな理由は、半分くらいこの曲によってもたらされたと思う。

お笑い好きの自分にとってはウッチャン=内村光良がすべてである、と思っていた。しかし音楽はナンチャン=南原清隆だったか。そういえば、はっぱ隊も...。


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