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「サクラあっぱれーしょん」を通してでんぱ組.incを考える


○私がでんぱ組.inc(以下でんぱ組)にハマったきっかけ

私がでんぱ組を知ったのは本当に最近で、それは解散の発表がされた時でした。私はでんぱ組という名前は知っていて、メンバーとしては最上もが、夢眠ねむしか知らず、要するにほとんど知りませんでした。解散するという情報を見て、せっかくだし聴いてみるか…と思い、聴いてみたら、なんだこれは!?
と本当に雷で打たれたような衝撃でした。最初に聴いたのは「でんでんぱっしょん」で、その後「サクラあっぱれーしょん」でした。更に色々聴いていくうちに、最初はメロディーが気持ちいいな…くらいの感覚だったのですが、歌詞に注目してみると、あれ?この子たち、アイドルだよな…?と思うくらいに暗めの内容だったので、びっくりして彼女らの背景を色々調べていくうちに、でんぱ組が創り上げているひとつの世界観を知りました。そこからはもうどハマリで、ライブ映像を見たり、でんぱ組の番組を見たり(テレ朝動画に加入したり)、ファンクラブに入会したりと、でんぱ組に触れることを中心とした日常を送っています。

○そもそもでんぱ組って?

一応でんぱ組について、かるーく紹介しておきます。元々秋葉原にある「ディアステージ」というお店で働いていた古川未鈴と小和田あかり(結成後1年半ほどで卒業)の2人で2008年に結成されたユニットです。その後、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、跡部みぅが加入します。そして、跡部みぅの卒業(2011年)と同時に最上もが、藤咲彩音が加入します。ここから古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音の6人体制で活動を行っていきます。そして2017年に最上もが、2019年に夢眠ねむ、2020年に成瀬瑛美が卒業し、その時期の細かいメンバー変遷は省かせて頂きますが、現在は新旧メンバー7人で活動しており、2025年にエンディングを迎えることを発表しています。
特徴としては、メンバー全員がオタク、電波ソングを歌うことなどがあります。ライブでは特徴的な振り付けや、歌って踊って大変そうだけど楽しそうな姿を見ることが出来ます。個人的には一番衝撃を受けた部分である、彼女たちのドラマ性の部分が最大の特徴であると思います。これについては後述します。

○「サクラあっぱれーしょん」を通してでんぱ組.incを考える

さて、本題に入りたいと思います。まず、「サクラあっぱれーしょん」についてですが、2014年に発売された9thシングルで、曲の特徴としては、曲名からも読み取れるように、ハイテンションで転調もいくつかある、とても楽しい楽曲です。(表面的すぎて申し訳ない…!)
今回はそんな「サクラあっぱれーしょん」を通して、でんぱ組というグループについて考えてみたいと思います。

この曲は一聴すると、楽しく明るい曲のように感じますが、歌詞やグループの背景まで目を当てると真の意味で、でんぱ組を体現した曲であると思います。
まず、サビの部分

1番
さあみんなダンスダンスダンス わらじ履いてビラカンひらり
カッコつけてもパンツパンツパンツ はみ出てる

2番
さあみんなダンスダンスダンス さらし巻いておへそちらり
靴脱いだらソックソックソック 破れてる

このサビはでんぱ組の完璧じゃない点を可愛げを持って表していると思います。彼女たちはステージに立ち、アイドルとして最大限のパフォーマンスを発揮すべく歌って踊りますが、人間なのでミスもあります。「でんぱの神神」などを見ると、彼女たちの人間的にもアイドル的にも決して完璧ではなく、等身大の女の子が精一杯お客さんの前でパフォーマンスをしようとする姿を知ることができます。彼女たちは各自その完璧じゃない部分に葛藤したり、多少の衝突をしたりするのですが、通底してお客さんを楽しませたい、自分たちが成長したい、といった思いが彼女たちを動かしています。完璧じゃないアイドルであるでんぱ組だからこそ、カッコつけてもパンツははみ出るし、靴を脱いだら靴下は破れているんですね。

1番
突っ走ってもこっちこっちこっち 逆方向
青春はそれでいいのだ
勘違いも味方にしちゃうのだ

2番
強がってもきゅんきゅんきゅん 苦しいの
乙女はそれでいいのだ
マイナスも味方にしちゃうのだ

マイナスからのスタートを歌っている彼女たちは、元々アイドルをやる前は引きこもりだったり、人と関わるのが苦手だったり、何かしら暗い過去があります。そんな彼女たちが歌うからこその説得力。人前に立ち、最大限お客さんを楽しませようと歌って踊る彼女らが、苦い過去や思い出を乗り越えて、前に向かって進んでいく。でんぱ組というグループが持つ暗い部分を跳ね除けるほどの明るいメロディーと躍動感は、ステージに立っている彼女たちを知っているからこそ、信じられないほどの説得力を持って私たちの心に響きます。

それと、なんといってもこの曲のお祭り感は最高です。
春夏秋冬、森羅万象、古今東西、神様仏様兎様
といったように色んな要素が出てきて、全てを巻き込んだお祭り感がこの曲の盛り上がりを全体的に底上げして、
歌え日本 踊れ日本
と秋葉原を飛び出した彼女たちは日本を歌って踊らせます。

とりあえずいいか? 黙ってついてこい Follow me
嗚呼 嗚呼
君の未来を明るく照らすなんて お茶の子さいさいさい

そして、個人的にでんぱ組とファンの関係を表していると思うこの部分。彼女たちは本当にファンの方々に対して感謝をしている場面が多々あって、えいたそ(成瀬瑛美)は「ライブなしでは生きられない」と言い、みりんは「(応援してくれる)皆さんが私の自信です」と言っています。ファンがいなければでんぱ組は成り立たず、逆もまた然りで、彼女たちが楽しそうに活動し、初のワンマンライブでチケットを手売りしていた時から、2回目のワンマンライブは完売、Zeppも成功、アクシデントを乗り越えつつ野外音楽堂も成功、そして武道館へと登っていくでんぱ組に、黙ってついてこいと言われたら、そりゃあ信じて着いていくでしょう。そして、どんなに登っても後ろを着いてきてくれるファンに対して感謝し、ライブやイベントで還元してくれる。君の未来を明るく照らすなんてお茶の子さいさいと歌う彼女たちが、本当に輝いているからこそ感じる歌詞の厚みが素晴らしいです。

愛してんだ みんな大好きだ

こういう風に、歌の中で純粋に叫ぶ思い。こうした素直な歌詞がファンの心に感動を与え、ここまで支えてくれたファンの皆さんに感謝を伝えてくれているから、全力で応援できますね。

満月の下で踊りましょう
桜舞い散る季節と歌いましょう
君といつかまた出会うその日まで
だから意地っ張りさんも 照れ屋さんも 八百屋さんも あなたも
忘れないで ばいばいさようなら

この曲を最高にしている最後の部分。聴いていて1番盛り上がり、1番切なく、1番涙が溢れ出てくる部分なのではないでしょうか。
ここまで盛り上げてきた彼女たちは最後に、忘れないで ばいばいさようならと歌います。全ての人々に、そして聴いているあなたに、「でんぱれーどJAPAN」で最後に、ハジマリと歌い、この曲でさようならと歌うのは、でんぱ組という物語が1本軸の通ったものであると感じざるを得ません。
忘れないで ばいばいさようならと彼女たちが歌っても、行かないで!置いていかないで!とはなりません。ありがとう!いつまでも応援してる!という気分になります。別れを惜しむのではなく、気持ちの良い別れを感じさせてくれる。それほどのパワー溢れるメロディーで、聴く人々に元気を分け与える。本当に素晴らしい曲ですね。



ここまで読んでいただきありがとうございました。新参者ながら、思うこと感じたことを書かせていただきました。でんぱ組は来年エンディングを迎えますが、とにかく全力で応援して、そしてライブに行って、ありがとう!と叫びたいです。
では。

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