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なぜRetty(レッティ)は赤字を出し続けられるのか?
Rettyと言えば食べログやぐるなびに並ぶ、口コミグルメサイトとして有名ですよね。
上場を果たしてからずっと株価は下がり続けている銘柄ですが、コロナの影響も落ち着いてから上昇に転じることはできるのか?とても気になりましたので財務諸表を分析してみようと思います。
さてタイトルの回収ですが、結論から言うと赤字を出し続けられる理由は短期借入金により資金的余裕がまだあるからです。
赤字とは言え安定的に売り上げを出していけるモデルであるということに加えてコロナでの苦戦、そして先行投資であることを考えると今は赤字を出し続けることができる状態であると言えます。
では詳しく見ていこうと思います。
チャート
上場後にするどくピークを出して一時期2870円まで行ったことありますが、その後は安定的に減衰傾向となっております。
メディアとは大きく異なりますが、SaaSモデルで代表的なfreeeの分析については下記の記事をご覧ください。
同じ赤字でも株価が急激に伸びているfreeeとはまるで反対の傾向ですね。
何をやっている企業か
Rettyは広告収入を主な収益源として、口コミグルメサイトを運営している会社です。
食べログやぐるなびと大きく異なるのは実名であるということで、会員同士のコミュニケーションが楽しめるSNSの要素を持っていることがあげられます。
月間利用者数は4000万人を超えており、非常に大きなインターネットサービスであると言えます。
私自身も情報の質や画像の綺麗を見ると食べログやぐるなびよりも充実しており、直感的な信頼度はRettyが一番高いと思っています。
ただ一方で検索で上位に出てくることが少ないので、なんやかんやGoogleマップ検索でサクッとお店探すことが多いです。そのため競合が相当多いなという印象です。
損益計算書(P/L)
売上が下がってなおかつ赤字が拡大している苦しい状況ですね。1億8千万円の赤字からさらに5億2千万円まで悪化しているのがはっきりとわかります。主な原因ははっきりと売上が下がっていることですね。
これだけ見ると相当苦しい状況になっており、失望売りによってさらに株価は下がりそうな気配となっています。
貸借対照表(B/S)
ということでバランスシートも見てみましょう。
さすがに赤字が拡大しているためか、現金を積み増している様子がわかります。バランスシートを見ると流動資産で15億円あり、現金で10億円はあるので、あと1年くらいは耐えられそうな様子です。
ただ気になるのはバランスシートの右側のほうです。
短期借入金が爆上がりしてます。いわゆる首が回らなくなったので4億円くらい借り入れてます。なので純資産でみるとなんと手持ち資金は6億円です。
正直ここまで危ういバランスシートを上場している企業でみるのは初めてです。資金調達によりぎりぎり持ちこたえる様子がわかります。
まとめ
・直近は売上が減少傾向の企業
・国内実名型グルメサイトのモデルケースとなる企業
・上場後の売上とバランスシートがともに厳しいこれからの企業
上場したばかりのメディアの企業として気になって調べてみましたが、相当やばい様子が伺えました。
ただ口座に10万円しか残っていないという逆境を乗り越えてついには上場まで果たした企業でもあるので、これからの踏みとどまりに期待な企業でした。
広告収入がメインのメディアとしてはある程度底値な印象かつこれからコロナが終わる期待もこめるとここから上昇する余地はまだありそうだなとも思いました。
私が解説するよりも社長の生の声を聞いたほうがいいと思うので、決算説明の動画も載せておきます。
株価は上がるのか?
チャートを見るとある程度底値になっていると考え、個人的にはコロナによる苦戦がなくなっていく楽観的な視点で考えると株価は上昇する気配を感じます。
旅行系の銘柄も売上が回復傾向ですし、コロナ前に状況に目に見える形で戻っていることも加味して株価は今後1年の間で伸びてくるのではないかと予想しています。
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