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母親のがん

約1週間前、母親にがんが見つかった。
「大腸のステージⅢやって〜」
と涙ながらの電話だった。

母方はゴリゴリのがん家系。

母親の姉は10歳年上だが、
ちょうど今の母親の年齢くらいで
子宮がんが見つかり、
そこから約4年で亡くなった。
見つかった時にはステージⅣだったという。
(ステージⅣは他の臓器に転移が確認される)

その姉の息子、つまり僕のいとこは
胃がんで32歳で亡くなっている。
違和感を感じて病院に行ったら全身に転移済み。
手が出せる状況ではなかったらしい。

そんな背景もあり、母親の頭は「がん=死」
死ぬのが怖くて毎晩泣き明かしていた。

僕ができることは、客観的に事実を確認し、
望ましい形で本人に伝えること。

やはり気になるのは治るのか治らないのか。
早速google先生に聞いてみる。

“大腸がんを生きるガイド“より

ステージⅢは6割から8割弱の5年生存率。
aとbがあるが、これはリンパ節への転移個数によるらしい。
3個以上だとbらしいが、今のところ確認されているのは2個。
開腹してさらに見つかればbの判定。

ステージⅣは一気に2割弱まで生存率が落ちている。
他の臓器に転移すると一気に事態が悪化するのがわかる。

これはこれで不幸中の幸い。
特に大腸がんは初期症状がないと言っても過言ではないらしく、
症状が出る頃は末期であることが多いらしい。

淡々と事実を本人に説明、兄弟にも報告。
手術は大腸の20cmとリンパ節を根本からごっそり切除する。
その後、目に見えない飛散している可能性のあるがん細胞を
駆逐するために抗がん剤治療を半年ほど実施予定。

怖がりの本人は、ビクビクしながらも現状を受け入れ、
今のタイミングでお腹が痛くなって気づけたのは、
「お姉ちゃんが知らせてくれたんかもしれんなあ」と
やっと「がん=死」の考えからは脱却できた模様。

先日のインフォームド・コンセントでは、自分で調べたことを
確認するかのように、お医者さんに質問させてもらった。
「医療関係者ですか⁉︎」と言われるほど。
でも丁寧に説明してくださって、
「教科書通りの手術ですからね」と。

そのお医者さんは、
母親の出身である和歌山の病院にいたこともあるらしく、
雑談の中で、その先生が師と仰ぐ先生が、父方の祖父のがんの
治療にあたってくれていたことがわかった。
これもまた不思議な巡り合わせ。

ひとまず、がん自体はこれから闘病生活に入るにせよ、
きちんと事態を把握して、頑張っていくことになった。

それはそれで良しとして、
今回思い知らされたのは、自分の衰えも感じながら、
年齢を重ねてきたことはわかってはいたつもりとはいえ、
実際に親の命に関わる話が出てくると、ハッとさせられる。

なんとなく、仕事ばかりの生活で今年45歳になってしまう自分。
禿げてきたとか、痩せにくくなったとか、血圧が高いとか、
健康診断で指摘されても、どこか他人事だったけれども、
今回の件で「余生」というものを意識させられた。

後悔のない人生を歩んでいるか?と聞かれたら、
とてもYes!とは言えない。
まだまだ頑張りが足りないってことを、
親が身をもって教えてくれた気もするね。

GWあと1週間。
自分を見つめ直して、気を引き締めるいいタイミングかもしれない。


長々と駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます。
この件に限らず、機会があればまたnoteを書きたいと思います。
引き続きよろしくお願い致します。

こぼたん

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