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歴史に関するマガジン

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2022年1月の記事一覧

社会における意思決定プロセスの失敗を分類してみる|文明と、そのカタストロフィのパターンについて調べてみた・スピンオフ

はじめに読者のみなさん、ごきげんよう。 今回は「文明と、そのカタストロフィのパターンについて調べてみた」の一連の記事のスピンオフとして、社会における意思決定プロセスの失敗を分類してみようと思う。 実は「集団又は個人の意思決定の失敗」は、文明崩壊の主要な要因として挙げられることが多い。近年、注目を浴びているジャレド・ダイヤモンド氏はこの主張の旗手だ。 これまでの一連のシリーズでは、シュメール・古代ローマ・大英帝国がどのような原因で衰退していったのかを考慮することができた。

文明と、そのカタストロフィのパターンについて調べてみた|Vol.3 大英帝国編

はじめに大英帝国は全盛期においては世界史上において最大の帝国であり、唯一の超大国の地位に就いていた。19世紀およそ1世紀間を通じ、巨大な力を一国に集中し世界秩序の明確な担い手となった。 第一次世界大戦終結から第二次世界大戦までの間は、アメリカ合衆国と並ぶ超大国であった。第二次世界大戦後にはイギリスは超大国の地位から降格し、海外植民地が独立してイギリス連邦が発足した。 冷戦期にはアメリカ合衆国と共にソビエトが超大国になった。現在のイギリスは「老大国」であり、多くの人々は「世