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ヘベムニュラの落星

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オリジナルホラー小説『ヘベムニュラの落ち星』です。
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』17完結

「気になってたんだけど、それ誰にもらったの? 」 ぼくと工藤は、盗んだバイクで『遠く』を目…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』16

 その時、上がった悲鳴は怪物のものだった。床を転げて地面が振動し、天井から石綿が埃になっ…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』15

 とにかく足を動かし続ける。目の前に人影があった。朝まで飲んでいたのだろう、酔っぱらった…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』14

 工藤を救急車で搬送してもらったあと、ぼくは家路付いた。付き添いを求められるものだと思っ…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』13

 間抜けだった。どうしようもない。間抜け。救いようもない無能。引き金にかかった指に徐々に…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』12

 繁華街から四キロほど外れた廃ビル街は寂れた雰囲気と活況のなさからさらに人気は遠ざかり、…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』11

(↑バックナンバー↑)  いつもの帰り道を歩く。大通りで救急車とすれ違った以外は――いや、ここ最近はそれさえも日常の風景の一部のような気がするが――平和な時間だった。以前は死に場所を探す旅の果てに必ず目にするアパート近所の風景だったのに、この場所を捨てて遠くへ行くともなると感慨深いものがあった。 アパートの敷地に足を踏み入れると、みあ、とクリシェが出迎えた。なぜ外でと疑問に思ったが、ぼくはクリシェへ優しく声をかけた。この子もつれて行こうか。工藤は何と言うだろう。  そういえ

『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』10

「遠くに行こうよ、石田」 「遠く? 」 「私たちのことを誰も知らない場所。そこで一緒に暮ら…

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』09

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』08

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61

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2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』07

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』06

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61

kobo-taro
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』05

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61

kobo-taro
2年前
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『ヘベムニュラの落星(おちぼし)』04

(01) https://note.com/kobo_taro/n/n52895d13d196 (02) https://note.com/kobo_taro/n/n2fa61e863c7d (03) https://note.com/kobo_taro/n/n3714e1ae6566 それはぼくが図書室でククに近い生き物を探している時だった。分厚い図鑑をテーブルに運び、いざ読もうと軽く伸びをしながら窓の外をふと眺める。 その時、窓の外で逆さ吊りの市波がぼくの目をじっ