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保育士実技試験【造形】色塗りのコツ 初心者でもきれいに、速く塗る方法 【独学で合格】

こんにちは。しろうずです。
保育士試験では、色塗りに充てられる時間は、非常に限られています。大抵の受験生は20分前後ではないでしょうか。つまり、かなり短時間で色塗りを行う必要があります。

短時間でも、綺麗に、丁寧に仕上げるにはどうしたら良いでしょうか。

なお、以前、別の記事で、色塗りの進め方については説明しましたので、おおまかな流れについては、そちらも併せてお読みください。

なお、本記事にはプロモーションが含まれる事があります。


人物は濃く!丁寧に塗る

人物は絵の主役です。しっかり色をつけることと丁寧な塗りを心がけていきます。具体的なやり方を説明していきます。

●色鉛筆の濃さの度合いについて

人物の色はしっかり、濃く塗っていきます。

人物はしっかり濃く、背景は薄く

コツとして、色鉛筆の角度は背景と比べてやや立てると良いです。程度としては、紙が凹まない程度の筆圧で塗ります。*色鉛筆の芯が尖りすぎていても紙が凹んだり1ストロークで塗れる面積が狭くなりすぎたりして塗りづらいです。少しだけ先を丸めると良いです。

立て気味にすると濃く色がつく
上段は少し尖っている部分があり塗りづらい
下段のように少し丸めておくと塗りやすい

筆圧や塗り方は個々人の個性でもありますので、もし1回塗って薄いと感じる人は別の方向から重ね塗りをすると良いでしょう(後述します)。時間があれば…にはなりますが。ない場合は少しだけ力を入れて塗るようにしましょう。

●薄い色から先に、濃い色を後に塗る

薄い色とは、うすだいだい(旧肌色)や、黄色、ピンク、水色や黄緑などですが、これらは可能であれば先に塗っておきましょう。

例えば、髪の毛を黒や茶色にする、という場合、先に塗った際、芯カスが出てきてしまうことがあります。この芯カスの上から薄い色で塗ると当然混じり合って汚れてしまいます。三菱ユニ880カリスマカラーなどを使っている場合は芯カスが出やすいです。注意しましょう。
*なお、トンボ黄色缶は出にくいのであまり順番は気にしなくて良いでしょう。

濃い色の芯カスは厄介

輪郭線も濃い色で行う方が多いと思いますが、これも気をつけないと輪郭線の芯カス・載っている色と後から塗る色が混じり合ってしまいます。こうなると汚く見えてしまうので、薄い色を塗る際には輪郭線の上を少しよけて塗るようにすると良いです。

カリスマカラーでの着色例。輪郭線の茶色と薄い黄緑色が滲んでしまった。

顔の肌を塗るのが先か、パーツが先か?について少し説明します。顔の肌の色は薄い色で、パーツは濃い色です。肌部分は一気に力を入れて塗る場合も多いと思いますので、肌の色を先、パーツを後、の順で塗った方が良いケースが多いでしょう。*ただし、トンボの黄色缶をお使いの方は、あまり混色が得意ではないこと、茶色が薄いこと、この2つの観点から、トンボに限っては先にパーツを描いておいた方が良いかもしれません(上から塗ってもあまり擦れませんし、後からだとやや色が載らないです)。

芯カスが出やすい色鉛筆については顔の肌を先に塗り、
目鼻口などのパーツを後から茶色で描くとよい。

●1つのエリアについては同じ方向・同じ濃さで塗る

例えば、このような形の服を塗りたいとします。

その際、この同じ服について、あちこちの方向で塗られていたら、違和感を感じやすいです。方向は統一しましょう。*以前の動画では斜め塗りしましょうと言っていましたが、特に方向は問わないです。同じ方向で塗るようにしましょう。
この時、色の濃さ(筆圧で調節)も一定を保ってください。

方向バラバラだとあまり綺麗に見えない。
方向は統一し、同じ濃さで塗るようにしよう

服については、袖の部分が割とはっきり分かれている場合には、袖・胴体は別エリアと捉え、方向を変えても良いです。

袖と胴体の方向を変えて塗っても良い

もし隙間ができたら、同じ方向・同じ筆圧で隙間を塗って埋めます。別の方向で塗ると違和感ができてしまうので、極力避けましょう。

同じ方向で隙間は埋める

なお、色が薄く、重ねて同じ色を塗りたいときは、最初に塗ったのとは違う方向から塗るようにします。この時も方向は一定とします。

重ね塗りは方向を変える。ムラが少なくなる。

●塗りの隙間は極力減らす/エリア内のムラをなくす

塗りの隙間が多いと雑な塗りと感じられ、合格できるものもできなくなります。人物についてはそこそこ丁寧に描かれていると見る人に感じさせる必要があります。人物の形が上手くなくてもいいので、塗りを丁寧にすることで印象は違ってきます。

思い切りガーッと塗ると隙間ができたり、同じエリア内でムラができてしまいます。隙間をあまり作らないこと、同じエリア内は同じ筆圧(濃さ)で塗るようにします。

同じ絵柄でも、一気に塗ったものと丁寧に塗ったものとでは
異なって見える

●人物の塗りの時間は10〜12分程度

*輪郭線は別途とします。
ほとんどの方はこのくらいの時間を目安にするとよいと思います。絵を描き慣れている人は、下書き時間が少ないので、もう少し時間をかけられるでしょう。


背景は薄く、さっと仕上げる

背景は人物を引き立たせるために、薄く塗り、また多少雑になっても良いのでさっと仕上げます。具体的なコツについて説明していきます。

●色鉛筆の濃さの度合いについて

基本的には薄めに仕上げます。1つは遠景は通常でも霞などで薄く見えることと、2つ目は人物が目立つようにするためです。

背景はやや薄めに。

薄く速く塗るコツは、色鉛筆を少し寝かせて、左右に腕を動かして塗るようにすることです。紙に接する面積が増え、圧力が弱くなることで、薄く広く塗ることができます。

少し寝かせ気味にして塗ると
広い面積が一気に塗りやすい

1ストロークを少し長めに取ることで、より広い面積を塗ることができます。その際、手首を回転させるよりは、肘を中心にして回転させるとまっすぐに上手く濡れるでしょう。

●背景は横方向塗りを基本とすると吉

エリア内は同じ向き、というのは人物と同じです。背景は範囲が広く、方向がバラバラになりやすいので、同じ方向で意識して塗るようにしましょう。方向を変える時は、意味のある変え方をするのがコツです(木の茂みの色の違いを表現するなど)。

地面については、横向きに塗ると良いでしょう。いろんな方向で塗らないようにする、は人物と同じです。

室内の床は板目に沿っていたほうがいいのでしょうが、横向きに一気に塗っていいと思います。室内については、室外と明確に分けるため、板目を描いておきましょう。

床は横向きに塗る+板目をつけるのが無難。
ちなみに床の壁側が濃いのは壁の影
という考えで塗っています。

木については生えている方向の縦方向に塗っておくと違和感がありません。
窓ガラスについては、斜め方向、薄く水色を飛び飛びに塗り、水色と白とのシマ状態にしておくといいでしょう。

その他は、横でも斜めでも良いと思います。

●背景は主張しすぎないようにする

背景となっている部分の輪郭線を描くときは、同色または同系色で縁どり、または茶色なら薄く縁取りするようにすると、背景があまり目立たなくなります。

背景の輪郭線は控えめに。輪郭線は薄めで。

他には、物品の色に注意をしましょう。例えばこの絵ですが、背景のおもちゃ箱を、赤で、かつ、しっかりと描きすぎてしまっているため、背景の一部であるおもちゃ箱が、人物を目立たなくさせてしまっています。

失敗例
(*これのみが原因で不合格になることはありませんが)

ですので、描き直したこちらの作品では、薄い黄緑色で、薄めに、かつ小さく配置しました。これで人物にしっかりと目が行くようになりました。

背景のおもちゃ箱を薄い色にしました

赤や青などの色は鮮やかな色である上に、人工物として主張しすぎますので、使う面積を小さくします。あまり主張しすぎず、風景として感じられるようにすることも背景を塗る(描く)ときのコツです。なので、背景に配置する小物類は後から人物に合わせてさっと描くくらいでもいいと思います。

●背景の塗りにかけられる時間は6〜7分程度!

人物をしっかり塗った後背景を塗ります。さっと一通り塗っているだけで良いですが、それでも最低5分はかかるものだと思っておきましょう。

それ以上短いと少し雑またはがらんとした殺風景な背景になっている可能性があります。背景に物品を配置する描き方については過去動画にアップしていますので、そちらを参考にしてみてください。


時間があればやっておきたいこと

●人物のほっぺにピンク色を載せる

これだけで人物がイキイキして可愛らしくなります。やるのとやらないのでは大違いなので、必須くらいの気持ちでやっておきましょう。もし時間に余裕があれば、膝、肘、指先や、かかとにもピンクを載せましょう。さらに可愛らしくなります。ぜひぜひ!やってみてください。

ほっぺにピンクを載せると
可愛らしくなるのでやっておこう

●影をつける

できれば、でいいです。ここまでできる時間がない方も多いですが、可能であれば影もつけたいところです。

服にも影がつけられればなおよしです
右上方向から光が差していると仮定しています

なお、白いものは真っ白にするのではなく、水色などで影をつけておきましょう。しろうずの考えでは、最も白い部分は白で塗らなくて良いです。画用紙なども白で塗らなくて良いです。詳細な説明は以前動画で解説してあります。

地面にも影をつけておきましょう。ジャンプしている人物がいる場合は、つけないとわからない場合もあります。

ボールの影の位置が難しい。
投げている子どもや取ろうとしている子どもの足元と
ほぼ同じ高さにする


色塗りの説明については以上となります。
色塗りについては、丁寧に、綺麗にするだけでも加点が期待できます。初心者の方は特に、形が上手く書けなくてもここで丁寧さをアピールしておきましょう。


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